ドイツ報告2012-16

 ドイツのバイエルン州では、異年齢児保育は義務付けられて、どの園でも行っています。また、保育室も日本の多くの園のように机やいすが片づけられてガランドウではなく、いすや机は出したままで、棚が壁際に押し付けられているのではなく、部屋の中にしきりとして使っています。たまたま、私も保育所保育指針と幼稚園教育要領をよく読みこんで、そこに書かれている保育を忠実に実践しようとして保育室を作りこんでいったら、結果的に非常にドイツの保育室と同じような作りになりました。それは、基本的には、ドイツでフレーベルがキンダーガーデンを開設した時のスタイルです。しかし、そのようなスタイルに変えようとする場合は、日本の保育室はそこで遊んで、食べて、昼寝をすることもあるのでなかなか難しいという園が多くあります。また、それまでは年齢別保育をしているために部屋がクラスごとに壁で区切られ、大きな広いスペースを作ることができないという園も多くあります。しかしドイツの多くの園では、廊下があり、部屋が分かれている園の方が多いのです。そんな時には、どのような部屋の使い方をするのでしょうか?
 まず、部屋が狭い場合は、廊下にいろいろな機能を持たせます。図書コーナー、砂場コーナー、運動コーナーなどは廊下に設ける園が多いようです。しかし、日本では、廊下は避難路ですので、あまり狭くしあり、物を置いたりすることは禁止されています。では、ドイツでは避難路の確保はどうしているのでしょうか?それは、避難路を示す表示を見てわかりました。廊下にある避難経路の表示の矢印は、すべて廊下から保育室内に向いているのです。ということは、廊下ではなく、一番奥の部屋というイメージのようです。その奥に部屋は、隣の部屋とつながっている部屋でもあり、小学校などに見られるセミオープンスペースとか、共用スペースという使い方をします。
 もう一つの工夫の仕方を今回見ることができました。この園は、0歳児から3歳児まで48名の園児が在籍し、4グループに分かれているのですが、他の園と違って、グループごとの部屋はなく、すべてがオープンになっています。部屋は大きく4部屋あり、各部屋にロフトがついています。それらの部屋ごとにゾーンが作られ、色で区別されています。

 赤い部屋は、ごっこゾーンです。台所セットや応接セットや人形などのミニチュアで作った部屋のプレートは、とても小さいのですが、かわいいものでした。その部屋は徹底して赤い色に統一されています。棚をはじめとして、その部屋にかかっている絵画、塵取りやごみ箱、くつろぐ絨毯やソファー、さらにはトイレのふたまで赤く統一されています。
 次の部屋は黄色で統一されています。この部屋はどうもクリエイトゾーンのようで、部屋の入口にあるプレート代わりの箱の中には、木工グッズが飾られてあります。部屋に入ると、積み木や木工用具、木工台が置かれています。以前、ドイツに来たときにもびっくりしたのですが、この部屋にある木工道具の充実にもびっくりしました。ここには、のこぎりや、ドリルのような一見危険なものまであります。この園が、0歳から3歳児までの園であることを忘れそうです。日本でいうと、0歳児から2歳児クラスまでの園なのです。木工台を含めて、どのように工具を使わせているのでしょうか。また、この部屋にはゲームのようなものも置いてありましたが、その内容はクリエイティブ的なものなのでしょうか。あと、もちろんトイレのふたも黄色ですが、この部屋の装飾も黄色い色を中心に構成されていました。
 この部屋には、もうひとつ子どもが好きそうな面白いものが置いてありました。