スキル2

 フィンランド式キッズスキルは、親子で問題解決能力をつけようというというものです。その書籍の帯封にはこう書かれてあります。「子どもの問題解決能力を高められる。子どもに“ダメ”と言わずに問題を解決できる。子どもの責任感、社会的スキルを高められる。」
 これらの能力は、子どもがぶち当たっている壁を乗り越えるためのスキルというだけでなく、今、子どもたちに必要だと言われている学力というスキルでもあるのです。ですから、このスキルは、教育で成功しているフィンランドで考えられているのです。
 ここでは、15ステップで子どもの問題をスキル学習に変換して解決に導くことをしています。しかし、私は、まずここで言う「スキル」という言葉がはっきりしません。普通に使われるスキルとは、物事を行うための能力であり、スキルを高めるというと、技能を練習して高めるというイメージです。そのスキルという言葉が最近は家庭内での関わり、仕事上での応用が言われてきています。例えば、仕事上では、「ビジネススキル」と言われ、ビジネススキルを向上させるときに欠かせないツールが「コミュニケーション」だと言われています。そのスキルは、相手に情報を伝えるというメッセージを発信するだけでなく、その意図するところ、その哲学までもが相手に伝わってこそ、その意味を成すといわれています。
 子どもに起きている問題を解決するために、まず、その問題をスキルが欠如していることに変換しなければなりません。それをスキリングと言います。このスキリングという言葉は、ソリューション・フォーカス・アプローチの概念から生まれたものだそうです。これは、解決思考アプローチと言われているもので、相談者の問題の原因を探り、そこから解決方法を導き出すという「カウンセリング」の手法ではなく、「原因」の探求ではなく、「解決」の探求に焦点を当てています。例えば、子どもが学校で周りの生徒に迷惑をかけるようなことをしてしまったとき、そんな行動をとった「原因」を追求しようとすると、周りの人やその子自身を責める発想へと進んでいってしまいます。そもそもたいていの場合、はっきりと「これが原因」と言いきれることはありません。一方で、「解決」を追求すれば、周りのみんなが協力し、はっきりと具体的な打開策を見出すことができます。
 これは、こんな言葉がけでいいようです。「やらないでほしいことではなく、やってほしいことを伝えると子どもは言うことを聞いてくれます。」例えば、「どならない!」と注意するよりも「静かに話しなさい」という注意の仕方がいいと言います。ほかにも、「物を投げるのをやめなさい!」から「自分のものを大切にしなさい」、「キックしない!」から「足は地面につけていなさい」、「食べ物で遊ばないの!」から「行儀よく食べなさい」、「妹をからかわないのよ!」から「妹にやさしくしなさい」というようにするのです。これは、フィンランドの子どもたちに対してのことですから、その年齢までの育ちがどうであるかが影響しますので、日本の子どもたちに効果があるかはわかりませんが、同じようなことを私も提案しています。禁止することは、やってはいけないことは分かりますが、では、どうすればよいかはわかりません。やってほしいことを提案する方が、具体的な行動にすぐに移しやすくなります。また、禁止事項が蓄積されてくると、動けなくなってしまいますが、やってほしいことが蓄積されていくに従って、自分への自信が持てるようになります。そういう意味で、このスキリングのステップは、すでに提案していることと同じですね。

スキル2” への4件のコメント

  1. フィンランドスキルの本をまだ読んでいませんので、うまくコメントができませんが、その解決思考アプローチは目から鱗です。不幸にも学級崩壊を起してしまった学習院の先生も是非今日の臥竜塾は読んでほしい。もし愛子さまを悩ませた原因を追及すれば犯人探しになってしまい、事態はこじれてしまうばかりだ。たぶん学校側は、これまで以上にクラスの監視を強めるだろうが、禁止用語の連発で子どもたちを規制すればするほど、子どもたちのストレスは増すばかりだと思う。それにしても、競争率10倍以上の狭き門をくぐって選ばれた学習院の小学生でも、自尊感情が育ってなければ荒れるという事実の意味するところは重要だ。ひょっとしたら、周囲の期待に応えて「いい子」でいるのがしんどくなったのではないか。ありのままの僕を認めてほしいという訴えのような気がする。

  2. 禁止事項の蓄積ではなく、やってほしいことの蓄積によって自分への自信が持てるようになるというのは大事なところですね。自分に自信が持てて意欲がでることは、どんなことであっても、まずはそこが始まりです。そこから世界が広がっていきます。子どもだけでなく、大人にもとっても大切なことです。親子で問題解決能力をつけようというのは、子どもの問題というだけでなく、大人の問題でもあるということとも言えるような気がします。

  3. 当ブログからこれまで多くの新しい概念を頂戴しました。そして今回も。まずは「スキリング」。「問題」を「スキルの欠如」に変換する。確かに多くの問題はスキルがないことによって発生します。そしてこのスキルは物理的な技術手法である場合が多いのですが、実は「考え方」もスキルと言えるでしょう。というのは、考え方を変えると多くの問題が結構スムーズに解決するからです。考え方を変える、まさにスキリングですね。次に「ソリューション・フォーカス・アプローチ」。私たちは問題が生じた場合「原因追求」に多くのエネルギーを費やします。その結果「解決」へのエネルギーが枯渇し何だかよくわからない結末に至ることもしばしばあります。最初から「解決」に向けてポジティブにエネルギーを向けるならなんと前向きでしかも楽しく夢や希望を抱けることか。

  4.  問題解決能力とコミュニケーション能力の二つは藤森先生が講演でよく話される事です。最近になって、自分を振り返ってみても、つくづく二つの能力が欠けていると実感します。性格も多少あるかもしれませんが…。実際に現在の私が実感しているのだから、将来必要な能力です。そういう意味でフィンランド式のキッズスキルは親子で問題解決能力をつけようとするのは重要だと思いました。また解決する方法も原因を考えるのなく、「解決」の方法を考えるというのは、なんだか新鮮な感じがしました。問題が起きると、つい何が原因だったか?と考えがちですが、起きた事は仕方ないのだから、諦めて前へ進む方法を考える事が優先なのですね。

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