もしドラ5

 ドラッカーは、リーダーの第1の責務は、「組織内の皆が、その使命を目にし、耳にし、そして、それとともに生きていくようにすることである。使命を見失えばつまずきが始まり、しかも、そのつまずきはきわめて急速に表に現れてくる。そして、この使命なるものは、十分に考え抜かれるものであり、変化していくべきものである。」ここで、使命は変化していくものであるということに対して、最初は、「?」という思いを強くします。その後に、こう書かれてあります。「子どもたちは、男の子も女の子も、その成長の過程で、彼らの人格の形成を助け、模範を示し、進むべき方向を知らせ、何かを学べるよう、知的にかかわりをもってくれる援助と、そこにおける経験を必要としている。」例えば、それを成し遂げるためには、絶えず使命を見直し、考え抜かなければならないのです。それは、「人口構造が変化している場合もある。何の成果も生まないままに資源を食いつぶしているようなものを、捨てなければならない場合もある。また、目標を達成してしまった場合もあるからである。」
 よく、変えようとするときに、「いままでのやり方を否定するのか」「築いてきた伝統を壊すのか」それは、過去のやり方をひているのはなく、その時にはそのやり方が必要だったように、今には今のやり方が必要なのです。それは、少子高齢化になった社会の人口構造の変化でもあり、救済措置としての役目を終えた保育園の役割の見直しでもあるのです。ドラッカーは、教育の危機に対してこんな例をあげています。
「いま私たちが考えるべきことは、学校に対して、真に何を期待するかということである。10人のうち9人までの児童がきちんとして学校教育を受けられなかったころの教師が、長年にわたって悪戦苦闘したものとは、いろいろな点でまったく異なったものがいまや期待されているのであろう。」時代によっての使命を考えなければならないのです。その存在意味が、時代によって違ってくるのです。では、どうやって、次の使命を見つけていけばよいのでしょうか。それは、「外からの発想が不可欠である。なかから発想し、その持てる資源を費やす場所を見出そうとする組織は、資源を浪費する結果にしかならない。結局、それは過去に焦点を合わせることにしかならない。機会とニーズは、外に求めるべきである。」
ドラッカーは、リーダーのやるべきことを示しています。使命について見直し、焦点を合わせ直し、作り上げ、組織するために、「棄て去ることである。」と言います。棄て去るのは、新しいことを行えるようにするようにするための手段であり、古いものを排泄しなければ、身体は新しいものを取り入れることはできないという医学上の諺と同じであると言います。そして、次に行うべきことは、「優先順位をつけること」です。何を捨て、何を求めるかは優先順位が付けられなけれできないのです。そして、組織の模範でなければなりません。リーダーは、本人が望む、望まないにかかわらず、目立ち、組織を体現するのです。リーダーは、人々の期待に応えるよう行動しなければならないのです。その時に、「自分自身のリーダーとしてみたい種類の人間なのか」と自分に問いかけるべきだとドラッカーは言います。
最後に、「使命やリーダーシップは、たんに読んだり、聞いたりするものではない。何かを成すためのものである。その何かとは、よき意図や知識を、成果のある行動に転化させることである。それは可能であり、義務である。しかも、来年にではなく、明日の朝にでもできることである。」とまとめたように、組織のリーダーは、行動することによって使命が果たせるのです。