フード

今年の3月の日経スペシャル「ガイアの夜明け」では、「“余った食”のゆくえ ~消費期限 もうひとつの物語~」という特集を放送していました。今、日本は、世界中から集められた様々な食料品であふれています。しかし、ハンバーグショップや、回転ずしなどの店で、残った食品はどうするのだろうと思います。また、レストランや、ホテルなど行くと、食事の後ずいぶんと大量な食べ残しがあります。それは、ただ捨てるのかと思うこともあります。番組では、「簡単に食べるものが手に入る、そんな恵まれた社会になった。しかし、そういった便利さの一方で、毎日、多くの食べ物が廃棄されているという現実もある。例えば昨年、あまりにも野菜が豊作だったため、産地で2万2000トンの野菜が廃棄されたという。」私たちが贅沢な食生活を送っている間でも、ひもじい思いをしている人々が世界ではたくさんいます。日本では、こんなに捨てられているのです。「コンビニでは1日に数回、消費期限の切れていない弁当や惣菜が棚から撤去されていくのだという。消費期限が切れる前で、まだ十分食べられるというのに、品質管理を徹底するため余裕を持って事前に撤去しているのだ。」という現実が日本では行われているのです。
こんな状況の中で、当然普通であれば、残したもの、捨てられるようなものを誰かにあげることはできないのかと思うはずです。このような思いを持ち、「余った食品」を有効的に活用していこうという動きを特集したのがこの番組でした。例えば、コンビニ業界の大手ローソンは、横浜市のある店舗で消費期限間近の惣菜や弁当などを、近くの食堂に提供するような活動です。
もうひとつ、最近注目されている試みに「フードバンク」とものがあります。ラベルの貼り間違えや容器に傷があるものなど、店頭に商品として出せないものは以前は捨てられていました。それを譲り受け、それを児童養護施設などになどに配給するという仕組みです。特に、ホームレスの支援団体、高齢者や障害者などの生活困難者に対する支援団体、ドメスティックバイオレンスのシェルターなど、食料が必要でありながら財政基盤が脆弱であるため、その確保が困難な立場への配給は必要です。
また、この試みは、単にボランティア的な意味合いだけではありません。日本の食料自給率はカロリーベースで約40%に過ぎません。ほとんどの食料を輸入に頼っているのです。しかも、この輸入に頼るのは、日本では取れないということではなく、国際的な関係からの取引に関係し、単純に自給率を高めることにはなりにくいところもあります。しかし、「食品を無駄なく使う」ことで、少しでも輸入を減らすことは誰も反対はできません。
この仕組みによる活動が始まったのは意外と古く、1967年にアリゾナ州でした。それが、フランスでは、1984年にパリ郊外でヨーロッパ初のフードバンクが登場しました。その後、英国、イタリア、ベルギー、スペインなどにも取り組みが広まっていきました。そして、フードバンクを取りまとめるための組織も誕生しました。日本では、2000年代に入ってから盛んになってきました。そして、メディアがフードバンクの活動を相次いで取り上げるようになり、最初に紹介した番組に取り上げられたのです。しかし、日本ではまだまだ規模はまだ小さく、アメリカの取扱量は200万トンに比べて、日本の主要な国内組織の食品取扱量を合算しても1000トン超の規模しかありません。しかし、農林水産省のアンケート調査によると、フードバンク推進の賛否について「大いに賛成」「どちらかというと賛成」と答えた人は90.5%に上っていますので、今後もますますこのような活動が活発になることを望みます。