少子

今年になって、NHKスペシャル“無縁社会”がシリーズで放映されています。この内容は、かなりショックです。この番組の趣旨として、こう書かれてあります。「自殺率が先進国の中でワースト2位の日本。NHKが全国の自治体に調査したところ、ここ数年「身元不明の自殺と見られる死者」や「行き倒れ死」など国の統計上ではカテゴライズされない「新たな死」が急増していることがわかってきた。なぜ誰にも知られず、引き取り手もないまま亡くなっていく人が増えているのか。「新たな死」の軌跡を丹念にたどっていくと、日本が急速に「無縁社会」ともいえる絆を失ってしまった社会に変わっている実態が浮き彫りになってきた。」この無縁社会は、「新たな死」を描いているだけでなく、今の日本における課題を浮き彫りにしています。そのような社会になってきたことの理由を、こう説明しています。「かつて日本社会を紡いできた「地縁」「血縁」といった地域や家族・親類との絆を失っていったのに加え、終身雇用が壊れ、会社との絆であった「社縁」までが失われたことによって生み出されていた。」そして、この無縁社会は、日本人がある意味選択し、そして構造改革の結果生み出されてしまったものとしています。
同じような問題が、最近経済が猛烈な勢いで成長している中国でも起きているようです。それは、一人っ子政策が導入されてから、30年が過ぎた現在のひずみのようです。この一人っ子政策は、一定の成果を収めたものの、中国社会に問題も生み出しています。例えば介護です。1人っ子同士が結婚して夫婦になると、夫婦2人だけで両方の両親4人の介護をしなければならず、実質的には妻1人で4人の両親を介護することになり、大変な負担になっているようです。
それ以上の問題は、両親2人、それぞれの祖父母4人でたった1人の子どもを大変可愛がるあまりに、子供が過保護に扱われ、甘やかされます。その結果、対人スキルが育たず、近年増えてきている1人っ子同士の結婚では、離婚率が増加しているという報告もあります。それは、中国人の結束の原動力である「家族の絆」までもが失われつつあるからのようです。家族のきずなが失われると、家庭も簡単に崩壊します。それが最近の離婚の多さの原因のようです。「中国離婚網」というメディアでは、08年8月8日に開幕した北京五輪にあやかって結婚したカップルが、1年経って続々と離婚届を提出する様子を伝えています。その原因は、「一人っ子なので自己中心的、些細な問題に耐えられない」と指摘する人もいます。
 しかし、この問題は、決して子ども自身の問題だけではないようです。そのように育ててしまった両親、教育、社会の問題があるようです。「育てたように育つ」という言葉ではありませんが、そのように育てられてしまった結果なのです。そして、それは、経済成長一辺倒で来た中国という社会であり、それに踊らされた大人たちだといいます。
 どうも、日本でも同じようなことが起きています。日本では一人っ子政策は行われていませんが、少子社会は、同じような問題を生み、バブルがはじけた後の問題が子どもに影響しているようです。
 日本も、中国も、国の将来のためにもう一度教育というものを見直し、社会の立て直しを図るでしょう。どちらが先に、改革をするでしょうか。

少子” への4件のコメント

  1. 先日、久しぶりに寅さんの映画を見ました。いつ見ても幸せな気分になれますね。考えてみれば寅さんも生涯未婚者で今でいうフリーター稼業で格差社会の底辺で生きているけど、だれも不幸だとは思わない。旅先には気のいいテキヤ仲間がいる。たまに柴又に帰ると、とら屋の面々が戸惑いながらもやさしく迎えてくれる。帝釈天の参道を歩けば、昔馴染みの人々が声をかけてくれる。無縁社会とは全く対極の世界ですね。江戸時代の長屋もちょっと前の東京の下町もみんなこうだったのでしょうね。ここ何十年の間に人と人との関わり方が大きく変わってきてしまったようです。20年後、日本人の生涯未婚率は女性で4人に1人。男性で3人に1人だそうです。ちょっとぞっとする数字です。いったいどんな社会になるんでしょうか。

  2. つながりが失われてきているのは怖いことですね。つながりを取り戻すためには価値観を変えていくことが必要で、そのためにも教育のあり方の見直しは大事になってくると思います。他人との比較ではなく、自分を見つめる個々の基準を磨いていくような教育を、私は望みます。そんなに難しいことのようには思えないのですが、どうなんでしょうか。

  3. 「無縁社会」については極めて深刻な事態と受け止めることができます。日本の自殺者は3万人を超えています。そして無縁死とでも言いたくなる亡くなり方で死んでいく人がやはり3万人超。これは一体どういうことでしょうか。殺人事件によって亡くなる人の数は減少傾向にあるそうです。しかし一方で尊属殺人事件によって亡くなる人の数は減っていないとのことです。これは一体何を意味しているのでしょうか。中国は政策として「一人っ子」ですが、わが国は結果として「一人っ子」です。子に対する大人からの「過保護」「過干渉」は日本も中国と同様な気がします。欧米は実は「無縁社会」となりました。現在は移民や貧困層の拡大により「無縁社会」のありようが懸念されソーシャルコーヒージョンを提唱しウエッブ社会の構築の方向を向いています。欧米追随の結果が現在わが国の「無縁社会」だと思います。それならば欧米と同じく「ソーシャルコーヒージョン」を求めていくことが自然な気がします。

  4.  「新たな死」本当に寂しいです。自分には全く関係ないかもしれませんが、自分の国でそのような事が起こっている時点で本当に悲しくなります。「無縁社会」は人との繋がりや絆が無いだけでなく、人の死までも影響するとは本当に恐ろしいです。中国の一人っ子政策は小学校の頃に授業で習いました。その政策が今の時代に中国に大きな問題を起こしているのは驚きました。いずれ日本も、このままだと中国のような問題を抱えた人材が増える可能性が大きいと思います。何度も同じ台詞なんですが、本当に早く教育を見直す必要があります。

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