夕涼み会2

夕涼み会の会場は、すべて室内です。そこで、それぞれのコーナーをどのように配置し、どのように親子で回ってもらおうかと担当の職員は考えます。同時に、夕涼み会の時間帯や流れも計画します。開催は、土曜日ですので、あまり遅くなると、片付けが合わるのがかなり遅くなり、職員に負担になりますし、あまり早い時間ですと、まだ明るく、暑く、夕涼みという感じが出ません。何となく、涼しくなったころ、浴衣や甚平を着て涼みながら親子で遊びに来るというイメージを持たせたいため、結果的にあまり遅くない夕方である16時から18時45分までになりました。

時間の次に、全体責任者は園全体の会場イメージを考えます。そんな時に、全体の年間テーマが決まっているとイメージは湧きやすくなります。今回の全体テーマは「森」ですので、園内を森としてイメージします。そのイメージの中で、今年の担当は、1階は、室内の真ん中に大きなブルーシートを敷いて、湖をイメージし、そのほとりで、家族でキャンプをし、そこで食事を作るというイメージで「食事コーナー」としました。食事は、早夕飯として軽食とデザートと飲み物です。一度で食事をすると混雑するために、事前に時間を指定したチケットを配ります。食事の内容はテーマである「森」にちなんだものにします。飲み物として、木の葉を使った「ほうじ茶(カフェインが少ない茶葉)」、木の花を使った「桂花茶(キンモクセイの花)」を用意しました。
食事は、バウムクーヘンとスモークソーセージとスモークチーズです。 バウムクーヘンとは、ドイツ語で木とケーキという意味で、中心にドーナツ状の穴があり断面に樹木の年輪のような同心円状の模様が浮き出たケーキです。森の中の木の棒に、パン生地を巻きつけ焼いたもので、園庭で同じように子どもたちの前で焼いて見せました。そして輪切りにしてみると、まさに年輪が見える切り株のようです。ただ、子どもたちには、購入したバウムクーヘンを食べてもらったのですが、多くの人は手作りと思ったようでした。スモークは、サクラ、ナラ、オニクルミ、ヒッコリー、ブナなどの木をいぶして作ります。子どもたちは、どの木でいぶしたものがいいかを選択してもらいます。実際は、違いが判るのかなと思うのですが、普段から選択しなれているのか、どれがいいとはっきりということが多いです。スモーク作りは、段ボールを使って簡単にできます。事前にためしに作ってみたのですが、煙もあまり出ず、火の気がなく、都会でも安心して作ることができます。
デザートはゼリーです。私は、以前、「おやこでつくろう!キッズクッキング」(1)(2)(3)(4) (Orange page books)という本の監修をしたことがあります。その本の中で紹介したものですが、ブルーのクラッシュしたゼリーの中に、魚の型抜きをして、目のところにチョコレートを埋め込んだスイカを浮かべたものから、掬い取ってもらいます。湖で魚を取るというイメージです。このコーナーは、園の調理が担当するのですが、どうしても専門性から、清潔、栄養が優先されるのは仕方ないのですが、そこに「子どもにとっての楽しさ」との両立を考えるのが大変ですが、それを考えるのが専門性だと思います。「だめ!」とか「むり!」というのは簡単ですが、どうしたら、子どもを楽しませたいという職員の思いが実現することができるかを考えることが必要です。
もう一つ忘れてはいけないのは、「職員が準備するときの楽しさ」を企画に入れ込むことです。ここで紹介した夕涼み会の食事の準備は、聞いているだけでも楽しくなると思います。職員が楽しく準備することができないと、当日の子どもたちは決して楽しく感じないものです。

夕涼み会2” への5件のコメント

  1. 一般的な園だと、園庭に提灯の飾りつけをして、ヨーヨー釣りや金魚すくいに綿菓子やポップコーンなどの夜店が出たりして、けっこう設営や段取りが大変です。雨の心配もしないといけませんし、大人は準備と後始末でエネルギーを使ってしまいそうです。何より、毎年あまり変わり映えしない企画になりがちです。

