商店街

最近地方に行くと、商店街が閑散としているところが多くなりました。いわゆるシャッター通りと化しています。それは、店舗が郊外型と大型化になり、ショッピングモールが各地にできてきたからです。車による生活が中心になり、少し距離があっても、駐車場が広く取られていること、品ぞろえが豊富であること、子ども連れでも楽しめる工夫が随所にあることなどから商店街がすたれてきています。しかし、店舗の郊外化は、住民動線が点での移動になり、人の出会いが少なくなってしまうために、住民が平面で行動する商店街の活性化にはもっと知恵を絞るべきでしょう。
商店街を元気にさせるために、東京都産業労働局商工部の主催で、東京都内の商店街の優れた取り組みを表彰する「東京商店街グランプリ」を実施し、都内商店街の優れた取組みを表彰、紹介しています。それにより、あらためて商店街の役割や魅力について、より多くの人に知ってもらおうという意図があります。第6回目となる今年平成22年度は、各区市の推薦を受けた商店街事業46件の応募の中から、先月それぞれ「グランプリ」「準グランプリ」「優秀賞」の各賞が決定しました。
グランプリを取ったのは、「千客万来!“教会通り物語”」と銘打った「教会通り新栄会」です。また、商店街振興への貢献が顕著な方を表彰する個人の部については、遊座大山商店街振興組合の本多清司氏に決定しました。「教会通り新栄会」では、杉並区天沼にある当商店街を商店主の視点で語る番組「教会通り物語」を制作したのです。商店主自身が、ビデオカメラを持って取材を行ったところ、番組制作の過程で商店街の魅力を再発見し、独創的で魅力ある番組やCMを多数制作することになったのです。そして、これらの番組を衛星TV、ケーブルTV、インターネット中継など多数のメディアで放映し、効果的な情報発信を行ったようです。
この取り組みに対して、審査員の評価は、「単発で終わることなく、継続的に番組を制作しているため、ノウハウの蓄積や企画力の強化が期待できる。また、ITを中心とした様々な媒体を利用した情報発信は独創的であり、今後の事業発展に期待が持てる。商店主同士がお互いを取材し合う番組制作を通じて、商店街内のコミュニケーションが活発であるとともに、本事業での若い世代の参画が顕著であり、円滑な世代交代による商店街の活性化が期待できる。」としています。
 2005年から行われている「東京商店街グランプリ」は、これまで延べ57の商店街が賞に輝いています。東京は23区ありますので、平均は、各区2つは受賞するはずですが、品川区は何と8回も表彰されており、区部では第1位です。たとえば有名な商店街として「戸越銀座」がありますが、この商店街が全国にある「何々銀座」の発祥の地です。それは、この商店街で、関東大震災でガレキとなった銀座のレンガを譲り受け、水はけの悪い通りに敷いたことがその名の由来だそうです。
 また、多くの商店街は、駅から続く住宅地への街並みであることが多く、駅と街と商店街との関係が町の暮らしに影響してきたのです。そして、暮らしに密着する街というと、子育てと子どもです。品川区は、商店街と並んで子育て支援でも有名です。他の地域でも商店街が子どもたちと地域社会の接点役を担っている例は多く見られます。たとえば、「エコカップ少年・少女サッカー大会」は、空き缶やペットボトルを持参することが参加資格で、子どもたちへの環境教育とスポーツ教育を商店街が結びつけています。また、大井町では、商店街が空店舗を活用し、地域のNPOと連携して「食育ステーション in 大井町」を運営していますし、北品川商店街では、NPOが運営する「品川宿おばちゃんち」が、赤ちゃんからお年寄までの世代を超えたふれ合いの場の提供や、子どもの一時預かり、お母さんのための子育て相談など、様々な子育てサポートに取り組んでいます。
 やはり、新しい時代に合わせて、新しい試みをしながら、次世代への引き継ぎを行っているのですね。ただ、待っていればいいということでもなく、また、人が来ないと嘆くだけでは何も解決しません。