ドイツ報告2012-15

 ドイツのミュンヘンでは、補助金を受けて運営する乳幼児施設では、どの園でも異年齢児グループを構成しています。0?3歳児のキンダークリッペという施設では、0歳児から3歳児までの異年齢でのグループがいくつかあり、3歳児から6歳児のキンダーガーデンという施設では3歳から6歳児までの異年齢でグル―プを構成するだけでなく、0歳児から6歳児までのコープという施設でも、0歳児から6歳児までの異年齢でグループを構成しています。

 しかし、今回、ドイツで見学した園の中に、1階が0から3歳児まで、2階が3歳から6歳児と分けて保育している園がありました。この園は、ミュンヘンでは非常に珍しいのですが、園長先生がそのような考え方だそうです。その園を見学したときに、私たちは2グループに分かれて、私のグループは先に2階を、もう一つのグループは1階から見学しました。私たちが、2階の以上児を見学した後1階の未満児を見学しようとした時、園長先生にこう言われました。「先のグループが見学した際、乳児が泣いてしまい、見学者を怖がって、情緒が安定しないので、廊下の窓からさっと見るだけにしてください!」というわけで、子どもたちは窓からさっと見るだけで、あとは子どものいない部屋を見学しました。いろいろと見ていると、さらにこう言われました。「子どもが見学者がいるために部屋の中に閉じ込められてストレスが溜まってしまうので、早く、この棟から玄関ホールの方に出てください!」と催促されました。

 日本でもよく言われますが、乳児は、知らない人が部屋に入ったり、知らない人大勢から見られると乳児は譲渡が不安定になる、落ち着かないと言います。ですから、乳児だけは別の部屋にして、特定にヒトで保育をします。しかし、ドイツでこういうことを言われると違和感を感じました。それまで見てきた園の乳児ではそんなことはなかったからです。10年近くもミュンヘンの園を見てきたのですが、どの園の乳児も、見学者を恐れたり、怖がったり、落ち着かないということはなかったのです。どうも、この園は、乳児と幼児を別々に保育をしている殻のような気がします。乳児は、様々な発達の子、自分と違っている子ども同士を見ることが少ないからのような気がします。ある意味で、均一な子どもしか見ていないのです。この園のように二つに分けただけでも乳児はその様子を見せるのですから、各年齢ごとに分けて保育をしている日本の保育園では、よりそのような様子を見せることでしょう。それを、乳児の特徴かのように言うのは、少し違うもしれません。幼児でも、特定に人にだけで保育されていたとしたら、たぶん他の人と接するときには、ストレスがたまったり、情緒が不安定になるでしょう。そのような反応は、年齢ではなく、育てられている環境の問題のようです。

 以前、ドイツで0歳児から6歳児まで同じグループで保育をしている様子を見て、「0歳児だけは、情緒の安定とか、感染症の問題などから別にするということは考えないのですか?」という問いに、「日本では、家に赤ちゃんと大きい子がいる場合、赤ちゃんだけを別の部屋で育児をするのですか?」「乳児の情緒が安定しないから、家にはお兄ちゃんやお姉ちゃんは入れないのですか?」と言われました。赤ちゃんがいると、上の子はきちんと配慮することを学びますし、赤ちゃんは、上の子がすることを見て、いろいろなことを学習するものだというのです。
 私たちの仲間の園が、見学者がいても関係なく自分なりの活動をしているということを億聞きますが、それは、集中しているからという理由のほかに、異年齢児で保育しているからということもあるかもしれません。