地域おこし

 その地方で考えた、それほど高価でない食べ物をB級グルメと言い、それで地域おこしをしようと全国でコンテストやさまざまなイベントを行い、大変な人気を得ています。このような試みは、なにも食べ物だけでなく、衣服でも実はあるのです。
 2005年、環境省や経済産業省が中心となって「夏の軽装」運動を実施してから久しくなり、今年は節電対策もあって、クール・ビズの取り組みが盛んです。この運動が始まった当時の環境大臣であった小池百合子は、沖縄担当大臣兼務していました。そこで、クール・ビズの取り組みの代表として沖縄の「かりゆしウェア」が推進されました。推進期間開始には内閣府沖縄振興局などで多くの職員が着用したほか、小泉純一郎首相も着用したり、政府は2009年6月にクール・ビズの一環として閣議で閣僚全員に着用させたり、民主党政権になっても閣僚が着用したりと代表的な衣服でした。
 実は、この「かりゆしウェア」は、沖縄の夏を快適に過ごすとともに、沖縄を訪れる観光客を温かく迎え入れ沖縄のイメージアップを図るためにと割と最近考えられたウェアで、沖縄の伝統的な衣服ではないのです。
30年ほど前の昭和45年に、当時の社団法人沖縄県観光連盟会長の発案により、沖縄の暑い夏を快適に過ごすとともに、観光沖縄をPRするために、ハワイのアロハシャツをモデルとして、「沖縄シャツ」の名称で発売されたのが始まりです。当時の沖縄シャツは、開襟シャツで、ハイビスカスの花やデイゴといった沖縄をイメージしたトロピカルなデザインや、沖縄の伝統工芸品である琉球紅型や琉球絣の柄をあしらったデザインが主流でした。そして、当初は、沖縄県ホテル組合が中心となって着用し、2度のオイルショック時などに普及を図ったのですが、バリエーションに乏しく、ホテル業や旅行社・ツアーコンダクターなどの観光関係者の着用に限られていました。その後、平成12年に沖縄県工業連合会により「かりゆし」という商標登録がなされ、名称が現在の「かりゆしウェア」に統一され、その年の「九州・沖縄サミット」開催を契機に県内でも急速に普及し始めることになります。「かりゆし」とは、沖縄の方言で、「めでたいこと」や「縁起の良いこと」を意味します。定義は、(1)沖縄県産であること。(2)沖縄らしいデザインであること。と決められています。
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先週末、講演で沖縄に行ったのですが、ホテル、土産物店、空港など県内至る所で着用され、そのデザインや形や素材も多様化しています。そして、この「かりゆしウェア」は、沖縄県内では、夏の正装として定着していますので、沖縄県庁や国、市町村等の各行政機関でも着用しています。また、祝宴用や喪服用などが作られるようになり、冠婚葬祭時における着用も広がっているほか、最近では、沖縄県外の人も沖縄県内で結婚式を挙げる際、出席する人へもかりゆしウェアの着用を薦めるケースが増えてきているそうです。そして、従来は、主に中高年の男性の方が着用されてきた服装ですが、デザインやスタイルの多様化にともない、女性や若い方の着用も少しずつ増えてきたようです。
B級グルメ同様に、地域PRとして、沖縄県では4月から11月までをかりゆしウェア着用推進期間とし、期間中は知事を筆頭に地方自治体の大部分でかりゆしウェアが着用されています。また、沖縄県議会での着用も容認されており、大部分の議員が着用しています。
地域おこしは、いろいろな方法があるのですね。

地域おこし” への5件のコメント

  1. 私たちの田舎では、ほんの数年前までは、地域の習わしで自宅葬をすることが当たり前で、冬は寒風吹きすさぶ中、夏は炎天下でも黒の喪服着用で、汗だくになって出棺の時間まで我慢したものです。浮世の義理を果たすための苦行と諦めていましたが、最近になってようやく会館を使うことが多くなって助かっています。この上、沖縄のように礼服のかりゆしウェアを着ることが本土でも一般化してくれればどんなに快適か。ネットでみると、1着7,000円で、「シーサーが織り込まれたブラックフォーマル、適度な光沢が高級感を漂わせます」と紹介されています。かりゆしが「めでたいこと」という意味だそうですが、小さいことにこだわらないのが沖縄人のおおらかさかも。

  2. どんな服装を採用するか、今年のクールビズの捉え方についての記事を読むたびに大変だなあと感じています。自分はいいけど相手に失礼ではないかということから大胆なクールビズにできないという話を考えると、沖縄のような県をあげての取り組みはいいですね。しかもそれが地域興しにつながっているんですよね。暑いところだからということもあるんでしょうが、考え方次第でいろんな方法は生まれてくるいい例ではないかと思います。

  3. いよいよ高温多湿の季節到来。軽装を試みようと思うのですが、今ひとつ勇気がでません。若い人たちのTシャツ短パン姿を見ると羨ましくなりますね。しかも様になっている。私のようなおじさんが同じ格好すると、うぅ何だか違うな、と思ってしまいます。汗をかきながらも省電で今夏を過ごすために、はだしになる、みっともなくない程度でハーフパンツ、まぁTシャツ、あるいはタンクトップ(これは度が過ぎているか)、を着用して、頑張りたい、と思います。そうそう、今年はうちわも出回ることでしょう。団扇によって地域お越しを考えている自治体にとっては手動扇風機の団扇繁盛の今夏、強気で商売してくるのでしょうか。写真の沖縄の海、きれいですね。今夏、東北の太平洋岸は海水浴は無理でしょう。沖縄がうらやましい。

  4.  昨日から関東は急に気温があがりましたが、今年の夏は節電と言われているので、いかに今年の夏を乗り切るかが、重要になってきます。いつも思うことが、こんな真夏でもサラリーマンの人たちはスーツを着て、毎日奮闘いている姿を見ると、本当に関心します。そんな中での沖縄の「かりゆし」はいいですね。確かに正装として個人的に着ていると、相手に失礼な場合があると思いますが、県全体で盛り上げることで、多くの人に認知され、それが地域おこしに繋がり、クールビズにも最適です。今年の夏は今までみたいに暑ければ、すぐにエアコンをつけたりするのでなく、もっと色々な方法を考えて、節電を試みようと思います。

  5. クールビズという言葉が出てきて数年になりますが、「かりゆしウェア」の話を聞くと時代によってずいぶんかわってきているというのがよく分かります。私はありがたいことにあまりスーツを着る機会がないのでそこまでクールビズというものを意識したことがないのですが、こういったことを国で認識して推奨しないと世のサラリーマンは体調がおかしくなるように思います。沖縄の取り組みはとても良いですね。こういった県のバックアップがあると地域おこしもより広がりがでるでしょうね。

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