先週末、長崎に行ったときに宿泊先に「ガーデンテラス長崎ホテル&リゾート」をとってもらいました。このホテルは、2009年7月にオープンしましたが、長崎港が一望できる稲佐山のふもとの長崎市秋月町に建っています。夜は、テラスやふろ場から日本3大夜景の一つと言われている長崎の夜景が眺められます。このホテルの設計を担当したのは、建築家の隈研吾氏です。彼の設計コンセプトについて、「これほど木材を使ったホテルは珍しい。周辺の森と長崎の素晴らしい景色に囲まれて優しい気持ちになれる。自分の離れができたという感じで皆さんに使ってもらいたい」と話しています。

その言葉の通り、外壁は、木の板で覆われています。施設の敷地面積は約6万6千平方メートルで、レストランや結婚式場などから成る地上3階地下2階建てのグランドテラス(本館)ほか、平屋と地上2階地下1階建てのコテージ型ホテルが各1棟あります。総事業費は約35億円だったそうです。室内も木を基調とし、無駄なものを切り取り、非常にシンプルさを感じます。ティッシュボックスも木で造られたもので、また、部屋のオーディオは、持ち込んだiPodがさせるようになっています。

彼は、長崎から気に入られているのか、1965年、美術館と博物館の機能を併せ持つ施設として開館した「長崎県美術館」も設計しています。この建物のコンセプトは、「呼吸する美術館」だそうで、グッドデザイン賞やイタリアのマーブルアーキテクチュラルアワードのほか建築業協会賞、日本建築家協会賞、日本建築学会作品選奨など多数受賞しており、国内外からも高い評価を得ています。
これらの建物を設計した若手で注目されている隈研吾が、新しい歌舞伎を設計する予定です。建て替える理由としては、建物の老朽化や劇場舞台機構の陳腐化、耐震性能や防災性能の確保、バリアフリー化への対応など諸機能の更新が急務、などのようです。また、今回の建替えの主眼は、歌舞伎の殿堂「歌舞伎座」の継承と考え、劇場は従来通りに低層で構え、その独立性を重視した日本様式の外観デザインとし、銀座の街並みに融合するものを目指しているようです。また、新たに魅力溢れる文化施設も整備し、最先端のオフィスの提供や防災支援、緑化整備等さまざまな機能向上も兼ね備えた建物にするために、地下4 階、地上29 階、塔屋2 階に、劇場のほか、事務所、店舗、駐車場などを設けるということです。平成22年5月に着工し、平成25年春竣工の予定で、事業費は約180億円だそうです。
古いものから新しいものへの変化は、当然おきます。その時に、新しいものとは何かということは時代によって変わってきます。明日、上海国際博覧会が開幕します。今回は、中国が初めて開く万博で、246の国・国際機関などが参加し、過去最大規模のようです。このイベントを見ていると、日本で東京オリンピック、大阪万博を開催することによって、何かを変えようとしていたことを思い出します。今回の万博のテーマは「より良い都市、より良い生活」だそうですが、中国共産党が2008年の北京五輪に続く国家行事で求心力を維持し、政権基盤の強化を狙っている意図が感じられます。
しかし、最近の日本における変化のテーマは、「伝統文化の見直し」が感じられます。前に進む変化から、深まっていく変化に変わりつつあることは、とてもいいことだと思います。