ドイツ報告2012-10

 今年のドイツ研修では、ドイツの小学校をじっくりと授業参観できたので、その様子を報告したいと思います。ドイツの小学校は、原則4年生までですが、この小学校は、1年4クラス、2年5クラス、3年5クラス、4年4クラスの総勢420名というかなりの大規模校でした。ひとクラス25名で、かなり恵まれています。学校に着くと、たぶん4年生でしょうが、校門からホールまでところどころに立っていて、手で進む道を指し示してくれました。まず、玄関ホールで歓迎の説明が校長からありました。ここの校長は女性で、校長代理は男性です。前の演台の横には、ミュンヘンと日本を糸で結んである世界地図が掲げられており、反対のわきには、日本語で歓迎の言葉が書かれてありました。

 あいさつが終わると、1から5までの番号札を持った子どもたちが立っていて、私たちは五つのグループに分かれ、それぞれのグループを、番号札を持った子がそれぞれ参観するクラスに連れて行ってくれました。私たちのグループは、2年生のクラスを2クラス参観しました。最初に行ったクラスの壁に、時間割が貼ってありました。それを見ると、月曜にから金曜日までで、8時に授業が始まり、1コマは45分で日本と同じでした。しかし、大きく違うのは、休み時間のとり方です。1時間目と2時間目の間には休み時間がなく、先生が区切りのいいところでトイレに行かせます。日本でもノーチャイムの試みが行われていますが、やはり、45分ずつで刻んでしまうと、せっかく子どもが授業に乗ってきたり、体験させようとした場合は無理があります。

 そして、中休みが20分あったのち、3,4時間目がやはり続きます。そして、金曜日は、ここ11時20分に下校です。そして月曜日と水曜日と木曜日は、そのあと5,6時間目があり、それが終わる13時5分に下校です。8時から13時ころまで何も食べずに授業を受けるのはお腹がすくでしょうね。今回、質問するのを忘れていましたが、小学校でも朝食を持ってきて食べていいのでしょうか?それにしても、20分と15分休みが二回あるだけですので、食べないのかもしれません。そして、火曜日は、11時20分に4時間目が合わり、一度家に帰って昼食を食べて再登校して、14時30分から午後の授業を受けます。それは、体育の授業です。
時間割にある教科は、あまり説明を聞いてもよくわからなかったのですが、どうもGRUと書かれているコマは、日本でいう総合的学習のようなものであり、基本的に算数とか国語とか生活科などを、担任が得意なところから総合的に学ばせる時間だそうです。ほかのクラスを参観した別のグループに聞いたのですが、ハリネズミの生態を学んだりしていたそうで、他にも博物館に行くなど内容は多彩なようです。どの教科をどのように進めるかは担任の先生に任されています。その他のSPOが体育の授業です。体育といっても、日本のように跳び箱とか鉄棒とかマット運動とかマラソンとか、競技の前段階のようなことは一切やらず、ひたすら「楽しんで体を動かす」ことが基本で、例えば鬼ごっこのようなものだそうです。
参観した印象ですが、よく、幼小連携ということが日本でも言われています。その必要性は誰でもわかっていることです。しかし、それは、幼小会議であったり、提出書類であったりすることが多いのですが、本当の連携とは、発達をきちんとつないでいくということです。発達はある日何かができるようになることではなく、必ずそれまでの積み重ねがあって、その過程での姿です。子ども同士は3歳から関わるのではなく、生まれた直後からそれに向かって発達していくのです。小学校に入学してから数を学ぶのではなく、生まれながら数と関わっていくことで、数えることができるようになるのです。教室という環境にしても、小学校に入学して突然1日中座って先生の話を聞くような場にするのには無理があるのです。
ドイツの小学校の授業を参観して、そのことが再確認できました。

ドイツ報告2012-10” への5件のコメント

  1. ドイツの小学校について少し調べてみました。

    ドイツの小学生は、4年生を卒業する時点で、人生の選択を迫られます。主要2教科(国語と算数)の成績次第で、ギムナジウム(大学進学コース)、レアルシューレ(実務教育学校)、ハウプトシューレ(主幹学校)の三つのいずれかに進学するように学校と父兄が相談の上決められます。日本では大学生でも自分の将来を決められないのに、小学4年でなりたい職業が決められるんでしょうか?早い時期から子どもに自立を求めるのがドイツ流です。

