ガードレール

先日のニュースで、2020年夏季五輪招致を目指す東京都は、新宿区にある国立競技場をメーン会場とする方針を固めたと流れました。最初は、中央区晴海に都が単独で新スタジアムを建設しメーン会場とする計画だったようですが、文部科学省が来年度予算案の概算要求に国立競技場の改修の調査費を盛り込むこととなったため、計画を変更したようです。現在の国立競技場は、1964年の東京オリンピックの競技会場として建設されたものですが、日本では、このオリンピックを契機としていろいろなものが建設されました。それらの老朽化が進んでいて、いろいろな施設での建て替えが今後も検討されていくでしょう。

建て替えを検討する際、まず、何を理念とするかです。決して、オリンピックのためとか、経済発展のためとか、ただ便利のためではなく、人が自然と共生し、日本の伝統を継承し、心豊かな生活を営みことのできる計画をしてほしい気がします。というのは、東京オリンピックを目指した開発は、どうもそこのところが優先されていなかったような気がします。たとえば、江戸時代において、日本中のすべての道の出発点であった日本橋の景観を、車優先の高速道路が覆ってしまいました。

しかし、最近、東京では、街の景観が最近よくなってきています。それは、各地でさまざまな景観条例ができてきたからでしょう。東京都は、「東京都景観計画」を策定し、平成19年4月1日から施行しています。街の景観に大きく影響するのが、点在する自然、歴史的建造物、街に建てられている建物の形状、高さ、色彩などでしょう。そこで「東京都景観色彩ガイドライン」を発表しています。その中で、「東京を彩る骨格的景観」として、こんなことが書かれてあります。「東京は、江戸開府以来400年の長い歴史と伝統の上に築かれた世界有数の大都市です。東京には、奥多摩の山々や渓谷、緑豊かな多摩丘陵、武蔵野お雑木林、河川や運河などの多様な水系、そして雄大な太平洋に浮かぶ島々に至るまで変化に富んだ自然が残されています。東京の景観は、これらの自然を基盤として、形づくられています。自然の景観は季節や時間などによって刻々と変化し、多くの人を魅了してやみません。東京を特徴づけている自然の魅力をより一層引き立てるため、水や緑に隣接する建造物等は、自然の色と調和した色彩とすることが大切です。」

最近、園の周りの都道のガードレールが建て替えられています。国土交通省は、白色を標準としていた国道のガードレールの色や形について、2004年4月から住民らの意見を聞いて、周囲の景観に合わせて決めることができるようにすることを盛り込んだガイドライン案を作成しています。そこでは、従来のように白を標準とするのではなく、それぞれの地域において地域特性に応じた色彩基準等を定めることを基本としています。たとえば、ガードパイプはダークブラウン(こげ茶色)を、ガードレールはグレーベージュ(薄灰茶色)を基本とする色として提示しています。加えて、明るい色彩が基調となっている海岸部等においてはオフホワイト(乳白色)を、歴史的街並みにおいてはダークグレー(濃灰色)を、候補色として提示しています。

園の周りの都道のガードレールは、ある個所は、木製で作られています。また、街路樹や生垣の中に溶け込むようにと緑の色に塗られています。

今迄の白い色は、車からは目立ったかもしれませんが、歩いている人から見ると、柵がめぐらされている感じがしましたが、緑は、そんな威圧感が感じられません。街づくりにも、色彩計画が必要ですね。