思いを伝える

私は、最近年賀状は返事だけにしています。それでも個人宛だけでも400通は越えるのですが、最近こだわっていることは、一時期、宛名をパソコンからの宛名印刷で印刷していたのですが、今は、宛名を必ず自筆で書くことにしています。それは、相手に書き手の存在が生身として伝わるからです。自分で書いていても、その日の気分によってずいぶんと字が違ってきます。また、宛名を書くために、相手の住所を丁寧に読むことになるので、住んでいる場所を意識しやすくなります。

また、返事を書くとなると、パソコンに住所録をつくっておいても、来た人をチェックし、返事を書く人をチェックしなければならないので、手書きの方がよほど簡単です。ただ、困ることは、相手の住所が読みにくい場合、住所が書いていない場合、郵便番号が書いていない場合、住所、名前が英語で書かれている場合、その漢字がわからないので困ります。また、相手の名前が夫婦や家族の連名で書かれている場合は、その中の誰が私と関係ある人か迷うことがあります。特に、園関係者は女性と男性が同じくらいいますので、困ることがあります。

もうひとつこだわっていることは、できるだけコメントを自筆で書き添えることです。相手の顔を思い浮かべながら、また、その人の家族の成長を考えながら書きます。その時に、返事を書くことでいいのは、相手から届いた年賀状の写真やコメントを見ながら書くことができることです。しかし、相手の年賀状が印刷だけの場合は、何を書いていいのか迷います。よく知っている人ならいいのですが、そうでないといつ、どこで知りあった人なのか、もし、卒園児であれば今何歳なのか、それら相手の状況がわからない場合にはコメントに困ります。

返事だけにすることで、かなり枚数は減りましたが、相手も返事だけだと思っている人や、恩師などこちらから先に出すべき人などとは年賀状のやり取りは途絶えてしまいます。また、返事となると、正月の三が日はあまりどこかに出かけることができず、年賀状書きで過ごすことになります。しかも、正月休みが明けると会うであろう人への返事は焦ります。このように大変なこと、困ることが多くても年賀状をもらうのはとても楽しみです。

しかし、最近は年賀状以外の時に、誰かに手紙を出すことは減りました。それは、もちろん、パソコンや携帯電話によるメールで済ますことが多いからです。先日、郵政の方が来て、「夏のおたより」を通じて、お手紙の楽しみを感じていただく。」という企画を提案していきました。最近の子どもたちはほとんど手紙を書かず、葉書の表面の「宛先の住所」「宛名」「自分の住所」「自分の名前」の四か所の位置がわかる子は、高学年の子どもでも少ないようです。また、自分の住所がわからない子が多いそうですが、それは、自分の住所を書く機会がないことと、プライバシーの観点から子どもには住所を教えないということもあるようです。ずいぶんと変な時代ですね。

郵政からの企画は、「事前に家庭で、送る相手の住所・氏名及び園児の住所・氏名を保護者に書いてもらい、当日、見本をみながら、手紙の文面を書き、野菜スタンプで模様を作り、園内の仮設ポストへはがきを入れる。そして、制服を着た局員が登場し、はがきを取り集める。」というものです。

私は、「子どもには、手紙を書き、出すという手順を教えるというよりも、誰かに伝えたい思いがあるか、その思いを伝えたい誰かがいるかということが大切ではないか?」ということを言ったら、留意点に「誰に、何を伝えるかという点を強調して講師は園児に説明する。」ということを入れてくれました。手紙を書かなくなったのは、伝いたい相手、文章だけでなく、伝えたいものがなくなったことにも原因がある気がします。