よく「国土地理院」という言葉を聞きますが、実際はどんな組織で、何をしているところか一般の人にはよくわからないところがあります。その一番大切な仕事は、「様々な観測に基づき、地球上における我が国の位置(経度・緯度・高さ)の基準を定めています」簡単に言うと、正確な日本の位置を決めているようです。それは、社会経済活動を円滑に行うためだと書かれてあります。
実際は、どのようにして位置を決めているのかというと、星を利用した天文測量によってですが、それは明治25年(1892年)に日本独自の測地系に基づいて設置されているのですが、なんと、この日本独自の日本測地系から決めていたのを、世界共通の世界測地系によって決めるようになったのは、つい最近の平成14年(2002年)4月からだというのです。
では、高さの基準はどのようにして定めているのかというと、東京湾での潮位観測結果をもとに、明治24年(1891年)に決められているそうです。そして、日本水準原点の標高は、当初24.5000mと定めていましたが、関東大震災により地殻変動が生じたため大正12年(1923年)に24.4140mに変更したようです。
このように国土地理院では国土を測り、それを地図で表すことが仕事の中心ですが、今は、その地図もインターネットにより提供するようになっています。地図といえば、何の施設かを表す地図記号というものがあります。今、国土地理院で決められている地図記号は、全部で161種類です。この地図記号は外国にもあるのですが、そのものの形を記号にしたものが多いようですが、時代の変化とともに見直しが行われ、少しずつ形を変えてきているようです。また、時代によって新しく地図記号を追加したり、使われなくなった地図記号は削除されたりしています。また、記号の形は変わらなくても、呼び方が変わっているものも多くあります。風車や老人施設などの記号は、平成18年に生まれていますし、牧場は昭和40年に、塩田は昭和61年になくなっています。
地図記号の中で、皆がよく知っている記号に温泉マークがあります。その由来には、「温泉の記号は、温泉法という法律で決められている温泉や鉱泉をあらわします。記号は、主な温泉のでているところの場所をあらわしますが、温泉のでている場所と浴場が離れている場合には、浴場の場所にも表示することがあります。この記号は、泉源の湯壺と湯けむりを組み合わせて記号にしています。」と書かれてありますが、意外と厳密な決まりがあるのですね。
ところで、先日の日曜日に訪れた群馬県磯部温泉は、1783年の浅間山の大噴火で湯量が増したといわれていますが、時代を経るに従って次第に少なくなっていっているそうです。また、温度も24℃しかないために、沸かして使っていましたが、最近、新しく掘られた新源泉はこれよりも温度が高く、52℃あるそうです。この町の通りの看板に「温泉記号発祥の地」と書かれてありました。

それは、1661年に江戸幕府からだされた地図に2箇所温泉マークらしき記号が存在しているからです。このマークの発祥の説は何種かあるようですが、その記号が地図上に表れた年号を見ると、やはり磯部温泉が早いかもしれません。磯部駅ロータリーには、温泉マーク発祥の地の石碑が建っていました。

石碑の温泉マークは味があっていい感じですね。イメージとしては今の温泉マークの方が温泉らしいですが、最初のマークと考えると、それを考えている人の姿が浮かんでくるようです。
ちょっと驚いたのは、日本の位置が最近まで世界共通のもので決まっていなかったことです。どれだけ違いがあったのか気になりますが、それしか知らなくても問題はありませんでした。気づかないだけで、狭い世界にいたということは他にもあるのかもしれません。
山歩きの楽しみの一つが、登山の後の温泉ですね。特に山小屋を利用しての縦走の時は、風呂に入れませんので、山を降りたら温泉が待っているという予定を組みます。北アルプスの燕岳の麓の中房温泉や、朝日岳登山口の蓮華温泉は特に印象に残っています。黒部源流の最奥の地、水晶岳の麓標高2,100mには高天原温泉という秘湯中の秘湯があります。本格的な登山で途中山小屋で一泊しないとたどりつけないから、いまだに行ったことがありません。ここの露天風呂に浸かって、冷えたビールを飲む…。う~ん、至福のひと時でしょうね。
「国土地理院」で、かつて従事していた学習塾の塾生のことを思い出しました。中学生でしたが、大きくなったら「国土地理院」に勤めたいと将来への夢を語っていました。地図を見ることが好きな子でしたね。中高と関わりましたが大学は「地理学科」に希望通り進学しました。今、どうしているでしょうか?今回のブログを読みながら思い出したところです。私は地図を見ることも好きです。ですから地図帳を息子と見ることもよくあります。「地図記号は、全部で161種類」とあります。これはしっかりと覚えておきたいですね、息子が地図を学習する頃までには。「161」は無理かな。ところで、今回の写真も青空が背景ですねぇ。きれいですね。山の形は浅間山。私のお気に入りの山の一つです。雪を被った浅間山、美しいことでしょう。
石碑の温泉マークは、見た瞬間は温泉のマークとは正直分かりにくい感じです。しいて言えばイカやタコなどの軟体動物に見えるは、私だけでしょうか…。ただ、車で道を走っている時に、とくに山道など温泉のマークを見つけると、なんだかホッとする気持ちと、ちょっと浸かって行こうかな?という気分になります。そんな温泉の記号も普段見ると、あそこに温泉が出ているのだな。と思うだけでしたが、案外ちゃんとした決まりがあるのですね。