先週末の読売新聞に「トキだけじゃない…コアジサシにもカラス」という記事が掲載されていました。その内容は、渡り鳥のコアジサシの保護活動が行われている福島県いわき市の夏井川河口で、今夏は1羽の幼鳥も育たないまま巣が消滅したというものです。 コアジサシは、県のレッドデータブックで絶滅危惧1類に分類されており、繁殖が期待されていました。そのコアジサシが、4月29日に初飛来があり、6月5、6日に三つの巣で卵を抱いていました。しかし、その卵をカラスが食べてしまったのです。その後、6月27日にも再び二つの巣で抱卵が確認されたのですが、やはりカラスの襲撃で30日に巣がなくなったということです。
せっかく保護していても、他の生き物にやられてしまっては、自然界ではどう仕様もありませんね。そんなニュースを読むと、今年の3月に、衝撃的なニュースが流れました。佐渡トキ保護センターの訓練用順化ケージで放鳥を控えていたトキのうち9羽が、小動物のテンに襲われて死亡したというニュースです。その後、放鳥されたトキの産卵が確認されたにもかかわらず、次々に卵を巣の外に捨てているのが確認されたり、親鳥が捨てたり、カラスに奪われたりしていずれも繁殖に失敗したというニュースが流れました。
今、東京の都市部ではカラスが増え続けています。今年の3月に「東京都の鳥類繁殖状況調査」によると、カラスの繁殖は、1970年代には山手線の内側ではほとんど確認されませんでしたが、1990年代以降、多数確認され始めるようになったようです。数字的に生息数について言うと、昭和60年の都市部のカラスは約7千羽と報告されていますが、平成8年から平成11年の調査によると、23区内の大規模なねぐらにおけるカラスの生息数は、4年間で約1万4千羽から約2万1千羽へと増加しているそうです。さらに、平成13年の調査によると都内全域で3万羽から3万5千羽生息していると推計されています。本当に急激な増え方です。その原因は、もちろん人間にあります。最大の要因は、人が出す大量の生ごみだからです。都市部のカラスは自然界で苦労してエサを捜すことなく、栄養価の高いエサに確実にありつけるのです。
カラスが増えている原因は、餌だけではありません。住環境もカラスにとって都市部は、安全のようです。カラスの天敵となるオオタカ、フクロウなどの動物がほとんど存在しませんし、明治神宮や自然教育園など、夜間に人が出入りしないうっそうとした樹林は、集団で夜を過ごす習性のあるカラスにとって非常に都合のよいねぐらとなっているのです。さらに、カラスは針金ハンガーなどを使って、鉄塔やビルに巣作りをするなど、人が作り出したものを上手に利用しながら繁殖してきました。
私の園に菜園があるのですが、職員は、実をつけ始めることを迎えて、カラス対策を考え始めています。東京都では、対策を練っていますが、それは、数を減らす対策で、カラスによる被害をなくすわけではありません。職員が考えたのは、案山子を立てようか、CDなど光るものを吊るそうか、賢いカラスは、そんなことでは防げそうにありません。結局はネットを張るしかないようです。
先日訪れた島根の道の駅では、カラス除けではありませんが、こんなものを防ぐものを売っていました。おもしろいので、買ってはきませんでしたが、思わず写真を撮ってしまいました。

今、園の畑はカラスの被害にあっている最中ですが、この近辺はサルやイノシシなども畑の作物を狙っているので油断ができません。とはいっても、この現状を生み出した原因は人間にもあるわけで、なんとも複雑な思いでいます。先日は、園のそばを流れている川に生息していた三角関係のカモのうち、メスの2羽がいなくなり、近所の人の話ではテンに襲われたのかもしれないとのことでした。そんなカモでしたが、ちゃんと姿を見せてくれるようになったとの報告を今日受け、安心しているところです。動物の世界もなかなか大変なようです。そんな話を聞いていると、様々な生き物と共に暮らしていることを実感させられたりもします。
「イノシシ寄らず」・・・思わず苦笑してしまいます。「猫いらず」みたいですね。これだと「カラスコナーズ」というどこかの商品名のパクリを思わせるカラス対策グッズも登場してくるのではないか、と思われます。ところで、カラスの異常繁殖もさることながら地域によっては別な鳥が同様の傾向を示しているようです。先日見た木いっぱいに泊まるシラサギのような鳥の群れにもぞっとしました。ある駅前ではムクドリがそこにある木に大量に巣くうので結果としてその木を伐採してとまる木をなくしたようです。伐られた木にとってはエライ迷惑な話です。羽のあるムクドリはいずこかに行ってまた群れていることでしょう。人間の行いは他の生物にも不本意な活動を強いているのですね。今やご近所の害鳥ハトやカラスも「こんなはずじゃぁなかった」と置かれた運命をうらんでいるかもしれません。何とも申し訳ない気持ちになります。
カラスは頭のい鳥とよく聞きます。とくに人の顔を覚えるというのは驚きます。今までカラスから直接の被害を受けた事がないので、とくに恨みも何もありませんが、テレビなどでカラスの被害を見ますが、なかなか酷いようですね。そうは言ってもカラスも生きなければいけないので、多少はしょうがないのかもしれませんが、人間がゴミを大量に出すのも原因の一つはそうかもしれませんね目の前に生ゴミの山があれば、カラスにしてみれば、ご馳走があるのと一緒です。他にも人間が原因に絡んでいるそうですが・・・自然との共存というのは、やはり難しいのでしょうか。
カラスの被害の話を読んでいたら、アルフレッド・ヒッチコックの「鳥」というサスペンス映画を思い出しました。40年以上前のアメリカ映画ですが、カモメが子どもたちを大群で襲ったり、老人を殺したり、ガソリンスタンドを攻撃して大火災を起こすというかなり過激な内容です。環境の変化が原因で餌がなくなったカモメが人間を標的にするようになったということですが、今日のカラスの被害は、逆に人間がカラスを都会に呼び寄せてしまったわけですね。もし、何らかの原因でカラスの大群が人間を襲うなんてことになったら…と思うとちょっと背筋が寒くなります。
カラスが針金で巣を作っているのを見たことありますが、それも人間が原因なことが多いんですね。人間が生きていくことで生態系が崩れてるというのは多いですね。それは自然環境も一緒なのですが、なかなか人間の生活というのは難しいものでなにかを犠牲に生きているというのをつい忘れてしまい、こういった被害がでてからそのものごとを考えるようになるのは残念ですね。うまく今後共存できればいいのですが難しいものだと思います。カラス被害がでるのもこまりものですが、カラスもカラスで被害者だと思うとなんともいえない気分になりますね。