先日、無印に行ったら、レジの男性の店員さんが「甚平」を着ていました。甚平は、無印ショップで今、目玉商品かもしれませんが、なんだか下着で仕事をしているような印象でした。また、先日ニュースで、「東京タワーは、7月5日(木)~7日(土)の3日間、浴衣または甚平を着用している人に限り、高さ150mの大展望台までの料金が無料になる“東京タワーだ!ゆかたで無料!”を実施する。」とありました。女性の浴衣はわかるのですが、男性はなんで甚平なのでしょうかね。というのも、年代の相違かもしれませんが、甚平はなんとなく、子どもが着るものか、大人が下着、もしくはホームウエアとして着るイメージがあります。私も、家でくつろぐときには「甚平」を着て、他人が来るときには「作務衣」に着替えています。しかし、本来は両方ともきちんとした服装のようですが、そのような印象を与えるのは、甚平は、足が膝くらいまで見えるからでしょうね。しかも、私の小さかったころみんなが着ていた甚平は、ズボンがなく、上着だけで、子どものようにツンツルテンの浴衣を着ているイメージだからかもしれません。
また、作務衣が仕事着であるという印象は、掃除や採薪などの日々の業務を禅門では、「作務」と呼び、その時に着用する作業着を作務衣といったことから来ています。どうも、私の勘違いで、作務衣も今のように上衣とズボンが分けられたのは比較的最近で、当初は「長作務衣」という、作務衣の上衣が膝くらいまである衣が一般的だったようです。一方、甚平は「甚兵衛羽織」の略で、その由来は、「甚兵衛という名の人が着ていたから」とか、戦国時代、下級武士向けの陣羽織を真似てつくられた「雑兵用陣羽織」の意味から、「陣兵羽織」で「甚兵衛羽織」になったとか言われています。この甚平も昭和40年頃までは、膝を覆うぐらい長い上衣のみでした。
もうひとつ、最近はやっているもので、私から見ると下着で接客しているのが、「ステテコバー」で、ステテコを履いたバーテンダーです。「バー」といっても、コンシェルジュカウンターのことで、バーテンダーといっても、専門スタッフのことです。ユニクロ銀座店には、ステテコの専門フロアがあるそうです。しかし、私のイメージのステテコはバカボンのパパがはいている白いものですが、今年、ユニクロでは今年は最終的には約80色柄をご用意する予定だそうです。このブームは、すでに2008年頃から起きていて、汗を吸収し、快適にスーツが着こなせるインナーアイテムとして、ファッション性の高い商品が市場に現れ出したのです。そして、ユニクロでは「ロングトランクス」という名前で売り出しました。それが、すぐに売り切れ、反響がもの凄く大きかったようです。
実は、私が中学生のころに、サラリーマンだけでなく、学生服のズボンの下に汗をとるためと、膝が出ないようにとステテコをはくのがはやったことがありました。もちろん、白一色でしたが、最近のものは、色だけでなく、映画「スパイダーマン」のデザインや、アロハ柄をあしらったグラフィカルなステテコがあるそうです。それは、履いて外に出られるよう開発したからだそうです。ですから、一見すれば、普通の短めのズボンです。
もともとは、モモヒキが明治期、だぼっとしたものに変形し、落語家の三遊亭円遊が高座で履いて「ステテコ踊り」をしたのが、始まりだといわれています。その後、和服の下に1枚着ることで汗を吸い取り、着物が肌と密着しないために涼しく着こなせるアイテムとして、特に中年男性に支持されていきます。
下着を巡っては近年、「原点回帰」がブームになっているようです。それと同時に、女性の間でフンドシが流行したそうですが、ステテコも女性にも流行っているそうです。下着も、男女の差はなくなってきているのかもしれません。