遠足4

 私の園で、先日遠足を行ったのですが、私はあまりその歴史を理解していたわけではありませんが、本来の遠足に近いものでした、私の園での遠足は「親子遠足」ですが、そのテーマにはこう書かれてあります。「親子で地域の人と触れ合いながらウォークラリーをし、地域を知る。」です。

そんな遠足の理念を、職員では、こんな形で表しています。「親子遠足 こんな感じにしたいなあ… 地域の人とつくる… 社会福祉協議会の方にご協力いただき、地域のボランティアさんに得意なものを発揮してもらいながら、私たちの園のことを知ってもらい、<地域の中にある保育園><いろんな人と子どもたちが安心して関われる環境>をつくっていけたらいいな…><卒園したあと、子どもたちを見守ってくれる地域の目がふえたらいいな…>ということで、落合(地元の地名)に根差した方を中心にボランティアにはいってもらうことに。今までは、<地域へ出ていく>から<地域がこれる>をテーマに、地域の人とのつながりのスタートになれるよう、得意なものを存分に発揮してもらったり、親子と関わってもらう… 職員にとっても、ボランティアさんと積極的に関わってもらい、これからの保育に活かせるようなことをしっている方もたくさんいる。EX)まきさん(地域ボランティア)が、山下農園(園の畑)を見に来てくれたり、くらもちさん(地域ボランティア)が木工ゾーンへきてくれる…なんて話も。」

そして、昨年、今年のテーマ「森」に沿って考えます。昨年の遠足に対する職員の思いは、「森をテーマに… 森へ探検にいくように、親子でポイントをまわるというよりは、おとめ山を探検していく中で、いろんなものに目がいったり、“なんでだろう”“さわってみよう”がたくさん散りばめられているテーマパークみたいになったらいいなあ。」でした。そして今年は、「落合の歴史を知ろう…何万年もの歴史の中、この100年で劇的な変化があったこの世界。江戸時代の落合は一帯に水田が広がり、狐やホタルが生息しており、風流な方々が訪れる風光明媚な観光地でした。おとめ山やこの地域の坂、通りの由来を知ってもらって、その時代の落合の雰囲気を感じてもらう。みんなでタイムトリップしてみよう。森をテーマに…『森で遊ぼう』がテーマ。木をよく見てみよう!製作やレクリエーションをすることによって木ってどんな作りになっているのだろうと考えるきっかけに。木をよく見ることによって木の成り立ちを学ぼう。」です。

ここには、よくあるような「遠足の趣旨」とか「遠足の目的」などという硬い形式はありません。ましてや、訓練とか、鍛錬の要素はありません。「路上到ル所ニ便宜ヲ求メテ諸学科ヲ実地ニ研究セシメントスル」が目的とされ、「「到ル所ノ地方ノ人民ニ接スルニハ温良静粛直実ヲ旨トシ」というように行く先々の人たちと出会い、「師範生徒ハ其従順ナル事其ノ友愛ナル事其威儀アル事実ニ斯ノ如クナリヤト云テ諸子ヲ愛敬スルノ感情ヲ発起セシメン事ヲ希望ス」とあるように、地域の人たちと接するときの態度を学んでいくのです。

この思いが、遠足係から出される「遠足の原案」では、もう少し具体的になります。今年の例で見てみますと、遠足のテーマは、「親子で地域の人と触れ合いながらウォークラリーをし、地域を知る。今年もボランティアさんが一緒に園の行事に携わってくれます。また今年の親子遠足のもう一つのテーマは『地域の歴史を知ろう』です。地域のコミュニティ『おちあいあれこれ』の会の方やボランティアさんから情報をいただきCPのクイズにしました。」であり、年間テーマとの関係は、「『森で遊ぼう』に関連したCPを用意しました。全員通るCP(野鳥・おとめ山)→自然に詳しいボランティアさんと遊ぼう。製作→木の写真立て?木の成り立ちを知ろう? 午後レク→木を良く見て作ってみよう。そして午睡部屋に森を作ろう」

この具体的テーマは、毎年少しずつ変わっています。

遠足4” への7件のコメント

  1. 遠足を単なる年中行事から、地域を舞台にした“保育”にしたのが、藤森先生の考える遠足のようです。子どもたちは、地域を歩いて見聞を広めることで、住んでる町への愛着とアイデンティティーを深められそうです。それに遠足で学んだことを、園での保育に生かしていくこともできますね。きっと地域の人々の交流の思い出は、大きくなっても子どもたちの心の財産になるでしょう。

