ナギ1

 先週末、島根に行っていましたが、島根は日本海に面しています。よく太平洋の海と日本海との違いを感じることがありますが、まず、色は何となく日本海側のほうが濃い色のような気がします、それは、太陽の反射と、空の色に関係していると思いますが、確か日本海側の風景の売りは「海に沈む夕日」というのが多いですね。少し前に石川に行った時の帰りに、日本海に沈む夕日を見ましたし、島根にも、露天風呂から日本海に沈む夕日が眺められる宿があります。また、地図で見ると、太平洋がどこまで続く海というイメージですが、日本海は、北方から南西方向にかけて細長い海で、入り江とか、湖のように見えます。その海は、対馬海峡、間宮海峡、宗谷海峡、津軽海峡などの出入口により、それぞれ東シナ海、オホーツク海、北太平洋につながっています。各海峡はともに幅が狭く、外海からのうねりが日本海に直接入り込むことは、ほとんど無視できると言ってもよいほどだ。台風や低気圧の発達で仮にうねりが発生しても、日本海の面積が約130万平方kmと小さい為、うねりの消滅は意外と早く、一昼夜ほどでベタ凪となることも珍しくないと言います。それに対して、太平洋側は、遠くアメリカ大陸で地震が起きても、そのうねりは大きくなって日本に襲いますし、もちろん、日本列島の近くで起きた地震によっても大きな津波になって沿岸を襲います。
日本海の波浪を「有義波」といい、太平洋の波浪は「有義波」と言いますが、どちらの海がもっとも荒れるのかみてみると、累年平均の有義波高は地域差が小さくて1.1?1.2mの範囲で、意外と波高はほぼ同じだそうです。しかし、波浪の「周期」となると、日本海沿岸で約6.1秒前後であるのに対して、太平洋沿岸では約7.4秒程度となり、太平洋岸の方が日本海沿岸よりも周期が約1秒程度長くなっています。と言うことは、日本海沿岸の波浪は太平洋沿岸の波浪と比べて「波長」が短いことになるので、波高がほぼ同じであっても日本海の波浪は波形勾配が急峻であるということなので、「日本海は太平洋よりも荒々しい海面状態を造り上げている」と言われる所以です。
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島根で風に当たりながら静かな海を眺めていて、少し中学生のころを思い出しました。日中は、海より陸の方が温度が上がりますので、風は海から陸の方へ吹き、その風を「海風」と呼んでいます。夜になると海よりも陸のほうが温度が早く下がり、今度は昼間と逆に風は陸から海の方に吹きます。この風が「陸風」と言います。夜間はこの逆です。この風の向きが逆転する時に、一時的に風が止まります。同時に、波のうねりも止まります。この時は、陸風から海風になるとき、海風から陸風になるときの1日に2回あります。これを「凪(なぎ)」と言い、朝になって陸の温度が上がり始め、風向きが変わる前を「朝凪」、夕方陸の温度が下がり始め風の向きが変わる前を「夕凪」と言います。「凪」という漢字は「かぜがまえ」に「止まる」という字を書きますが、よく意味を表しています。
しかし、この「なぎ」という言葉は、日本では非常に重要な意味があります。それは、古代にもさかのぼることができます。
同じ発音である「薙ぎ(なぎ)」とは、山が崩れ平らになりつつある状態や、草木を刈った平坦な野原をさします。私はその字を見ていると、草むらに日本の国鳥である雉(きじ)が潜んでいて、その草を無くすと雉が現れる状態にすることを「薙ぎ払う」とか「薙ぎ倒す」と言ったのではないかとイメージしてしまいます。この「薙」という字を見ると、「草薙の剣」を思い出す人がいると思いますが、ここに古代から「なぎ」という言葉が大切にされてきたことがわかるのです。

ナギ1” への5件のコメント

  1. 日本海は地質学的には、「背弧海盆」と言って、巨大な海の盆地と言われています。かつて大陸の一部だった日本列島が、地球規模のプレート運動によって、大陸から引き離されてできた窪地が湖のようになっていたそうです。この頃に渡ってきた多くの動物が日本に棲みついて固有種となります。日本海の拡大期は、今から1500万年前頃の第三期中新世で、今のような日本列島が誕生するとともに、海水が一気に流れ込んで、湖が内海へと変貌を遂げていきます。これから日本海がどういう運命をたどるかは、日本列島が乗っているプレートの動き次第です。日本沈没の作者小松左京さんが先日逝去されましたが、「日本沈没」というのが決して空想の世界の話ではないということを3.11から実感しています。

  2. 凪という言葉は昔からよく使っていた言葉です。風が止まるという漢字は、本当によく出来ていると子どもながらに感じたことを思い出しました。写真のような夏の風景が冬には一変します。そんな日本海しか知らなかった自分が太平洋を見たとき、これが同じ海なのかとあまりの風景の違いに驚いたことがあります。色も違う、波の感じも違うという印象でしたが、波の高さはほぼ同じだったんですね。ちょっと驚きました。でもそうした違いがどこから生まれるか、地形などによる違いがその土地らしい風景を生み出しているとなると、もっと知るために興味をもって接することが大切だと感じています。

  3. 私は太平洋岸で育ちましたので、凪、なぐは日常語の一つでした。しかし、あまり意識したことはなかったですね。海風や陸風を意識できたのは横浜で暮らしていた時でした。仕事場が割りと海に近かったのが幸いしました。それから、海から吹く風によって季節を感じることができます。さて、私が始めて日本海を目にしたのは、今から10年ほど前でしょうか。日本海を見る前に東シナ海や南シナ海そしてインド洋は見ていました。私が見た時の日本海は丁度梅雨時だったので灰色の空を映して何とも陰鬱な感じがしました。加えて雨も降っていたのでとても寂しい海だなぁと思いました。日本海の冬の荒々しさはつとに有名です。いつか、寒風吹きすさむ日本海を体験したいものです。

  4.  露天風呂から眺める、日本海の夕日はとても美しく見えるでしょうね。私の実家は海に面しているので、海に沈む夕日は見ようと思えば見る事が可能ですが、改めて見い行く事はないですね・・・またお風呂に入りながら見る事で気分が違うかもしれません。そんな海に近い場所で育っておきながら「凪」という言葉、恥ずかしいですが聞いたことがないので、どういう物なのかブログを通して知りました。海で風がなく、波も落ち着いている状態は当たり前のように感じすぎて、本質というか、それがどういう意味なのか分かっていなかっです。自然との共生の為にも、もっともっと自然の事を知る必要があると思いました。

  5. ナギというと私は海の波浪について思い浮かべますが、凪という文字を見ると風のことをいっていたんですね。海にいくと風を感じる事がありますが、そういった自然のメカニズムによってそう呼ばれているというのを自分の経験を思い浮かべると合点が付きました。色々なものが影響しあって自然がなりたっていて、全部に意味があるというのが自然なんですね。人間の社会でもそれはいえますね。人間も自然の一部になっているということを改めて認識しました。

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