植樹祭

ブログで紹介してきた森林記念切手は、正確に言うと、ふるさと切手「国土緑化・国際森林年」と言います。そして、この記念切手の最後は、和歌山県にちなんだ樹種および国際森林年のロゴマークになっています。それは、今年の5月22日に行われた国土緑化の中心的行事である「第62回全国植樹祭」が和歌山県で開催されたことにちなんでいます。同時に、今年は、「国際森林年」であることも関係しています。
今年、植樹祭が行われた和歌山は、「日本中に木を植えた五十猛命(いたけるのみこと)は、紀伊国にお鎮まりであると日本書紀に記されているがゆえ、和歌山県は古来より「木の国」と呼ばれ、暮らしの中で森や木が重要な財として扱われてきました。」と記されています。また、和歌山は、「蟻の熊野詣などの歴史・文化や多様な森等が育まれ、現在では、陽の光に輝く照葉樹林、柔らかに揺れる落葉樹林、コウヤマキやトガサワラなどを混じえた針葉樹林、優良な木材や紀州備長炭などを生み出してきた奥深い森など、自然と県民の暮らしが創りあげてきた豊かで多様な森林と木の文化があります。」とあるように、記念切手に取り上げられた木は、特に和歌山に関係のある木が選ばれています。そこで、和歌山県で開催された「第62回全国植樹祭」のテーマは、「緑の神話 今 そして未来へ 紀州木の国から」として、豊かな森林と木の文化を、より良い姿で次代を担う子どもたちに引き継いでいくために、県民が森林の豊かさや木の文化を学び、緑を大切にする気持ちをさらに高める節目としたいという思いが込められています。
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これらの記念のロゴマークは、「Forests for People(人々のための森林)」というテーマを伝えるもので、世界の森林の持続可能な経営、保全等における人間の中心的役割をたたえる意図があります。デザインは、人々の居住環境や食料・水等の供給、生物多様性保全、気候変動緩和といった森林の多面的機能が人類の生存に欠かせないものであることを訴えています。このデザインをしたのは、切手デザイナーである玉木明さんです。
彼は、今までに何度か切手をデザインしています。最近の記念切手では、「近代製鉄発祥150周年」だそうで、準特殊切手では、2001年に広重に切り替わってからの「国際文通週間」を担当しるそうですこの「国際文通週間」の切手は、蒐集家にとって非常に人気が高いシリーズですが、それは、題材によく浮世絵がとりあげられるからでしょう。その代表格が北斎と広重ですが、その二人の画質を玉木さんは、「美術、造形としてすごいなと思うのは、北斎だと思います。ただ、だから広重より良いというつもりはありません。広重の世界には北斎にはない湿り気のようなものがあって、そこに広重らしさがあるように思えます。文学性というか、叙情性、物語性が感じられるんです。」と批評しています。確かに、二人の浮世絵を眺めていると、そのような感じがしますね。
その彼が、今回の「国土緑化・国際森林年」という記念切手をデザインしているのですが、実はこの「国土緑化」は、非常に歴史のあるシリーズです。「全国緑化運動」というタイトルではじめて発行されたのが1948年で、71年からは毎年1回発行のシリーズとなって、92年からふるさと切手に移行して現在にいたっています。そして、このシリーズを玉木さんが担当するようになってから、耳紙に種子やつぼみや新芽のワンポイントが入っています。それは、「樹木は花や葉だけでできているわけではなく、種子も根も枝もあってはじめて樹木。せっかく写真で見せるなら、切手を使う方に植物図鑑的な楽しさも提供したい」という意図があるそうです。そして、毎年「国土緑化」に取り上げられる樹木や花は、天皇皇后両陛下の臨席の下で行われる全国植樹祭で、お手植え・お手捲きに選ばれた樹木が中心として、植樹祭が開催される土地にちなんだ花や木を使ったりしているそうです。
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