遊びの意味

 いろいろな本には、子どもの遊びを分類して整理してあるものが多く見られます。たとえば、「運動遊び」とか「感覚遊び」などです。しかし、私は、いろいろな提言の中で、「日本冒険遊び場づくり協会」の宣言が好きです。そこには、「遊び」についての重要な基本が書かれているからです。

「遊びは、子どもにとって生きることそのものです。子どもは、自然環境の中で遊び、たっぷりと五感を使ってさまざまなことに興味を持ち、いろいろな人とかかわりをつくり、自分のやり方や自分のペースで、創意工夫をし、挑戦し、失敗し、それをのりこえて、成長していきます。遊びは、そのすべてを子どもに届けることができるのです。」と書かれてあります。

 もちろん、教育も生まれながらに受ける権利があるように、遊びも、生まれながら保障される権利があるのですが、あえて、上記の宣言を見てもわかるように、幼児以上を対象にして考えています。まず、本来の遊びとは、原則、自然環境の中で行われる五感を使って行うものであるべきです。それは、自然環境の中だけで行われることを言っているのではなく、自然環境には五感を刺激するものが豊富にあるからで、もし、人工的な空間であったとしたら、それを意識した環境づくりが必要になります。子どもにとって必要な環境とは、小学校の校庭のように運動をしたり、走り回ったりだけをするような環境ではないということです。その五感を使って、環境に興味、関心、好奇心を持って働きかけて、遊びを工夫していきます。その遊びは、自然との関わりだけでなく、いろいろな人との関わりをつくっていくことになり、その人たちの中で、自分のやり方、自分のペース、自分らしさを発揮することが必要です。仲間作りで大切なことは、それぞれの違いを認め合うことです。ですから、集団の必要性が出るのです。特に「遊び」には、複数の子どもたちの知恵を出し合うことが次に重要な「創意工夫」に幅が出てくるのです。

 遊びに創意工夫が必要なのは、違っている仲間で一緒に遊ぶからで、その違っているという重要な要素として、異年齢児集団であることがかつて地域で自然に行われていたのです。野球をやるのにも、人数が少ないから三角ベースにするとか、小さい子は手打ちでいいとか、ルールを改正しました。その工夫がかつての遊びにはあったのです。そして、最後の大切なことは、「挑戦」「失敗」です。トライ&エラーは、子どもの特権でもあるのです。最近の子どもたちは、どうも失敗を恐れます。親も、先回りをして失敗しないようにします。しかし、遊びでの失敗は、将来での仕事の失敗を乗り切る力を養っているのです。

 この冒険広場での遊びの重要な観点は、園での園庭の作り方の参考になります。また、散歩など屋外保育の参考になります。園は、特に幼稚園は、どうしても小学校をモデルにしています。しかし、遊びも教育的意味を大きいのです。「子どもの遊ぶ権利宣言」には、「遊び」が教育の一環になるための提言をしています。「公教育の中に、遊びを通して自主性、創造性、社会性などを身につけるような機会を設けること」「子どもたちのために仕事をしている、あるいは、子どもたちを相手に仕事をしているすべてのプレイワーカーやボランティアが受ける研修のプログラムの中に、遊びの重要性や遊びの機会の作り方を学べる科目を設けること」「子どもたちの学習効果を高めるために、小学校に遊びの施設を一層増やすこと」「地域の遊びのプログラム等に、学校や公共の施設を開放したりして、日常の暮らしや仕事や勉強との間の仕切を低くすること」「働かざるを得ない子どもたちにも、学校以外のところで遊んだり学んだりする機会をもてるよう保障すること」

 これは、世界に向けての提案ですが、そろそろ日本でも、小学校教育を考え直す時代ですね。