災害対策

先日の台風15号により、東京は交通網がストップして大変な目にあいました。東北大震災の時と同じで、帰る人で駅はごった返し、歩いて帰宅する人も多かったようです。しかし、東北大災害の時と違って、大雨と風が強かったために、歩くのは困難だったようです。そこで、東京都では、地震や水害など大規模災害時の帰宅困難者対策として、石原慎太郎知事が記者会見で、企業に水や食糧の備蓄を義務づける条例案を検討することを明らかにしました。東日本大震災では、都は帰宅困難者10万人を公共施設などで収容しました。石原知事は「台風の場合は過ぎれば交通機関も復活する可能性は十分ある。無理して帰宅せず自分の職場に留まることも大事だ」とし、「災害に備え企業も備蓄しておくべきだ。法律で決めるわけにはいかないため、条例で促す措置をとった方がいい」と述べました。
確かに、その対策はいいかもしれませんが、園としては、では、園や学童にいる子どもたちは親が帰ってこないとなると、誰が見るの?ということになります。今回の台風でも、小学校では子どもたちを早めに帰宅させました。しかし、園に併設されている学童クラブでは、小学生が、早目に学童クラブに来たということになるだけで、帰宅が早目になることはありませんし、しかも、いつもは一人で帰宅している子たちまで、お迎えに来るまで待つことになり、その日は、最後のお迎えが21時30分になってしまいました。
災害が起きるたびに思うのですが、その時の対策で一番有効的な方法は、人と人との関係の気がします。いわゆる人同士の「むすび」が大切なのです。いつも懇意にしているとなり近所の人との関係が大切で、ちょっと困ったら声を掛け合うような、そんな関係が最後は大きな力になります。ただ、行政に要求するとか、福祉を受ける権利があるだとか、何かのシステムに頼るとかではなく、人とのつながりでしょう。
新宿は、長野の高遠町と姉妹都市を結んでいます。それは、高等藩の藩主であった内藤家の中屋敷があった場所が内藤新宿という宿駅になり、その名から新宿という名前になったからです。話はそれますが、この高遠藩の初代藩主である保科正光に預けられ、その後2代目藩主になった保科正之は、先日NHK大河ドラマで取り上げられた、徳川秀忠と静の間に生まれた子です。その後保科正之は、会津松平家の初代として会津藩藩主になり、さまざまな功績を残します。新宿と高遠とはそんな縁があって、「新宿区と高遠町との相互援助協定」が結ばれています。
 新宿区では、各関係機関と様々な災害協定等を締結していますが、災害時の応急活動に関する協定一覧の中で2番目に書かれてあるのが、高遠との相互援助協定です。協定の目的は、どちらかに災害が発生した場合の応急対策及び復旧対策に関し、相互に援助協力を行うことにより、災害による被害を最少限度に防止することです。その内容として、(1)食糧品、(2)生活必需品、(3)応急対策資器材、(4)復旧に要する職員の派遣、(5)被災者の一時受入れなどです。
 災害の多くは、地域が限定されることが多く、日本全国規模で助け合う体制はとても大切です。しかも、その助け合う力は、普段からの付き合いにあるのだと思います。困ったときにだけ隣に頼むのではなく、普段からの付き合いが必要なのです。その「むすび」の関係は、決して必要以上に干渉せず、「頼まれたら嫌と言わぬ江戸っ子気質」と言われるような、「見守る」関係です。

災害対策” への5件のコメント

  1. 「災害が起きるたびに思うのですが、その時の対策で一番有効的な方法は、人と人との関係の気がします。」という言葉はとても納得できます。以前は自分の目の届くところで繋がっていたものが、今は人と行政といった風に調節的には見えない関係に変わってきています。そのことの弊害は子育て支援なんかにも出ているように思っています。行政の支援がなければ子育てはできないという空気を「子育て支援」という言葉から感じてしまうこともありますが、やはりそここそ人と人とのつながりが大事だろうし、そのつながりがあれば「支援」という必要もそこまではないように思います。災害支援とは関係ない話になってしまいました。

  2. 都知事の企業による食糧水備蓄義務条例検討もいいのですが、台風など予測できる自然現象に際して保育所幼稚園小学校に通う子どものいる社員を早めに帰宅させる、あるいは休暇をとらせる、ということを条例等で義務付けでほしいものです。災害時に限ったことではありませんが、「人と人とのむすび」があれば互いに嫌な思いをしなくてもよいケースが沢山あります。「迷惑をかける」、どうもこのことが人間関係の構築の障碍になっているようです。小さい頃から「迷惑をかけてはいけません!」で育てられてくると他者との関係構築はなかなか難しいのでしょう。結果として「お一人様文化」「ご家族さま主義」の行き着く先は「公」依存です。役所や公的施設に全面依存となるわけです。本来は「私」と「私」とが互いに助け合う「共」が機能しなければならないのに「公サービス」が前面に出て結局「公」依存となってしまっています。「サービス」の誤用乱用がさらに拍車をかけて「むすび」は希薄となってきました。「むすびの復権」こそが今求められてきている課題でしょう。

  3. 昨日(26日)、この「災害対策」のブログのさわりを新宿せいがでライブでお聞きしました。まるで通信教育のスクーリングみたいでした(笑)。Toshi先生は、毎日先生から講義を受けているんですね。羨ましいです。久しぶりの東京。電車の乗り換えがあんなに大変だっとは・・・。居眠りして乗り過ごしたり、乗り換えを間違えて自動改札で止められたり、秋葉原駅で迷子になったり、散々でした(笑)。東京の人は、台風とわかっていても、仕事を休めない。わが家は、自営業の時、台風上陸なら臨時休業で近くの温泉で避難と決めていました。自然には勝てないですから。そうは言っても、都会への憧れは消えません。帰りの飛行機の中で、大学入学で上京した頃はやっていたマイペースの「東京」をひとり口ずさんでいました。
    http://www.youtube.com/watch?v=BJLoWABmcE8

  4.  今回の台風でも、やはりお迎えが遅くなった子どもがいたのですね。自然災害という意味では仕方がないのかもしれませんが、地震と違って天気予報で台風が来るのが分かっている分、対策は練れたような気がしますが・・・。こんなときに一番有効なのはブログにも書かれていますが、人とのつながりだと思います。その為にも普段から付き合い、お互いに見合う関係があれば、いざという時にも安心して任せる事ができるはずです。都会のように隣近所が近く、たくさんの人がいる場所は、人と人との関係が作りやすいような気がします。

  5. 人との関わりが少なくなってきた時代だけに、行政が動かざるを得ないというのは残念なことですね。しかし、最後は人とのつながりが一番になってくるでしょう。今回の震災でも、地域の人との繋がりや遠くの県の有志による助け合いが最終的に復興の大きな力になっていたと思います。なかなか今となっては繋がりを作るというのは難しいのかもしれません。しかし、それをないがしろにしない様な付き合いはしなければいけませんね。それくらいの付き合いがあまり干渉しすぎない付き合いなのかもしれないと思いました。

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