運動会の考察7

 マグロの刺身のそばに、緑の葉とか、緑の飾り物を置くことが多いのですが、これは、色彩のテクニックで、マグロを新鮮な赤い色を際立たせるために、その補色である緑のものを置くという効果を狙っています。昔の人は、笹の葉を一緒に入れると腐りにくいとか、どの葉を入れるとその香りが付くからという実用的な理由と、色彩効果など心理的なことを経験から考えていました。

 また、少しでも歩くのが大変がっている人が、ボールを追って歩くゴルフなどでは、知らずに1日でずいぶん歩いているでしょう。距離を感じる度合いも、その環境によって違います。ヒトは、さまざまな環境によって、心理的にいろいろな影響を受けるようです。その影響は、一部は科学的に解明されてきていますが、人間の能力や感情などは複雑で、赤ちゃんのころからそんな能力を受け継いで生まれてくる不思議さを感じます。

 園で毎年行われている行事でも、その味付けによって子どもたちの楽しみが増したり、印象を変えることができます。いくらおいしいものでも、毎日それを食べていたら飽きてきてしまいます。そこで、盛り付け方とか、付け合せとか、ちょっとした工夫をします。行事にもそれが必要な気がします。それは、子どもだけでなく、職員にとって重要なことのような気がします。行事などのイベントは、その主催者がまず準備する楽しさ、当日の楽しさがなければ、子どもには楽しさが伝わりません。子ども保護者にとっては、初めての体験でも、職員にとっては毎年のイベントであれば、なんだか楽しさが減ってきてしまいがちです。そこで、工夫が必要ですが、だからといって、その行事の趣旨を変えたり、奇をてらったものは、かえって焦点がぼけてしまいます。あくまでも盛り付け方や付け合せを工夫する程度がいいでしょう。

しかし、それには、明確なその行事の目的が職員に周知されていなければなりません。その見直しと確認は、時間をかけて職員で話し合う必要があります。私の園では、行事の担当職員が、まずするべきことは、毎年、その行事の趣旨の確認です。ここで考えなければならないのは、よく言う「変えてはいけないものと変えるべきもの」との考察です。この時には、私も話し合いに参加し、園の理念を確認します。私は、「細かいことにでしゃばる」人はリーダーに向かないと思っています。園を運営するということは、自分が何を行うかではなく、他人を通してことを成すことです。自分が直接仕事をするのではありません。実際に仕事をしてくれるのは、実践現場の人々なのです。自分一人では何もできません。みんなの力を集めてはじめてことは成せるのです。そこで、自分が実践現場と同列にものを考え、実践現場がやるべきことに口を出しては、職員はやりにくく、自分の主体的な行動ができにくくなります。ですから、行事の前に、きちんと理念、趣旨の説明は私がしますが、そのあとのことは相談には乗りますが、あまり口を出さないようにしています。

そして、いよいよ具体的な準備にかかります。昨日のブログのような「かけっこ」を行うことは、毎年変わることはありません。しかし、その盛り付けは変えます。その時に役に立つのが、毎年のテーマです。テーマに沿て題名を考え、環境を考えます。例えば、今年のテーマ「森」の年のかけっこの題名は、0,1,2歳児は「森を目指して、いち、に、さん!」で、3,4,5歳児は「森を目指して、さん、し、ご!」です。そして、かけっこをするコースには、草むらの装飾や森の装飾をし、いかにも、子どもたちが森を目指してかけていくというイメージを作り、見ている人を楽しませます。

運動会の考察7” への7件のコメント

  1. 今年からボランティアで地域の子どもたちの育成組織のリーダーをしています。定期的に子どもたちを集めて育成行事を開いてきましたが、悩みは大人のスタッフのモチベーションを保つこと。立ち上げた当初は、かなり張り切って理念を伝えたつもりですが、ちょっと最近それが薄れてきたかな。それにリーダーが細かいことについつい口を出してしまうこと(笑)。スタッフから意見が出てこないと、自分の腹案で決まってしまう。自分がすることは、理念と方向性を深めて提示することだけにしたいものです。目指せ、見守るリーダー。あらためて、非営利組織を率いることの難しさを感じているところです。

