くも博士

 私は昆虫をそれほど嫌いではありません。どんな昆虫を見てもそれほど飛びあがって嫌うこともありません。しかし、苦手なものは多少あります。それは、多分嫌いな人が多いゴキブリです。そのほかはあまりありませんが、どちらかというと肉食系のものは少し怖い気がします。例えばクモなどです。クモを見るには平気ですし、小さいクモであれば部屋にいるクモを手で取って外に出してあげるくらいはしますが、大きなクモは手で触るのは勇気がいります。そんなクモですが、クモに魅せられる人もいるようです。
たまたま、あるサイトを見ていたときに「2006年9月30日(土)は萱嶋泉先生の命日です。日野市の日野台協会で故・萱嶋泉昇天一周年記念礼拝が行われました。」という記事を見つけました。この萱嶋泉先生には、思い出があります。以前のブログで紹介しましたが、私が設立し、その後顧問をしていた日野市の子ども会の活動が、社会教育映画になっているのですが、その内容は、地域のお年寄りの人材を子どもたちが発掘する取り組みです。その中で取り上げられたお年寄りの一人にこの萱嶋先生がいたのです。この先生は「クモ博士」と呼ばれていました。「くも博士」というと、「雲博士」と思う人が多いのですが、実は「蜘蛛博士」なのです。自宅には、たくさんのクモを飼っていて、子どもたちがそのクモを見せてもらいながら話を聞き、そのあと実際に林にクモを見に行くシーンが撮影されました。
その話の中で印象的だったのが、まず先生の自宅に入るとたくさんの虫籠が目に入ります。そこにクモがいると思いきや、あまり好きではないゴキブリがたくさん入っています。話を聞いてみると、そのゴキブリはクモの餌だそうです。その次にびっくりしたのが、大きな真黒いクモを手に持って見せてくれたときです。クモを、映画「007」の中で悪者が放ち、襲われた人がみな悶え苦しんで死ぬシーンがあるのですが、その放ったのが「タランチュラ」という毛むくじゃらで、牙も大きくて1.5から2cmもあり、猛毒を持っていて、噛まれたら死ぬと言われているクモです。そのクモを手に乗せて見せてくれたのです。そして、実は、「タランチュア」は、世界で600種ほどいて、そのほとんどには、毒がなく、あっても人を殺すほどの猛毒はないと話してくれました。
こんな萱嶋先生は、NHK「ウルトラ・アイ」やTBS「わくわく動物ランド」にも出演したそうですが、クモ研究者は不思議な経歴を持った人が多いようです。例えば、「日本蜘蛛学会」の会長は吉田真立命館大学理工学部教授です。萱嶋泉先生は、国立音楽大学名誉教授で、「東京蜘蛛談話会」という会を設立しています。その会を通して、老若男女を問わず、ことあるごとにクモの面白さを世に伝え、同好者の拡大をはかり、その活動は「クモ博士」とも「クモの伝道者」と呼ばれていました。子ども会の時に子どもたちは先生からクモの話を聞いてどう思ったかわかりませんが、クモ嫌いだった小学生たちは、先生の話を聞いて、クモへの理解を深め、そしてクモ観察に夢中になっていくことが多いそうです。
クモは漢字では「蜘蛛」と書きます。虫を殺すことを知っている虫ということだそうです。しかし、ただむやみに虫を殺しているわけではありませんし、必ずしもほかの虫に対していつも優位に立っているわけでもなく、クモを見ていると、自然界の平等性を感じられると萱嶋先生は言っています。

