ドイツ研修1日目

 ドイツでの1日目の研修で、気がついたことを報告します。今日午前中に行った園のコンセプトは、「遊具を減らすプロジェクト」に取り組んでいる園でした。ここは、キンダーがーテンと言って、3歳から6歳児まで75名が在籍しています。保育時間は、7時から17時までです。75名の子どもたちは、異年齢の三つのグループに分かれています。それは、昼食前後に戻るグルーうであり、活動における集団は、75名が自分が選択をしたグループ活動をします。
この園の取り組みである「遊具を減らす」というのは、何を目指しているかというと、簡単にいえば「発見し楽しみながら学ぶ」という意図からのようです。そして、今日の保育は、次の三つの中からの選択です。
一つ目は、厚紙に穴をあけて、その穴にひも通しをするというものです。
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二つ目は、料理です。火を使うところ以外は、切るところからすべて子どもたちがやります。そして、作ったものをみんなで午前のおやつとして食べるというものです。
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三つ目は、フェルトをせっけんでよく洗い、それを丸めてボールを作るというものです。
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どれも、遊具は使いません。素材を手で感じ、自発的に行動させようとするものです。そのほかにも、年長児だけが毎日3時間森に行くプロジェクトをしています。これは、今回、午後の見学予定の主ターナー幼稚園、他の日に見学が予定されているところでも「森のプロジェクト」に取り組んでいる園があります。それは、OECDにおけるスターティングストロングの中で指摘されている次の内容が影響されている気がします。
「(幼児教育として適切でないと指摘されている園では、子どもの遊びを)しばしば机上のゲームに限定される。屋外での発見遊びや北欧の就学前学校の特徴である諸活動の中からの広い選択肢はほとんどない。」ここで重視されているのは、「屋外での発見遊び」です。また、幼児の本質的学習戦略を、「遊び、屋外の探索、行動の自由、クラス室内での他児童との関係や話合い」として挙げ、これらが奨励されていない園も多いことを指摘しています。
ただ、今回見学した園では、最初、すべての遊具を無くしたところ、子どもの育ちが必ずしも保障されないところがあり、職員、保護者の意見もあり、今は、少し、緩和されているようです。
しかし、それがっていされている園を午後見学しました。それは、シュタイナー幼稚園です。見学した園は、2歳から6歳まで60名の園児が在籍し、7時30分から15時30分(木曜日は17時)まで保育しています。この園での遊具はすべて天然素材で、流木、木切れ、木の実、石ころ、布などです。そこの園長先生が、半月型をした木切れを耳に当て「電話」をかけている真似をし、もう少し大きな木切れは、それを押してパソコン、眺めてテレビというように見立てをしてみせました。
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自然物を見立てて遊ぶことで、個々の創造性を養うことができるというものです。反面、ゲーム類は、「遊び方」があるように遊び方を限定し、その為のルールがあることは創造性は養えないというのです。
簡単に何でも買えばそろうという考えかたから、工夫や創造性をどうつけていくかという点から遊具や、その素材を見直すことは必要かもしれません。
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ただ、今回の園では否定されていたコンピューターなどはフィンランドでは重要な保育教材ですし、集団を作るためのボードゲームなどの必要性も言われていることはどうなのでしょうか。

ドイツ研修1日目” への6件のコメント

  1. 「遊具を減らすプロジェクト」?なるほど、出来合いの遊具も面白いけど、子どもたちの自由な発想や工夫やそこからの学びは、未完成の素材の方がいいということですね。森に行って子どもたちを自由に遊ばせることは、ドイツだけでなくフィンランドでも盛んですが、たとえ、一本の木の枝、一枚の葉っぱでも子どもにとっては大切な「遊具」になるんだとおもいます。「遊び、屋外の探索、行動の自由、クラス室内での他の児童との関係や話し合い」の大切さは、これまで藤森先生から学んできたことです。

  2. 見学された園は極端な例なのかもしれませんが、子どものために何が必要かということに対して妥協はしないという姿勢を強く感じます。変なかけひきも感じられませんし、そういう意味で本当にすごいと思います。何もない状況を考えることは、何かがあることの意味を根本から考え直すことにつながります。変化に柔軟に対応するためには必要なことかもしれません。どっちが良くてどっちが悪いなんてことではなく、新たな角度からの気づきをもらえて勉強になりました。

  3.  まず基本的な園の形態が異年齢で三つに分かれて、子どもが自分で選択した遊びをする。これを聞いてなんだか安心します。自分達が行っている「見守る保育」は日本では珍しいと思われますが、世界では普通の事をしているのを聞いて安心しました。ただそうは言っても、保育の内容は本当に初めて聞く活動ばかりです。どこから、そんな発想が出てくるのか知りたいです。子どもの探究心をフルに引き出す活動を私達も仕掛けないといけなと実感しました。

  4. 今回のドイツミュンヘン視察研修も実り多かったことは一日目の報告からすぐに肯けます。「遊具を減らすプロジェクト」というのは面白いですね。しかも「素材を手で感じ、自発的に行動」することに力点を置いているところは、ややもすると出来合いのオモチャ、遊具教具での遊びに慣れきっている子どもたちには、別の、眠っている才能を開発する、という意味で評価されていいような気がします。シュタイナー幼稚園の自然物を「見立てて」遊ぶことによって「個々の創造性を養う」ことも参考になります。素材あるいは自然物の、子どもたちの活動に対する意味を私たちはもっと知る必要があると思いました。保育者の「専門性」の一つがこの辺にあるような気がします。

  5. 「遊具を減らすプロジェクト」すごく思い切った保育をしているように感じましたが。なるほど「素材を手で感じ、自発的に行動させようとする」ことに力をいれたり、「屋外遊び」を中心として「遊び、屋外の探索、行動の自由、クラス室内での他児童との関係や話合い」を重視する保育にかわったからこそ、こういった思い切った保育のプロジェクトが始まったのですね。たしかに、意図して作られていない自然物だからこそ、子どもたちからすると、それを色々なものに見立てて遊びます。そして、自分たちからどんどんと環境に働きかけ、また、発展させていき、そこから「創造性」もすごく養われていくように思います。日本の保育もただ、おもちゃをただ出すのではなく、シンプルに創造性に富む環境を用意したり、自発的に関われる環境をもっと考えることが必要ですね。

  6. 「遊具を減らすプロジェクト」と聞いて最初に浮かんだのがブロックゾーンのブロックの量を減らしていって必要な数のブロックだけにするというようなことかと思ったのですが、自分の想像力の乏しさやドイツの保育全体の水準が高いことを改めて示されたような、そんな印象となりました。シュタイナー幼稚園の取り組みのように、こだわりを持った園の課題がもしかしたら柔軟性なのかもわからないのと同様、柔軟性をもった園の課題はこだわるべき場所にこだわりをもつことなのかもわからず、その表裏をチームで共有しながら進めていくこと、それがもしかすると保育環境というものを追求するということになるのかもわからないと思えました。

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