  2. 運動会の考察というタイトルからいきなりマグロの刺身のそばに…と始まったので何事かと思いましたが、なるほどそういう話だったんですね。確かに同じことをするにしても、楽しさがある場合とない場合とでは取り組む姿勢も違ってきますし、疲れも感じずに熱中できたりする体験は何度もしてきました。その状態を如何に作り出すかということについて、丁寧に解説してもらいました。まずきちんとした軸があり、それを全員が把握し、そしてそれをもとに盛りつけ方を変えていくということですね。ただこの盛りつけ方についてもやはりセンスは必要だと思います。そのセンスは普段からどのようなことを考えているかとか、どのようなものを見たり体験したりしているかによって変わってくると思います。それを、軸に沿ってアレンジしてもらうためにリーダーは何をすればいいのか。またここが難しいところで、今のところある程度分かってはきましたが、芯は外してしまっている感じがしています。まあそれでもやっていくしかないわけです。やりがいはありますが、それでも簡単ではありませんね。

  3.  ゴルフの例は面白いですね。確かに普段は歩く事が苦手な人でもゴルフに行くとたくさんの距離を歩きます。とは行っても遠い距離はカートを使うと思いますが、それでも好きな事をすると自然と体が動きますね。
     さて保育園の行事は毎年同じ事を繰り返すと職員もマンネリ化しますし、見ている保護者も飽きてしまいます。やはり保護者にしてみると遠足や運動会、発表会という大きな行事はわが子の成長を見る楽しみです。もちろん保護者の為の行事ではないですが、そうは言っても見に来てくれる保護者の方に楽しんでもらうためにも工夫は必要です。しかしブログにも書いてありますが、あまりにも見せる為の行事では子どもに大きな負担をかけてしまいますし、理念と離れてしまっては行事の主旨が違ってきます。毎年の内容は似たような物であっても、ちょっとして工夫や変わらない物、変えてはいけない物というのは大切にする必要があるのですね。

  4. 行事を楽しむということもものの捉え方なのかもしれません。どうしても、今までの伝統なのか、毎年同じ競技や内容をしていてはいけないという意識があるように思います。しかし、発達を伝える部分としてはあまり多すぎては前年度との比べるとその発達を見るという部分ではぼけてしまいます。そうではなく、その本来の行事の意味を含め考えたときに何を残して、何を変えるかということを考えていかなければいけません。その範囲のなかで、子どもたちや保護者が楽しむためにどう演出していくかということを考えなければいけませんね。その指標になっていくのが毎年のテーマ活動がせいがでは行われているんですね

  5. 赤身のマグロと緑の葉、共に補い合って、その存在をアピールしています。そして、その二つを一つにしてお口の中へ。何とも美味ですね。色彩のマジック。この色彩のマジックは味覚までも変えていきます。不思議ですね。毎年の行事がマンネリ化せず、常に新鮮であるためには、「年間テーマ」、すなわちワールドオリエンテーションが必要になってきます。今回のブログで紹介されていた通りです。さて、それよりも何よりも、「細かいことにでしゃばる」人はリーダーに向かない、これは結構身に沁みます。園長などのリーダーの立場になり、園の保育をどうしていくか、ということになった場合、「細かいことにでしゃばる」園長になる可能性が大分あります。なぜなら、園全体のことは園長による一つ一つの見直し、と思っており、そのことはいいのですが、ついつい「細かいことにでしゃばる」ことになりかねません。それ以上でもそれ以下でもない園長業務が必要です。細かいことに出しゃばらず、かといって、職員たちに丸投げ、あとは「自分たちでなんとかやって」という園長はいけません。保育者が子どもたちと共なる存在であるならば、園長は園の保育者と共なる存在であり、そのスタンスで保育者を見守るが要請されるのです。

  6. 主となる内容、趣旨は変わらなくても、まわりにある飾りになるようなものは、そのときの特色や例えば、子どもが興味を持っているものへと変える、それが何らかの影響を与えるのですね。イメージとして、テーマになるものを意図して、環境を作るとそのイメージのように感じることができますよね。テーマであるものを行事に取り入れることで、行事の趣旨、目的がしっかりと満たされているなかで、楽しさをプラスαとして、効果をもたらすとなると、考える楽しさも感じますよね。そして、゛準備を楽しむ゛これは、行事がいかに良いものへと発展していく、これは、目標としてやっていかなければならないと自分への課題だと思います。

  7. 運動会の考察を続けて読んでいたはずなのに、急にマグロの刺身の話が出てきて、読む記事を間違えたのかなと思いました。最後まで読むと、しっかり運動会の考察でした。(笑)
    ひとつひとつの装飾が、「味付け」なのですね。その味付けによって子どもたちの楽しみが増えたり、印象を変えることができ、毎年の運動会でも、違いが生まれますね。さらに、職員にとって重要なことで、行事などのイベントは、その主催者がまず準備する楽しさ、当日の楽しさがないと、子どもには楽しさが伝わらないというのは、ほんとにそうですね。

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