くも博士” への6件のコメント

  1. 夏、田舎に帰ってトイレに入りますとトイレのガラス窓の外に蜘蛛の巣が見えます。結構大きくところどころに黒い塊もあります。小学3年生の頃「昆虫博物館」を主宰していました。蜘蛛を飼うことはしませんでしたが観察はしていました。あれは結構おもしろいものでした。ハエや蚊などが運悪く蜘蛛の巣にひっかかってしまいます。しばらくは喘いでもがいていますがやがて動きが鈍くなり・・・すると蜘蛛がサカサカとやってきてその餌を食します。ただそれだけのことなのですが、じっと見入っていたことを今回のブログにより思い出しました。それから「社会教育映画」、あれは何だかとても印象深かったですね。「地域のお年寄りの人材を子どもたちが発掘する」・・・宝探しですね。「クモ博士」はまさに宝の発見だったことでしょう。あの映画の中の藤森先生、青年!、でした。

  2. クモの糸について
    奈良県立医科大学の大崎茂芳先生は、クモの糸の研究をされています。コガネグモの糸約19万本を束ねて作った、太さ2.6ミリのロープでハンモックを吊るし、体重65Kgの先生が自ら乗って、その強度を証明されました。芥川龍之介の小説「蜘蛛の糸」で、主人公がクモの糸をよじ登る場面がありますが、大崎先生はそれが可能であることを示されたのです。すごいですね。
    ゴキブリについて
    私はよく2歳の娘を連れて公園に遊びに行きます。その時、娘が虫を見つけると、自由に遊ばせるのですが、ゴキブリを見つけた時は、つい止めそうになってしまいます。日本には約50種類のゴキブリが棲息し、その大半は森や林など、木や木葉が豊富な所に棲んでいます。汚さでいえば、ゴキブリも他の虫と大して違いはないのでしょうが、ついゴキブリだけは差別的な目で見てしまい、我ながら反省しています。
    ちなみに私は小学生のころ、小説「蜘蛛の糸」話の中で、主人公が登っていた糸が切れたのは重量オーバーだと信じていました。

  3. すいません、ゴキブリは超苦手です。台所あたりから這い出してきたら、それを捕まえるのは家内の仕事です(笑)。まあ、こんなゴキブリでも愛好家がいるようで、Wikipediaによると、1993年には岡山市でゴキブリの品評会が開かれたそうです。当初は大きさを競うものだったのが、最近は艶を競ったり、ゴキブリレースを開催したりとエキサイトしているらしい(笑)。また、ほぼ全世界で食用・薬用として使われ、国によっては養殖も盛んだとか。どこの国なんだ!(笑)。東アジアの国では、油揚げにして食べる?ほんまかいな。最近このWikipediaの信憑性も揺らいできているので、ここまでくると、にわかには信じかたい話です。

  4. クモだけでなく、あらゆる生き物を観察していると不思議に思うことがたくさんあります。そこから深く考えていくことはとても楽しいことです。萱嶋泉先生のような方に出会い、話を聞かせてもらうことは、興味を広げるいいきっかけになるはずです。こうした人と子どもたちをつなげることも大切なことなんでしょうね。

  5.  自分の部屋に時々、蜘蛛を見つけます。窓を閉め切っているのに、どうやって、どのタイミングで入り込んだのかいつも気になります。また、どちらか忘れましたが夜蜘蛛と朝蜘蛛で逃がさないといけない方があるとも聞きます。あとは映画でとても有名になった「スパーダーマン」ですね。蜘蛛に関しての知識はそれくらいです・・・。蜘蛛に対してそこまでじっくりと観察もしたこともありませんし、種類もほとんど知りません。カブト虫や鈴虫などと違って飼育をする対象と思ってないからかもしれません。

  6. 蜘蛛といえば・・
    燕の雛をひょんなことから1週間くらい育てたことがあります。
    どんな虫を食べるのかよくわからず、早朝庭に出て葉っぱの裏をめくったりして食べそうな虫を探してもなかなかいませんので小さい蜘蛛を捕まえて与えてみました。すると、おなかのふっくらしたおいしそうな蜘蛛より細身の栄養のなさそうな蜘蛛をついばんでいたので、雛なりにわが身を守る本能が備わっているのだと感心したことを覚えています。
    その後は・・・親が迎えに来たようで元気を取り戻して空高く飛んで行き蜘蛛集めから解放されほっとしたのが思い出となっています。

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