    ドイツの小学校の先生は、授業をする専門職なので、生徒が下校するとさっさと自宅に帰ります。家では翌日の授業の準備やら評価や研究にいそしむんだとか。煩雑な事務作業や校内の管理はその専門職がまた別にいるので雑用はしません。まるで大学教授のような扱いですね。もちろん夏休みも子どもと同じだけ休み。膨大な雑務に日々追われている日本の教育現場とは大違いです。

    大違いといえば、日本の学校につきものの給食や教科書らしいものがないようです。おなかがすいたら、授業の休み時間に家から持ってきたリンゴやパンを自由に食べる光景が見られます。教科の指導は学校で、食事などの生活上の指導は家庭と割り切っています。おもしろいのは、小学2年生の生活科でなんと「子どもの権利条約」を学ぶことです。教科書代わりのプリントの最後には、「この子どもの権利を読んで、あなたはどう思いましたか?」という問いまであります。日本に比べて、子どもの発達に合わせた授業をしているように見えるドイツの学校ですが、小学2年から「権利」を考えさせるあたりは、さすがドイツ!と思わせます。

  2. 今となってはドイツの保育園のあり方にそんなに驚くことはなくなりましたが、小学校のあり方については、昨年もそうでしたが違いにかなり驚かされます。子どもの取り組み方や内容によって休憩時間を動かすことのできることとかは、目的を考えると当然そうあるべきなんだろうと思います。そして総合学習の時間も体育の時間も、土地の違いもあるのでしょうが、こちらの取り組みとは少し違う感じがします。大きくは子どもの課題は違わないと思うのですが、取り組みがここまで違っているというのはちょっと不安になったりもしますが、それはちょっと置いといて、まずは自分たちが自分たちのすべきことを確実に行っていくことが大事なのには変わりありません。幼小連携には課題がまだまだあるわけですが、まずは自分たちの実践をというスタンスは崩さないでおこうと思っています。

  3.  小学校との連携は書類や会議でなく、発達をきちんとつないでいく、そして授業形態も子どもの様子に合わせた時間割など、ドイツの小学校は基本的に子どもに合わせていますが、それを当たり前かのように実践しているドイツ、そして日本の小学校を比べると、違うと分かっていてもがっかりします。本来の小学校との連携というのは45分の授業を座らせるようにしておく、文字数を書けるようにしておく、など教師が授業をやりやすいよう幼児期に指導させるのでなく、やはり幼稚園と保育園の時から培った発達を小学校につなげ、それを保障するような授業が大切です。まだまだ日本は、ドイツのような考え方は無理だと思いますが、私達現場が実践を積み重ね、この時期には何が必要か??小学校に伝えていくことが大切のような気がします。

  4. 日本の場合、いいと分かっていてもなかなか変えられない部分があるんでしょうか。ドイツの教育現場を見ているととても学ぶための子どもたちの取り組む時間の取り方や方法が自然なように思います。また、じつに子どもたちの生活や発達に寄り添っているんですね。日本は「教えること」と考えることが多く、ドイツでは「学ぶこと」に重きをおかれているように思います。始まりの部分から日本とは考え方が違うのかもしれません。そのため、乳幼児期における保育を考え方も、幼小連携を関しても幼稚園や保育園とのつながりにズレが生じているのかもしれません。まずは自分たちの環境から見直し、小学校につなげるために働きかけも同じように進めていかなければいけないのかもしれませんね。

  5. 今回紹介されている小学校の授業形態には興味深いものを感じました。1時間目と2時間目とのあいだに休憩がなく、授業の進み具合や盛り上がり具合でそれぞれの授業を区切れるのはいいですね。子どもたちも折角興が乗ってきたのに、チャイムで遮られるのは残念でしょうし、当の教師にとっても、何だか締りが悪いことになるでしょう。日本の学校では授業がつまらない場合終了のチャイムに救いを求めることがよくあると思います。先生たち、塾や予備校のように、生徒の関心をぐっと惹きつける授業しないと、と思います。「本当の保幼小連携とは、発達をきちんとつないでいくということ」です。私たちは連携しようとあの手この手を使っています。「保育要録」もその一つです。日本の小学校の先生方は本気で連携したいと思っているのでしょうか?何だか、私たちが指導しますから、私たち小学校の言うことに従ってください、という雰囲気を感じています。対等感を感じません、残念ながら。

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