呼び方

 人をいろいろな呼び方で呼ぶ時、「おばちゃん」とか「おっさん」とかいう直接的な呼び方から、「団塊の世代」「新人類」などという世代を表す呼び方などがあります。この世代を表す言葉として、最近のヒットとして、30歳前後の女性をアラサー、40歳前後の女性をアラフォーとも呼ぶこともはやりました。女性に限るのは、本当の年齢を言わずに、少しぼかした言い方をするというのがミソのようです。
少し前から、同じ趣味などをもった人たちを呼ぶような、たとえば、鉄道ファンの「テツオ」「テツコ」や、歴史好きの女性を「レキジョ」というのがあります。最近、びっくりしたのが、歴史上の偉人などの,著名人の墓参りを趣味とする「墓マイラー」も聞くようになりました。そのような人は、自分の先祖の墓参りはするのだろうかと思ってしまいます。少し前に、「なんでもや」の看板を見たら、「遺骨の海上散布」とか、「墓の掃除、墓参り代行」と書かれてありました。「マイラー」というと、飛行機のマイルをはじめとして、各会社のマイルを集める人たちを呼ぶ時にも使いますね。
最近、父親、母親の新しいライフスタイルを表した呼び方が新聞に特集されていました。その一つが、育児に積極的な男性「イク(育)メン」です。かっこいい男性を指す「イケメン」をもじった新語で、「モテるかも」との期待も手伝って若い男性の関心は高いそうです。父親の育児参加とは少しニュアンスが違う「イクメン」とは、どんな男性なのでしょう。この「イクメン」のすすめのコピーも、なんだかそそります。「あなたの顔を見て子どもが抱きついてくる。保育園のお迎えは恋人との再会のようですよ」もう、女性の育児を手伝うという雰囲気はありません。06年の内閣府調査では、家事やプライベートより仕事を優先したいと答えた既婚男性はわずか2.3%だったそうです。父親養成講座を開講している NPO法人「ファザーリング・ジャパン」の安藤哲也代表理事は、その背景について「仕事に没頭した末、リストラや熟年離婚の憂き目に遭った父親や上司を反面教師にする男性が増えてきたのでは」と分析しています。東京都文京区長が、約2週間の「育休」を取得して注目されたほか、長妻昭厚生労働相も1月の国会答弁で「イクメン」という言葉を広めたいと発言しました。
男性が次第にやさしくなっていく中、一方、女性は元気なようです。最近評判になっているのが、子育てを終えた40代以上の女性がオートバイの世界に参入している「おかんライダー」です。なんだか、仮面ライダーのようで、勇ましい感じがします。女性は、どうしても「バイクなんて」と思われていて、本当は好きなのに断念させられていました。今の時代は、そのような偏見はなくなり、しかも子育てが一段落した女性が、一度は断念したライダーの夢をかなえられるようになったということのようです。この「オートバイは男の乗り物というイメージが強く、女性ライダーは昔も今も、『女のくせに』という目で見られる」のは、なにも日本に限ったことではないようです。しかし、そうした壁を乗り越える女性は増えていて、警察庁の統計によると、二輪免許の新規取得者は過去約10年で、男性は6%増えただけですが、女性は52%も増えているそうです。特に、「子育てを終え、時間と経済的余裕のできた40代以上の女性の伸びが目立つ」ようです。
 新しい時代の生き方、考え方が、新しい呼び名を作っていきます。