融雪

 今年は東京ではよく雪が降りました。しかし、ここ2,3日は暖かい日が続いていて、もう春という感じです。しかし、東京では、毎年4月に入っても雪が降ることがありますので、油断はできません。といっても春の雪はすぐに溶けてしまい、あわいことから奈良時代から歌に詠まれました。この「あわい」というのは、最初は「淡い」ということではなく、うたかた(泡沫)のように消える雪ということで、「あわ(泡)ゆき」という表記で用いられました。また、万葉集には、あわゆきを「「沫雪」と書いて、16種も詠まれています。そして、平安時代になると、厳寒期の厚く白く降り積もる雪に較べてうっすらと淡い雪であるということで、「あは(淡)ゆき」と表記されるようになりました。古今集には、17首詠まれています。
 そんな春の雪ですが、今週初めに訪れた富山ではつい先週まで大雪が降っていたそうです。今年は雪が多かったそんな富山では、昨年末こんな記事が新聞に掲載されていました。「散水消雪一斉稼働で地下水位急激低下 富山県内市街地」というものです。「県内の住宅団地や商業施設などで消雪設備が普及する中、降雪時に設備が一斉に稼働することによって、市街地では地下水位が急激に低下している。大雪の峠を越えた20日も、富山市の一部で降雪前よりも10メートル以上低下し「安全水位」を下回った。現在のところ、地盤沈下などの被害は報告されていないが、県は設備の作動状況をこまめにチェックし、過剰に散水しないよう呼び掛けている。」
私は、東京生まれで東京育ちですので、このニュースを読んでもピンときません。それは、地面に埋められたパイプから水を出すことで、雪を溶かしている「散水消雪」という設備を知らないからです。雪がない中、水が噴き出ているその実物を見た時には少し興奮しました。急いで写真を撮りましたが、足に水がかかりそうで、気を使いました。sannsui.JPG
この噴き出ている水は地下水のため、地熱で温められ、県内では年間を通して約11~16度を保っているそうです。富山県では、道路などの消雪用ポンプは平成20年度までに住宅団地など1522カ所に設置されているようです。ずいぶんと狭い道にまで、その設備はされていました。それを見た時は、もう道には雪がなかったためか、そのあとすぐに止まってしまいました。大半の消雪装置は雪を感知すると、自動で作動するそうですが、よくセンサーが誤感知し、雪から雨に変わったり、気温が高く雪が積もる恐れがないのに、散水し続ける場合があるといいます。
このように散水式の融雪道路は, 道路の中央部分に水のパイプを通して, 数メートル間隔で取り付けたノズルから水を噴出させて 雪を溶かす方式で, 雪国では広くこの方式が使われていますが、もうひとつ、「無散水」式もあるようです。それは、舗装の下にパイプを通して 水を循環して熱交換する方式です。この方式は、水を循環利用できるメリットがありますが, 建設コストが高くつく欠点があるそうです。
そのほかにも、雪をカーボンブラックなどで黒く着色することで、太陽熱を吸収させて融雪する方法や、塩化カルシウムを主成分とした融雪剤を散布することによって凝固点降下が起こって融点が低下するため、雪を水へと変化させる方法などがあります。
雪国では、いろいろな工夫をして雪対策をしているのですね。

融雪” への4件のコメント

  1.         ♪雪が溶けて川になって 流れていきます
             つくしの子が恥ずかしげに 顔を出します
             もうすぐ春ですねえ ちょっと気取ってみませんか
                        (春一番・キャンデーズ)
    当地では春一番も吹いて、菜の花や梅の花が一気に花を咲かせています。鳥のさえずりも一段と賑やかになってきました。北国はまだ雪が残っているようですね。道路の消雪設備は金沢で見ました。豪雪は地下水となって貯められますが、使いすぎは厳禁ですか。悩ましいですね。昨日、東北や北海道の名峰のビデオを見ていましたが、北国の人々の暮らしには山の雪解け水が欠かせないようです。田畑を潤し、湧き水は清流となり、その栄養豊富な水は海に流れて豊かな漁場を約束します。山の雪は自然のダムですね。

  2.  今年は昨年に比べると、都内でも地方でもたくさん雪が降ったようですね。スキー場などは繁盛で嬉しいかもしれませんが、雪国の人たちにしてみれば、大変で仕方がないかもしれません。朝の日課は雪かきからでしょうね。雪国の工夫は写真の融雪のほかにも木が雪の重みで折れないように、雪囲いをしたり、他には、信号機は都内や雪があまり降らない地域では横にランプが並んでいますが、雪国の信号は縦にランプが並んでいます。これも雪の重みで信号が落下しないようにする為です。他にも雪国ならではの工夫があると思いますが、それらも生活の知恵ですが、これから時代が進むにつれて、機械技術などが発展し、雪国の人たちの生活が楽になるような気がします。ただ楽だけを求めすぎて、伝統的に伝わる知恵など大切な物は失ってはいけないと思いました。

  3. 淡雪、泡雪、どちらもきれいな言葉ですね。ほとんど使わない言葉ですが、意味を考えると大切にしたいと思えてきます。雪には関係ありませんが、言葉には全て意味があって、だからこそ簡単に変えてはいけないと思いますし、大事にしなければいけないとも思います。そのためには背景を知ることが必要で、そう考えると勉強することは大切なんですね。

  4. 今年の東京には本当によく雪が降りました。朝目が覚めて戸外を見ると道路を除く場所が白一面。何だか郷里を思い出しました。雪にはいろいろな雪があり、ある演歌にも謳い込まれています。「こな雪 つぶ雪 わた雪 ざらめ雪 みず雪 かた雪 こほり雪」とその歌詞にはあります。これは太宰治の「津軽」からです。それから「急いで写真を撮りましたが、足に水がかかりそうで・・・」の感じが今回掲載の写真がみてとれます。それは写真右下角の指と思しき像。ちょいと珍しい写真です。日本海側の雪対策は確かに深刻なものがあるでしょう。除雪融雪のためにどれだけのお金が飛んでしまっているのか。財政難に喘ぐ自治体には恨みがましき雪なのかもしれません。雪の重みで日本の日本海側の地盤が少し沈下したという本当かウソかわからないようなニュースまでありました。

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