代謝

 私の歳になると、寄るとどこかが痛いとか、なんだか疲れやすいとか、眠れないとかの話になります。また、どこかが悪く、医者に行くと、「それは加齢のせいですね。」と言われることがあり、では、仕方ないかとあきらめることもあります。しかし、その原因は、歳を取って新陳代謝が悪くなったことに原因があることが多いようです。国語辞典によると、新陳代謝とは「生物が生命維持のために必要なものを取り入れ、体内で不必要になったものを体外に排出すること。物質代謝。物質交代。」とあります。私たち人間について言えば、新陳代謝と言うのは、食事などから摂取した栄養素を素にして、生きていくために必要な物質を作ることであり、体内の糖質、脂質、タンパク質を、体の中の反応に使えるような形に変えることだと書かれてあります。このようにして、体の細胞が新しく生まれ変わるためのエネルギーを生み出しているわけなのです。
 また、新陳代謝という言葉は健康や美容にまつわる文献の中で見ることがあります。その場合は、身体の中の細胞が以前のものと新しく置きかわることを指しています。人間の細胞は60兆個もあると言われています。その全ての細胞が時間とともに新しいものに入れ替わっていくのが「新陳代謝」なのですが、その新陳代謝は、個人差もありますが、体の場所によっても代謝する周期が違います。普通は、肌の細胞は28日周期、心臓が22日周期、胃腸の細胞は5日程度の周期と言われています。しかし、この周期は年齢によって違い、歳をとるに従って、周期が長くなるのです。たとえば、肌の細胞は、20代の女性が「28日周期」なのに対して、40代の女性になると一ヶ月半位もかかります。これは、皮膚の再生能力でもあるので、けがをした時の治るまでの期間、髪の毛の生え変わりなども新陳代謝の作用です。また、正常に新陳代謝が行なわれていると身体の疲労も回復しやすくなったり、病気にもなりにくいと言われています。新陳代謝が正常な周期より遅い場合は、老廃物が身体に溜まりやすく、また、肌が荒れてしまったり、怪我や病気も治りにくくなるようです。
では、新陳代謝を高めるには、どのような方法があるでしょうか。それは、やはりブログでも取り上げた日本の食事が一番大切なことのようです。まず、バランスの取れた食事を摂ることで、主食、主菜、副菜、乳製品や果物などをバランスよく摂り、様々な食べ物から必要なビタミンやミネラルを十分に摂取するのがポイントです。次に、日本の食事様式の一つの特徴で主食のごはんなどの穀類に副食の中心となる主菜と付け合わせとなる副菜を揃えて食べることです。この主食、主菜、副菜を基本とした食事は、様々な食品を摂りやすくし、適正な栄養素摂取量を確保しやすくします。
また、「一物全体」という考え方も大切なようです。そして、咀嚼。同じ栄養素を含む食事でも、よく噛んで食べる人と、そうしない人とでは、大きな違いがあります。よく噛んで食べるのと、あまり噛まないで食べるのでは、消化・吸収の効率に大きく違いが出てくるからです。そして、良く噛んでしっかり唾液を出すということは、ご飯やパンなどのでんぷん質を、唾液中に含まれる消化酵素(アミラーゼ)が分解して吸収しやすくしてくれますし、唾液自体には抗菌の作用もあります。栄養素そのものの見直しをする前に、「咀嚼」に気をつけてみるのも新陳代謝を高める良い方法だと言われています。血行を良くして新陳代謝を促す為にも、なるべく暖かい食べ物・飲み物を摂取するようにして、身体全体が冷えないように心がけることも効果があるようです。そして、暖かい食べ物・飲み物を摂取すると、発汗作用につながりますが、汗をかくということは新陳代謝の活動そのものなのです。
この「新陳代謝」という言葉は、夏目漱石が生んだ造語だと言われています。他にも、「反射」「無意識」「価値」「電力」「肩がこる」「電光石火」「ひどい」「浪漫」「沢山」「兎に角」「価値」なども、同様に漱石による造語です。どうして、この漢字を使ったのでしょうね。