父親保育

 行事の前には、まず、きちんとその行事の趣旨を保護者に説明します。それは、園便りであったり、事前説明会であったりします。父親保育を行うにあたり、まず、参加者を募集するためにお便りを出します。たとえば、担当職員から出されたお便りです。

「“父親保育”に参加するお父さん大募集!のお知らせ 今年の○月○日(土)に“父親保育”を行ないます。父親保育とは、保育園の保育士の代わりに、お父さん方に一日保育士になっていただき、保育をしてもらおうというものです。保育園には、日ごろご家庭では見られない、子どもたちの世界があります。また、子どもたちはお父さんが大好きです。父親保育の日は、そんな子どもたちに“こんな遊びを教えてあげたい”“あんな保育をしてみたい”といったアイデアや思いを実現していただく場です。また、“保育園をもっと知りたい”“保育園は、いったいなにをしているところなんだろう?”というお父さんも大歓迎です。さらに父親保育は、保育園に関する情報公開の場でもあります。“保育園はどんな運営をしているのか?”“保育園の仕組みを知りたい”など、参加することによってご理解いただきたいと思います。参加していただいたお父さんは、園児みんなのお父さんとして“父親保育”を行ない、子どもたちは“お父さんの保育”を体験できる貴重な日となります。」

 この日の趣旨は、父親だけでなく、当日保育に参加する園児の保護者にも説明が大切です。それは、この父親保育を土曜日に行うのですが、普段の土曜日は登園する園児が非常に少ないため、趣旨を説明して、子どもたちの体験のためになるべく多くの園児に登園してもらうことが必要だからです。

 参加する父親がほぼそろったところで、その年度の園長代理のお父さんを決めます。園長代理は、その日1日の方針を決め、園児と参加する父親の人数を見て、各クラス担任と、勤務時間帯を決めていきます。このようなことは、基本的には今の父親たちは得意です。パソコンを使って、きちんと配置を決めていきます。私の園で初めて実施する時に、すでに実施しているもう一つの園の父親から、その決め方の助言が届きました。また、普段は帰りが遅く、なかなか話し合いができない父親たちですから、基本的にはすべてメールでのやり取りです。その試行錯誤しながらのやりとりを見ていると、園の方針がしっかりしていて、それが保護者にきちんと伝わっていると、最終的にはきちんとした保育計画になっていきます。また、日案では、その年の担任になって父親の個性が出ていて、とてもおもしろい保育になっていますので、保育士でも随分と参考になることがあります。

 ある時の0歳児クラスの日案では、設定時間内の「屋外遊び」の目標が「季節や自然を五感で楽しむ。」ということで、自然遊び1:樹の枝に乗って木肌の感触を楽しむ。(しっかり支える)自然遊び2:花や葉(ハーブ等)探しながら色や臭いを楽しむ。で、「室内遊び」の目標が「身体や身近なモノを使って五感で遊ぶ。」ということで、身体遊び1(ごろごろ遊び):床でごろごろ転がって遊ぶ。身体遊び2(抱っこ肩車遊び):抱っこや肩車をしていろんなものを探しに行く。身体遊び3(顔遊び):髪の毛、耳、鼻いろいろな部分を引っ張ったりして遊ぶ。体験遊び1(新聞遊び):新聞紙に穴を開けて指を出したり、覗いたりして遊ぶ。体験遊び(ビニール遊び):黒いゴミ袋に穴を開けて、出たり入ったりして遊ぶ。体験遊び(タオル遊び):大きめのタオルに子どもを入れて、ハンモックの様に揺らして遊ぶ。体験遊び(タオル遊び):大きめのタオルに子どもを乗せて引っ張り回す。体験遊び(トレペ遊び):ひたすら紙をどんどん出して遊ぶ。

 0歳児を担当した父親たちの計画はすごいですね。1日だけということもあるのですが、いろいろと計画します。しかし、きちんとケアをするところも抑えています。たとえば、朝登園してから「子どもを見守りながら、一緒に遊ぶ。」とありますし、お昼寝でも「こどもに合わせて昼寝サポート1歳児未満の子は15分おきに睡眠チェック表をつける」とあります。父親でも随分と保育を理解しているようです。