7年ぶり

今週末の6月13日(日)に、7年間の航行を終えて小惑星探査機「はやぶさ」が地球に帰還します。着陸場所は豪州ウーメラ立入制限区域の予定だそうです。4月に着陸想定地を管轄する豪州政府から着陸許可を得たという報告が宇宙航空研究開発機構(通称JAXA)からされました。
この「はやぶさ」は、将来の太陽系の資源利用や天体との往復飛行に必要な技術を開発し、それが実際に使えることを実証する工学技術実験衛星です。天体表面からの試料を地球に持ち帰る「サンプルリターン技術」を確立します。小惑星からサンプルを持ち帰ることは史上初の試みで、成功すれば世界的快挙となるそうです。しかし、小惑星に降り立ち、表土のサンプルを採集して地球に持ち帰るというのは、世界初ずくめの難しいミッションで、7年間、数々のトラブルに見舞われたようです。ところが、誰もが「もうダメか」と思うようなトラブルでも、技術者たちが「こんなこともあるかと思って・・・・・・」と用意していた予備機能を作動させ、危機を克服してきたというドラマがあります。
2003年5月に打ち上げられた「はやぶさ」は、約20億kmを旅した後、2005年9月に小惑星イトカワに到着し、同年11月にイトカワへの着陸に成功しましたしかし、燃料漏れなどのトラブルで出発が延期されてしまい、本当に小惑星の試料採取が成功しているかどうかは、カプセルが地球にもどってきて、中をあけてみるまではわかりませんので、プロジェクトチームは、ハラハラしているでしょうね。そして2007年4月、「はやぶさ」は地球に向けて出発しました。そして、やっと今週末に地球帰還するのです。
 しかし、今、宇宙航空研究開発機構は事業仕分けの対象となっています。多額な費用をかけて、どんなことが国民にとって意味あることなのか、私たちの生活に影響するのかよくわかりません。もっと、宇宙開発について、ただ夢とロマンがあるというだけでは多額な費用をかける意味がありません。もっと、国民が知る必要があるかもしれません。2008年5月に「宇宙基本法」が成立し、それに基づいて内閣府に「宇宙開発戦略本部」が設置されています。本部長は首相が務め、副本部長は「宇宙開発担当大臣」という任務を負っていますが、今回の組閣でだれがなるかわかりませんが、今までは前原誠司・国土交通大臣が兼務していました。
先日、テレビで中国では今後宇宙野菜が国民を救うと放送されていましたが、宇宙を新しいマーケットと捉え、「開発から利用へ」と産業化していく動きが起きているようです。日本の宇宙産業は7兆円で、そのうち民需は1割です。対して欧米は4割が民需です。ビジネスとしての価値がもっと評価されてくれば、国からの支出がもっと減るのです。民間宇宙旅行、衛星打ち上げ事業、宇宙関連の研究開発を応用した商品などのほか、自らロケットや衛星を開発して、宇宙市場に参入しようとするベンチャー企業も多く生まれているようです。
 我が国の未来を左右する宇宙開発についての政策の検証やビジネスの話題などが、今週号の「週刊ダイヤモンド」で特集されているようですが、ただ、夢のある話だけでなく、費用対効果を検証することも必要かも入れません。