ビールとトウモロコシ

アメリカ人の髪を分析すると炭素の成分はトウモロコシで出来ているということについておったドキュメンタリー映画「キングコーン」を見たのですが、確かにいろいろな所にコーンが使われているようです。たとえば、ファストフードでハンバーガーを食べたとすると、肉もコーン、油もコーン油、包み紙もコーン、清涼飲料水のは甘味料、全てはコーンから作られているのです。他にも、思ってもみないところに使われています。たとえば、日本のビールにはコーンが入っています。日本では酒税法では、麦芽・ホップ・水のほかに、副原料として、米・とうもろこし(コーン)・コーリャン・ばれいしょ・でんぷん(スターチ)・糖類・カラメル(着色料)のみ使用することができるのです。この副原料としての米・コーン・スターチはビールの味を調整し、バランスのよいものにするのに役立つために、アメリカやヨーロッパ諸国でも消費者の嗜好に合わせたビールを醸造する手段として広く使われています。ベルギーでは果物などを用いたりもします。
ビールは基本的に麦芽、ホップ、水を主原料として作られていますが、日本においてビールは酒税法上、麦芽や副原料、ホップ、水など決められた原料を使い、水を除く原料に占める麦芽の重量が「三分の二以上」のものとされています。このため、これを下回ったり、果汁など規定以外の原料を使ったりすると、「発泡酒」に分類されます。しかし、少し前までは、日本のビールは、ドイツではビールと呼んではいけないことになっていました。それは、ドイツでは、1516年にバイエルン公ウィルヘルム四世が出した「ビール純粋令」により、「大麦、ホップ、水以外の原料を使ってはならない」とされ、現在に至るまで麦芽100%ビールが一般的になっているからです。しかし、この純粋令は、非関税障壁として非難され、現在は輸入ビールについては廃止されています。
ドイツのビールは大きく分けて大麦を原料とするピルスナータイプと小麦を原料とするヴァイスタイプ・ビールがあり、今回訪れたミュンヘン近辺では、小麦を使った白っぽいヴァイスビールが有名です。ところが、「ビール純粋令」では、「大麦、ホップ、水」のみで作るように定められていました。そのために、ビールの品質向上のために不純物・不正な添加物が混入していないか厳しい品質検査が行われました。当時、酵母の存在はまだ知られていませんでした。その後、ヴァイツェンやケルシュに使わる小麦も原料として認められています。世界中のビール通の間でも、オールモルトのビールへのこだわりは良く見られるもので、大麦とホップと酵母と水のみで作られたビールこそが本物、という声がしばしば聞かれます。日本でも、エアビスビールだけがその伝統を受け継いでいると現地の通訳さんが言っていました。
 いろいろなものには、目に見えないものがいろいろと入っていますが、飲み物にも多いですね。コーラの甘味料の歴史も面白いです。もともとコーラの甘味料は砂糖でした。第二次世界大戦中、砂糖が不足した際、アメリカ政府は優先的にコカ・コーラに配給します。そこで、ペプシは何とか砂糖を手に入れようと奔走したこともありました。そんな時代を経て、70年代、アメリカの清涼飲料メーカーはコストダウンのため当時開発されたばかりの甘味料「異性化糖」に手を出し、この甘味料が市場に急速に広がります。果糖ブドウ糖液糖・コーンシロップなどとも呼ばれるこの甘味料は国内でもコカ・コーラを筆頭にコーンシロップの採用が進んでいきます。ビール、コーラを多く飲んでいる日本人の髪の毛も、炭素の成分はトウモロコシで出来ているかもしれません。

ビールとトウモロコシ” への5件のコメント

  1. 今日のブログを読んでいて、自分が口にするものくらいはどんなモノで作られているか、どんなモノが使われているかを知っておくべきなんだろうと、あらためて思いました。少し前に保護者から「食品の裏側」という本を紹介されたので読んでみました。そこで気づいたことは、自分が食べているものの中身をほとんど知らなかったということです。使われているモノがいいか悪いかは別として、それらを知ろうとしていなかったことは素直に反省しました。ビールやコーラにとうもろこし?と思ってしまいますが、事実なんですよね。関心をもつことは大事です。

  2. 今月、人間ドックを受診します。いつも病院で、保健婦さんによる健康指導の時間がありますが、必ず日ごろ口にする食品の糖分量が話題になります。そこで必ず槍玉に挙がるのが、ビールとコーラなどの炭酸飲料。びっくりするくらい糖分が多いので毎回ぞっとします。肥満の原因だけでなく、恐ろしい糖尿病の原因にもなります。やっぱりほどほどにした方がいいようですね。

  3.  髪の毛がトウモロコシで出来ている。聞いた瞬間は意味が分かりませんが、冷静に考えると恐いことです。普段食べている物にそれだけのトウモロコシが含まれているとは、誰も想像していないでしょうね。私もファーストフードやお菓子、コカコラを全く食べたり、飲んだりしないわけはありませんので、髪の毛の成分がどれだけトウモロコシで出来ているか分かりません。それだけでなく、コンビニなどの食品にも添加物がどれだけ含まれているか分かりませんが、おそらく想像以上の量が入っているような気がします。自分の体は自分で管理し、食事もコントロールする必要があります。

  4. ドキュメンタリー映画「キングコーン」、これは確かに一見の価値あり。栄養学の研究者に言わせると賛否両論さまざまですが素人の私たちが観て、口に入るもの、に対してもっと注意を払う必要があると自戒すること請け合いです。同DVDは私の仕事場のデスクに鎮座まします。1516年の「ビール純粋令」以来その伝統を護り続けている、とは脱帽です。しかも100%「麦芽」と聞いただけで何だか安心して飲むことができますね。日本のビールには「副原料」が入っている、ということに留意すると、ビールが様々な健康被害の原因の一つになっているとされるのは実はこの「副原料」か、と勘ぐりたくなるのですが、yamaya49さん、果たして奈辺は如何に?何卒ご自愛下さい。さて、「エビスビール」高いですね。そしてその秘密?が今回わかり、その高さに納得しています。いいものは値段も高い、ということなのでしょう。

  5. 自分を取り囲む環境にはとうもろこしのように「知らなかったが実はこんなものが入っている」というものが多くあるように思います。それは砂糖も同じですね。保育園の取り組みでコカコーラの中に入っている砂糖を見てびっくりしたことを思い出しました。十何本の砂糖のスティックをみて、いつも飲んでいるコーヒーにこれだけの砂糖を入れると飲むところがあるのかと疑問に思いました。添加物などもそうですね。自分の食べているものに関心を持ち、食について考えることはとても大事なことですね。

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