    地域あっての保育園と言われます。このような遠足は地域との交流、あるいは保育園の情報発信の意味がありそうです。最近は、防犯上敷居の高くなっている園が多いようですが、地域の中の保育園としての存在価値をこんな形で表現するのはとても素敵です。子どもの遠足が、保育園と地域とを結ぶ架け橋になっているところは、『人々の関係性のデザイン』を標榜する藤森先生ならではの新発想です。

  2. このように理念がきちんと示されて、そこから具体的な内容へと進んでいくのがいいですね。しかも堅苦しくなく、十分に楽しさが感じられるというのがまた魅力的です。楽しさからはいることをみなさんが実践されていることを感じますし、職員の方たちだけでなく藤森先生も楽しんでおられるのが伝わってくるようです。しかもその後に保育にきちんとつながる形を作っておられるところも非常に勉強になります。以前から言われているように、理念をきちんと示し、それを行動に移せるような形で伝え、実践する際には楽しさを忘れずにということを、リーダーがいかに大事にしているかが現れるところだと思っています。このような状況を生み出せるようにしなけれがいけませんね。いやー、ほんとに楽しそうな遠足です。

  3.  遠足という物がどういう物か、じっくり考えれば、自然と本来の遠足の形に近いものになるのかもしれませんが、いつからか遠足は遠い場所に行き、目的地でただ楽しく過ごす、私が今まで体験してきた遠足はそのような感じのものでした。子どもは社会で育てるということ、聞いた瞬間はなかなか難しいことです。しかし新宿せいが保育園の遠足の取り組みは、とても素敵ですね。自分たちが住んでいる地域を知るということは、様々な人と関わりを持ち、また文化の伝承にも繋がるのではないでしょうか。また行事が単発ではなく、その後の保育に繋がるというのも、保育園において行事は大切なことですね。

  4. 地域の中でのウォークラリー形式「親子遠足」、私もコースを歩いてみましたが、歩く距離、時間、大人の私にとっても「歩きごたえ」がありますから、親御さんはもちろん子どもたちにとっても良い運動になります。この遠足の後、家に帰って親子でぐっすりとお昼寝をしたという話をよく聞きますね。当地域の住人である私にとっても新しい発見をこの「親子遠足」によってさせてもらえます。「落合の歴史を知ろう」ということで、実にいろいろと地域の歴史を知ることができました。若い親御さんにとってもいい勉強になったことでしょう。参加している子どもたちも楽しそうでしたね。子どもたちがよく知っている「おとめやま」も「野鳥の森」も「親子遠足」では普段とは違った感じを子どもたちに提供したことでしょう。来年の「親子遠足」が楽しみですね。

  5. 子ども達にとって「環境」とはとても大切なことです。海外には「環境マイスター」といわれる環境についてのスペシャリストまでいると以前に藤森先生から教えていただきました。保育園内の環境はもちろんだとは思いますが、やはり園外に関しても同様に重要なことなのですね。社会福祉協議会の方や地域のボランティアさんを巻き込むことで新宿せいが保育園ではとても素晴らしいことが起きていますね。日ごろから地域のボランティアさんの得意なことを園児に教えてくれていたり、園で飼っているメダカの世話も地域の方が手入れをしているとお聞きしました。そして、地域の方と関わっていくことで「卒園したあと、子どもたちを見守ってくれる地域の目がふえたらいいな…」という思いは本当に素晴らしいことだと思いました。

  6. すごくねらいがはっきりしていて、子どもたちにとってはとても学びや発見は多かったでしょうね。地域の方々に入ってもらうというのは指針やその他、教育書でも言われることがありますが、なかなか実現できないことが多いように思います。しかし、こういった行事で自分の能力をいかんなく発揮できる場があれば、お互いにとても刺激になりますね。
    今後の保育にも繋がりますし、地域に開けた保育園というのがいいですね。まるで昔の家と地域の人との繋がりを保育園が補填しているように思います。子どもたちにとってはとても必要なことですね。私が小さい頃や今でもですが、目的地にバスで行って、そこで体験し、帰ってくるという遠足が多いです。それも体験としてはいいのですが、もっとやりようや変えようはあるように思います。

  7. 地域を知るというウォークラリーの理念ができあがる経緯のエピソードがありましたが、こんな形で出来上がったのですね。私が就職する前の話で、現在それがちゃんと実現できていることに感動しましたし、その経緯を知れて、また感動しています。
    本当に地域が来れる保育園になっていると思います。当時の遠足にも参加したかったですが、これからの遠足もまた楽しみになりました。

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