先日、丑の日でウナギを食べた人も多かったと思います。この時期、体力を消耗することが多いので、この日にちなんで、ウナギでスタミナをつけようと思った人も多かったでしょう。こんな日を過ごすとき、つくづくと日本はいい国であることを実感します。それは、おおむね日本人は、なんでも食べることができるからです。世界では、いろいろな戒律など宗教上の理由から食べるものを制限する人が多くいます。イスラム教やキリスト教で食材を制限することがありますが、仏教でも食材を制限します。たとえば、精進料理では、修行のために 殺生を戒め なおかつ 匂いのきつい食材は 修行の妨げになるとして はずされます。肉や魚の動物性のものをとらないというのは、他にも、ベジタリアンでもヴィーガンでも、マクロビオティックでも見られることです。その中で、「酒、三厭五葷、仏門に入らず」と言われているように、仏教では、三厭五葷を食べないことがあります。
三厭とは「肉類・鳥類・魚類」のことで、五葷とはネギ(玉ねぎも含む)・ニンニク・らっきょう・ニラ・アサツキの臭いの強い野菜5種類のことを言います。三厭は、まあわかるのですが、五葷は体にいいような気がします。しかし、仏教では、独特な刺激成分を持ち、食べ過ぎると内蔵に悪い影響を及ぼすとして、人間の本性を傷つけてしまうと言われています。そのため、仏教では元来、この五種類の野菜を食べる事を禁じています。内臓に悪いと、なぜこれらの野菜が人間の本性を傷つけるのかというと、実は、五行(木・火・土・金・水)とか方角とか、八卦とかに関係しているようです。五行には人間の五臓にんにくが心臓、ニラが肝臓、ラッキョウが脾臓、ねぎが腎臓、あさつきが肺臓を害すると言われています。
この五葷三厭を「八戒」と言いますが、これらを食べないでいたことに三蔵が関心をして、「八戒」という名前を猪(ブタ)に与えて名乗るようになったのが、西遊記に出てくる「猪八戒(ちょはっかい)」です。この猪八戒を思い出したのも、昨日のブログの「天の川」から連想したのです。というのも、猪八戒は、もともと天界で天の川の治水管理とその水軍を指揮する大将である天蓬元師だったのです。
園でいま「ヒキガエル」を飼っていることはブログで紹介しました。このヒキガエルのことを「蟾蜍」(せんじょ)といいます。このヒキガエルは、後漢書の伝説によると、西王母の秘薬を盗んだ嫦娥が月に逃げて蟾蜍(ヒキガエル)になったといわれています。そして、そのヒキガエルは月に逃げたことになっているので、月の影が、うさぎと言われているのと、ヒキガエルとも言われています。また、猪八戒は、蟠桃の会で酔っ払ってこの嫦娥にからんだため、天蓬元師という職を首になって下界に落とされますが、その時に間違ってブタの胎内に生まれた為に、ブタの妖怪になってしまうのです。
一つのことについて考えると、次々と話題が広がっていくことは、このブログではよく起きることですが、それは、私たちは、過去からさまざまな関係性の中で生活しているからでしょう。決して、自分一人ではなく、また、突然と自分が生まれたわけではなく、原因があって、結果があるのです。その関係は、昔から伝わる逸話にも見られます。
「丑の日」から「ヒキガエル」に至る過程は連想ゲームのようですね。「原因があって結果があるんです」の一節から仏教の縁起論を思い出しました。私の母校の創立者のハーバード大学での講演の一部を紹介します。『仏教では「共生」を「縁起」と説きます。「縁起」が、縁りて起こると書くように、人間界であれ自然界であれ、単独で存在しているものはなく、すべてが互いに縁となりながら現象界を形成している。すなわち、事象のありのままの姿は、個別性というよりも関係性や相互依存性を根底としている。一切の生きとし生けるものは、互いに関係し依存しあいながら、生きた一つのコスモス(内的調和)、哲学的に言うならば、意味連関の構造を成しているというのが、大乗仏教の自然観の骨格なのです。』
うなぎからヒキガエルの話に展開していくとは思いませんでした。しかも、予想外の方向にです。このような広がりは好奇心があるからこそなんでしょうね。様々なものがつながっていて、過去の体験を様々に組み合わせることで創造性が発揮されると考えると、つながりは楽しいものですね。好奇心を持つことの大切さがよくわかります。
街中で「土用の丑の日」という看板をやたら目にしていたので、丑の日は知ってはいましたが、食べる機会はありませんでした。高級な物なので、そう簡単に食べれませんが、やはり食べたくなります。確かに、日本はどんな食材でも食べることができるので恵まれているかもしれません。丑の日から、西遊記の猪八戒の話し、そしてヒキガエルにつながりました。一つの話題からこんなに話しが広がるのは藤森先生のブログだからかもしれませんが、もしかしたら自分も過去に多くの物と関わって生きてきました。それを引き出し、どうつなげるかが大切なのかもしれません。
今年の土用の丑の日は家内息子が帰省してしまった日で確かひとりでそばをすすっていたました。家内も息子もうなぎは好物で私も好きです。ですから三人揃っていれば「うなぎ」となっていたはずです。家内と息子は帰省して「うなぎ」の代わりに「うに」を食していたようです。栄養価満点なことには変わりはありません。さて、今回のブログの「へぇ~」は猪八戒の「八戒」の意味が判明したことです。「八戒」は「三厭五葷」。いや~本当に勉強になりました。ところで「五葷」は実に臭いがきついです。私もあれらの臭いはご勘弁、です。しかし料理として出されると実に美味ですね。しかも滋養強壮の食材。最近は毛嫌いせず大いに食べるようにしています。「内臓に悪い」というのは本当ですかね。だとすると少々残念です。「マクロビオティック」食は食後が胃にもたれなくていいですね。
猪八戒の話はなかなか面白いですね。豚の姿になるのにそういった裏話があるのを初めて知りました。輪廻転生と仏教ではいいますが、自分も生まれる前に何かに関係して、今生まれていたのだと考えるととても神秘的な気持ちになります。しかし、仏教にも食事制限があるということは知っていましたが、「三厭五葷」は知りませんでした。精進料理は肉がないというのは知っていましたが、野菜もはいっているんですね。色々と知らないことばかりですが、好奇心を持って色々と調べたり興味を持つことは大切だと思いました。