1,2年生

 私が子どもの頃は、学校の社会と理科という科目が1年生からありました。それが1,2年生では、生活科という科目になりました。この生活科は、1,2年生の生活は、だいたいにおいて家庭・学校及び身近な社会に限定されているために、まず、生活の中で、生活経験を中心に学習すべきであることとしています。そのために、生活を営む上で1,2年生という年齢が、どんな特性を持っているかを理解しなければなりません。戦後の昭和22年に、文部省が学習指導要領の試案をつくるときに、社会科編では、まず、1年生及び2年生における心理的特性を参考に挙げています。19項目ありますが、とても参考になるので挙げてみます。
「児童は非常に活動的で、自分たちでいろいろなことをするのに興味を持っている。」「さわって見たり、味わったり、においをかいだり、五感に訴えることが多い。」「することが各人別々で、一つのことをいっしょにしようとする傾向は弱い。」「すわってやるよりは、動きまわる生活に興味を持っている。」「 指の細い筋肉は、大筋に比べて発達していないので、細字を書くことや、物を縫ったりすることには、困難を感ずる。」「注意は持続せず、容易にくずれる。」「活動の結果がすぐあらわれる場合に興味を感ずる。」「身辺の事物について盛んに質問する。」「現実のことと想像したこととをはっきり区別しない。 」「自分というものについて、いろいろ気に病んだり、反省したりしない。」「両親の愛情と教師の親切がないと、感情が著しく不安定になる。」「他の男の子・女の子に対してあまり差別をしない。」「親・兄弟・教師等、自分以外のもの、即ち周囲の社会から自分に与えられる注文を理解しはじめる。」「仕事を受け持ってやることがそろそろできる。」「長上の権威に対して従順である。」「家族の関係を理解しはじめる。」「周囲の世界がだんだんよくわかって来る。」「自分たちの生活に直接関係のない環境の事物については、理解が困難である。」「時間・空間及び距離については、ごく限られた程度しか、理解できない。」
 これらを読むと、今の小学校の教師に、もっと子どもの心理、発達を理解してほしいと思います。この年齢では、「すわってやるよりは、動きまわる生活に興味を持っている。」とあるように、じっと座って人の話を聞きなさいという注意は、子どもの発達を知らないのです。しかも、それはしつけの問題だと錯覚している教師が多いように見受けられます。また、「時間・空間及び距離については、ごく限られた程度しか、理解できない。」とあるように、「いつまで遊んでいるの!」とか、「もう、給食の時間でしょ!」「そこには行ってはいけないと言っているでしょう!」と怒るのも、1,2年生では無理な話です。それを、幼児に対しても怒る先生を見かけることがあります。
 特に、小学校1,2年生の特徴として、「両親の愛情と教師の親切がないと、感情が著しく不安定になる。」ということは、肝に銘じてほしいですね。子どもが落ち着かない、じっとしていない、騒がしい、それらは、教師の親切がないからです。この文言は、教育は、親子の愛着形成と、先生との信頼関係による情緒の安定がなければ行われないことを示している重要な項目です。

1,2年生” への5件のコメント

  1. ここに書かれている「1年生及び2年生における心理的特性」を読んで、子どもたちの姿がありありと浮かんできました。本当によく子どもの姿を捉えている内容ですね。これを元に教育のあり方を考えるのであれば、今行われているもので改善点はいくつもあがってくると思います。また、私たちもこれをきちんと押さえて子どもたちと向き合う必要がある、本当に大切な内容です。昭和22年の試案とのことですが、これはどこに生かされ今に至っているのか気になるところです。

  2. 4月に小学1年生になった途端に、どんな子どもでも「じっとおとなしく先生のお話に真剣に耳を傾ける」いい子になるなるなんて、そんなわけありませんよね。子どもはゆっくり成長しているのだからそれに大人(学校)が合わせればいいと思う。「両親の愛情」と「教師の親切」とは子どもの育ちを見守ることですね。昭和22年の指導要領を読むと、たとえ時代は変わっても、子どもの育ち方は同じだと思います。今日はもうすでに「地理」という次のブログもアップされています。私の頭脳が休む暇がありません(笑)。

  3.  私が小学校の頃に生活科という授業があったのか。はっきりと思い出せません。もし授業があったのならば、それだけ印象がない授業だったのかもしれません。保育園と幼稚園から卒園した子ども達が急に小学校での生活で先生から厳しく指導されるのは、辛いものです。ブログに心理的特性が書かれていますが、これを読むと、じっとしている事や勝手に触ったりするのは、特性であり、それを否定し、全てを押さえ込んでしまうのは、可哀想です。子どもの特性がこうやって書かれているのだから、もっと理解するべきですね。

  4. 今回のブログは私にとっては現在進行形的内容です。私が関わる小学校の先生たちの口からは、欠点がやっとなくなってきた、とか「個人差」を批難しているとしか聞こえてこない発言をよく耳にし、そのたびに「この先生たちは子どもたちのことを本当に信じているのだろうか」と疑いたくなります。私の息子や友だちたちに「何のために学校に行くか」と問えば「友だちと休み時間に遊ぶため」と素直に答えます。「授業は?」と訪ねると「つまんない」で終わります。ザンネンなことですが、このことは昨日今日始まったことではないところが我が国の学校現場の何とも形容しがたい現実です。「姿勢が正しい子が勉強できる子」と豪語した1年生の担任の先生のことは当分忘れられそうにありません。

  5. 今回のブログを読み、実体験を含め思ったのが、いかに小学校の教育風景が発達に沿って行われていないかがよくわかりますね。小学校に入ると一年生からじっとすわって静かに授業を聞くようにするのが当たり前だと思っていました。それは子どもの心理特性を考えると、とても子どもたちに無理をさせていることが多いのではと思いました。保育園や幼稚園で色々な環境に遊びを通して学んでいたことが座ってただ先生の話すことを聞いているのを考えると勉強に対して楽しみや発見も少なくなり、探求心や好奇心なども次第に薄れていくように思います。
    指導要領にこういった子どもの発達が記載されているのに生かされていないのはとても残念ですね。

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