    藤森先生の園の夕涼み会は、そんな普段近隣の保育園で見かけるそれとはずいぶん趣が異なります。運動会も小学校の体育館でしたが、夕涼み会も保育室という室内空間を使うところが独創的です。食事コーナーは3.4.5歳の部屋でしょうか。可動式の家具を片づけてブルーシートを張ると「せいがの森の湖」に早変わりです。大人も童心に帰って、思わずキャンプごっこがしたくなります。

    テーマ「森」からバウムクーヘンは発想力抜群です。焼きたてのバウムクーヘンを子どもたちに食べてもらえればよかったのでしょうが・・・。お菓子のできるまでを実際に見ると、お菓子屋さんになりたい子が増えるかな。スモークソーセージ、おいしそうです。燻し方の違いからくる味の違いがわかる?こんなところにも普段の保育の成果が見えてきます。体力勝負の行事から頭を使った行事の在り方に変えていく必要を感じます。

  2. この夕涼み会の取り組みももちろん参考になるのですが、職員の方々がどのようにこの行事に関わってどのように準備しておられるかも非常に参考になります。上手く表現できないのですが、行事の準備等が流れるように行われているんですね。これを職員のみなさんが企画されていることを考えると、その職員の皆さんを見守っておられる藤森先生の存在を、また強く感じてしまいます。人数などに違いはあったりしますし、全く同じように出来ないにしても、みんなが楽しさを感じながら進めていくことは絶対に可能です。そんな行事の進め方をしていくことができれば、子どもたちにとってもほんとに楽しい行事になりますね。

  3.  ブログを読んでいるだけでも、わくわくする企画ですね!とくにバームクーヘンを子ども達の目の前で焼き上げるという発想は、なかなか思いつかないと思います。そしてソーセージとチーズの燻製というのも、もちろん思いつかない発想です。おそらく、そういう企画が出来るのは、テーマが決まっているかでしょうね。テーマが無いと全体のコンセプトも装飾、企画も何かもがバラバラになってしまい、ただの露店が並ぶ縁日になってしまいます。やはり保育園で行う夕涼み会は何度もブログにも書かれているように、職員が楽しく準備できないと、当日の子ども達も楽しめないと思います。「職員が準備するときの楽しさ」を企画に入れ込むことは、何よりも重要になってきますね。

  4. すごいですね。いつも新宿せいが保育園の行事には驚かされます。まさか保育園でバウムクーヘンやスモークができるとは・・・。なによりも先生方がチャレンジしている姿が先日の4つのスキルにダブって見えます。また、行事をするうえでテーマがあると行事に向かいやすいでしょうし、進める中での指標にもなるんだというのがとてもよく分かりました。また、漠然とイメージするより、イメージを膨らませやすいというのも利点ですね。なによりも職員の方々の目線が子どもたちにしっかりと向いている印象を受けます。はっきりとした目標とコンセプト、モチベーションがあるからこそ、その制約の中での「遊び」がでてくるのかもしれません。なによりも普段からの先生方のコミュニケーションがあるからなんでしょうね。やはり、先生方が準備することを楽しまないと楽しい行事にはなりませんね。

  5. 夕涼み会に限らず、園の年間テーマがあると、そのテーマを巡って保育も行事もさまざまに工夫できるので、それぞれ有意義なものとなりますね。そして、準備する先生たちもさまざまに工夫を凝らし、創造するたのしみを享受しています。「スモークづくり」、これはやっているところもあると思いますが、「バウムクーヘンづくり」、これはすごいと思いました。「ダメ」とか「無理」とせずに、やってみよう、の発想を大切にして、試してみる、これは子どもたちにも保障したいことですが、まずは大人である先生たちがそのことをしっかりと経験していないと子どもたちに保障することはできません。「園の調理」担当の「清潔、栄養が優先」、は多くの園さんでもあるこでしょう。しかし、私たちが優先すべきことのもう一つで、最も大切だと私が思うのが「子どもたちの楽しみ」です。そして、専門家と言われる先生たちが実は意識しなければならないことは、「どうしたら、子どもたちを楽しませ」られるか、ということだと思います。「子どもにとっての楽しさ」、このことを考えて仕事にあたること、このことがとても大切だと思うのです。そして、やはり準備が楽しくなければ当日の子どもたちも決して楽しく感じられないでしょう。子どもを怒ったり叱り飛ばしたり、あるいは嫌々ながら職員が準備しているようでは目的が何であれその行事は形骸化してしまうでしょう。

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