平成17年度児童生徒の食生活等実態調査報告書によると、子どもの好きな料理は、1位が寿司、カレーライス・ハヤシライス、ステーキ、ラーメン、ピザでした。また、NHK放送文化研究所世論調査部による日本人の好きな料理では、寿司や刺身、ラーメン、みそ汁、焼き魚、焼き肉、カレーライスでした。ある資料によると、昭和30年代の子どもの好きな料理はおむすび、スパゲッチー、コロッケ、おでんなどでした。
 これらのデータを見るまでもなく、今の子どもは寿司や刺身が好きなようです。逆に、この寿司や刺身は嫌いな料理にも入っています。どちらにしても話題になるほどなじみのある寿司や刺身の代表がマグロですが、この中のクロマグロについて、日本は窮地に立たされています。それは、欧州連合(EU)は12日、エネルギー担当相理事会を開き、モナコが提案した大西洋・地中海産クロマグロの国際取引禁止案を支持する方針を正式決定したからです。EUのほか米国、スイスなども支持を表明しており、13日からカタール・ドーハで開かれるワシントン条約締約国会議で採決される予定ですが、その阻止は、厳しそうです。
私も寿司や刺身は好きですが、私の子どもの頃は、寿司や刺身など、生の魚はあまり食べなかったように思います。ほとんどは煮魚で、たまに鯵などのフライや、タイなどの焼き魚、魚の佃煮でした。寿司も、食べたのですが、それは上等な客が来たときに相伴に預かるくらいでした。そんな高級なイメージの食べ物が、子どもの好きな食べ物にあがったときには少しびっくりしました。子どもなのにずいぶん贅沢だと思ったものでした。しかし、それは、寿司が回転寿司の登場で庶民の食べ物になったからでしょう。それと、生の魚の保存が可能になったからでしょう。
もちろん、大昔、人間は新鮮な獣や鳥の肉・魚肉を切り取って生のまま食べていたでしょう。しかし、当然、それは新鮮なうちに食べることのできる地域に限られていたはずです。ですから、魚を生で食べていたのは、海辺では海の魚、山では川の魚や鯉などを食べていたでしょう。また、お刺身と言いますが、この呼び方は一般的に関東地方で使われて、関西地方では「お作り」と言うことが多いようです。
刺身の中では、関東地方ではマグロなどの赤身の魚が好まれ、関西地方では鯛などの白身の魚が好まれる傾向があるようです。また、マグロの刺身を食べるのは、世界中の中では圧倒的に日本人が多いようです。なんでそんなに日本人はマグロが好きかというと、それは、私が思うには、日本は醤油文化だからのような気がします。マグロの刺身と、醤油は抜群の相性です。刺身の原形は鎌倉時代に始まったといわれていますが、その頃はまだ醤油がなかったため、なますにして食べたり、ワサビ酢やショウガ酢で食べていました。なますとは、現在では正月などによく食べる大根やにんじんなどを細長く切り酢で味付けしたものをさしますが、もともとは、生魚を細く切り刻み、酢で味付けする調理法でした。どちらにしても、酢がベースでした。それが、室町時代に入り、醤油が誕生しましたが、まだまだ高級品であったため、刺身は身分の高い人々しか食べる事のできない高級な料理でした。一般庶民に刺身料理が広まったのは、醤油が庶民にも普及した江戸時代の末期からです。また、明治・大正の頃は今と逆で、赤身を高級店、値打の無い脂身(トロ)は屋台店などで売っていました。
マグロを捕ってはいけないことになると、もちろん漁師さんなどそれで生計を立てている人は困るでしょうが、私たちは、マグロ、特にトロを食べることができなくなるとどうしようと思ってしまいますが、環境や、その種を守るためには、それほど頻繁にマグロを食べなくてもいいのかもしれません。

” への4件のコメント

  1. 今、日本各地でクロマグロを完全養殖しようという動きが活発です。その先鞭を告げたのが近畿大学水産研究所。30年以上の研究の末に、平成14年に世界で初めて完全養殖に成功。完全養殖とは、人工ふ化から育てた成魚が産卵し、卵を人工ふ化、稚魚、幼魚、成魚と育て、またその魚が卵を産むというサイクルのことです。まだ、採算ベースに乗るまでには至っていませんが、そう遠くない将来、私たちの口に入るようになりそうです。それにしても、魚はマグロだけでない。サンマもさばもカツオもおいしいですね。もっといろんな魚のおいしさを子どもたちに知ってもらいたいですね。

  2. さすがに子どもの好きな料理は砂糖や油がたっぷりのものですね。昭和30年代にはあったおむすびやおでんが姿を消していることからも、食生活の変化を感じます。そのことの方が気になってしまいます。マグロの問題ですが、yamaya49さんの言われているように、とれなくなれば養殖でという流れはどんどん加速するんでしょうね。きれいごとを言うつもりはありませんが、とれた分だけ食べるという食の基本も大事だと思うので、完全養殖というのはどこか受け入れにくいものを感じます。それよりも、今まであまり注目されていなかった磯の魚の食べ方を工夫することで地域の目玉にしようとしている動きの方が好きです。

  3.  お寿司は好きな食べ物の一つです。地元が海の幸が美味しかったという事もあったのかもしれません。確かに寿司と聞くとたまご、イカ、次にマグロの赤身を連想します。実際、小さい時に回転すしに行った時にマグロの赤身を食べたくて仕方がなかった思い出があります。そういう訳か自然と寿司といえばマグロという印象があります。禁止法案が可決されると確かに漁業をしている人の生計に響きますし、マグロが簡単に食べれなくなり、がっかりする人も多いかもしれません。私も少々残念な気もしますが、そうは言っても寿司をそんなにしょっちゅう食べているわけではないので、時々食べる高級な料理としていいかもしれません。

  4. 寿司は時々頂きますね。蒸し海老、イカ、たこ、といういわゆる寿司のお子様メニュー。マグロはトロが美味しい。赤身は息子がさび抜きで食べます。好物のようです。マグロが食べられなくなるかも・・・という報道に接しますが、クジラは今でも食べることができるのでマグロも食べられるでしょう。もっとも「回転寿司」のベルトコンベヤー上を回ることはなくなるでしょうが。そのことよりも今回のブログでは関東関西の違いの一端を浮き彫りにしています。例えば関東は赤身で関西は白身、関東は刺身で関西はお作り。とても勉強になりました。いつかこのネタを用いて薀蓄を傾けることもできます。醤油が室町時代に出、庶民化したのが江戸時代末、というのも日本の歴史を考える上でとても重要な気がしました。

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