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いま、さまざまな人と人とのつながりを促進・サポートする、コミュニティ型のWebサイトが盛んです。そのサイトの中で、今まで音信不通だった小学校の同級生と再会したり、消息を知ったりする人も多いようです。また、同じような職業の人が、情報を交換したり、ニーズを探ったりもできるようです。このようなサイトのことを「SNS」といいますが、もちろんそれは、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(social networking service)のことで、このSNSは2003年頃アメリカで相次いで誕生し、検索エンジン大手のGoogle社が「Orkut」というSNSを開設したことで話題になりました。今では、ユーザー数は、世界でインド、ブラジルを中心に1億人を超えるようです。その前年に開始された草分け的存在は、「Friendster」というコミュニティ・サイトです。日本では翌年開設されましたが、爆発的に流行しました。このSNSのうたい文句として、「コミュニティに加わると、会員同士でメールを交換したり、顔写真、経歴、趣味など個人情報を互いに閲覧できるようになる。こうして交流を深めた後に、まあデートにでも誘うのであろう。」とあります。この誘いにもあるように、実際の設立趣旨書にも、コミュニティに加わる目的は、デート相手や新しい友達、ビジネス・パートナなどを探すことだといっています。

 このサービスが爆発的に広がっていくのは、特に目新しさがあるわけでもなく、そのような機能を持ったサイトはどこにでもあるのですが、他と違ったのは、会員の個人的な交友関係をたどって、新会員を集めてゆくことです。ですから、これは、「コミュニティ」というより、「ネットワーキング(人間関係の拡大)」と呼ばれています。ある会員が友達を勧誘して、その友達がまた友達を勧誘してという形で、ある意味では、ねずみ講式に増えていくコミュニティ・サイトなのです。
 コミュニティ・サイトでは、会員同士が互いに見ず知らずで、共通項も見当たらず、そのために警戒感が解けず、お互いに尻込みしてしまって、付き合うきっかけがなかなかつかめないのですが、このFriendsterはこうした問題点を解消するための手段として考案されたのです。巨大コミュニティの中に、クラスタがいくつも存在し、「同じクラスタ内の人間なら、ある程度信用できる」あるいは「趣味や嗜好などが一致する確率が高い」という機能を持っているのです。Friendsterという名は、造語ではあるのですが、「友達的人間」と訳せるようです。

世界最大のSNSに成長したのは、「MySpace」です。また、日本でも2004年頃からサービスが始まり、日本最初のSNSと言われる「GREE」や、会員数500万人を超え社会現象ともなった「mixi」などの有名です。確かに、いまやツイッターにフェイスブックなどのSNSは、世界中の現代人に無くてはならないコミュニケーションツールとなりつつあり、人が人を呼ぶその伝播力は瞬く間にユーザーを囲い、街が形成され、おしゃべりが始まります。友人・知人間のコミュニケーションを円滑にする手段や場を提供したり、趣味や嗜好、居住地域、出身校、あるいは「友人の友人」といったつながりを通じて新たな人間関係を構築する場を提供しています、また、日本でツイッターや「フェイスブック」「ミクシィ」などのSNSの利用者は、既に4289万人に達していて、大勢の消費者とつながれることを利用して、トヨタ自動車、全日空、パナソニック、日本コカ・コーラなど多くの企業がこぞってマーケティングにSNSを活用し始めています。

クイズダービーの教授として一世を風靡した篠沢秀夫教授が「到知」という雑誌にこんなことを書いています。氏は、不治の病に侵され声を失い、動くこともままならない状態ですが、病魔と戦いながら精力的に執筆活動をしています。「話すことができず、動くことも困難になった今、私は“古代の心”で生きています。現代は情報が多く、自分と他人を比べてしまいがちです。一方、身の回りしか見えない古代の人は呑気だったことでしょう。余計な情報がないので、他と比較して豊かだとか貧しいとか考える必要もありません。ありのままの自然環境を受け入れて、伸びやかに仲良く生きていたであろう古代の人。現代も全人類の奥底に眠っているこの古代の心で、いまを否定するのではなく、今を楽しむ。他人を思い煩うことなく、我が道を行く。そう心に決めて、この一瞬の自分の体に満足すれば、お天気がいいだけでも嬉しいと感じます。」