江戸情緒

 今日は、新宿の賀詞交歓会に行ってきました。朝、職員に「賀詞交歓会」に行くと言ったら、ほとんどの人がその言葉を初めて聞いたようでした。「賀詞」というのは、お祝いの言葉のことで、「交歓」は、歓びを交ぜるということで、新年のお祝いをお互いに交わし合い、新年の喜びを分かち合うことです。会社なら、よく行いますので、知っている人が多いかもしれませんが、普通はあまり馴染みないかもしれません。私も、あまりそのような会に出ることは少ないのですが、今日は、たまたま来客の予定もなく、園としての予定もなかったので、どんなものか出席して見たわけです。
出席してみてとてもよかったことがあります。まあ、挨拶(それも思ったよりも短く助かりました)はあるとして、そのあとの出し物がとてもよかったです。ひとつは、新宿の名誉区民である「鶴賀若狭掾」氏の新内節浄瑠璃による新内舞踊でした。この新内節は江戸浄瑠璃の一つで、彼が流祖で、流し・座敷での演奏を中心に独自の発展をとげました。彼の歌は、切々たる哀調を帯び、その伴奏の三味線も泣くように弾きます。また、その舞は、松の扇子を持って3人で踊り、充分と正月気分と、江戸情緒を堪能しました。
もうひとつの出し物は、江戸消防記念会の「木遣り」でした。
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もともとは、「木遣り」とは木を遣り渡す(運ぶ)という意味で、重い木や石を大勢で運ぶ際、息をあわせるために一人の号令にあわせながら運びました。この号令の役目となったのが、木遣り唄といわれています。そして、のどのよい者たちが酒宴などで披露するようになり、次第に祝唄としての性格を持つようになっていきました。
江戸では、町火消しの鳶たちのたしなみとして発展し、棟上や祝儀、また祭礼などの練り唄に転用されていきました。寛政年間、町火消しの神田よ組にいた喜六、弥六という木遣り名人の兄弟がいました。兄は声でほかに並ぶものがなく、弟は節上手であったそうです。木遣りは、音頭を出す木遣り師と受声をする側とで構成されていますが、木遣り師をアニ・オトと称するのは、この名人たちに由来するとされています。そして、江戸独特の木遣り唄が生まれたのです。そして、この江戸木遣りを、江戸消防記念会が、纏や梯子乗りとともに今日も毎年1月6日に行われる消防出初式を始め、神田明神や日枝神社の祭礼などや、各地の建前、地鎮祭、劇場のこけら落としなど、お目出度い行事の席上で、祝儀の歌として歌われ、その行事に華を添えています。また、江戸文化を外国に紹介する催事に関しても、纏振りや梯子乗りと共に木遣り歌を披露して国際親善に貢献しているそうです。今回の出し物でも、兄木遣り(アニ)と弟木遣り(オト)は交互に声を出し、かけあいをするように、朗々と唄い上げていきました。
 普段ですと、「賀詞交換会」のような儀式的なものは苦手ですが、あまり毛嫌いをせず、なんでも出てみるものですね。寺子屋などの江戸時代の教育を調べるだけでなく、その時代の文化や、江戸情緒を味わうことが、その時代を理解するうえでは大切なことだということを学ぶことが出来ました。

江戸情緒” への4件のコメント

  1. 今年は、天下の奇祭「諏訪の御柱祭」が7年ぶりに開かれる年です。ヒノキの大木に男たちがまたがって、急坂を勇壮に落ちていくので有名です。けが人は当たり前で、時には死人も出るとか…。命がけです。この御柱祭でも木遣りが唄われます。
          ヤァーレー奥山の大木 里に下りて神となる
          ヨーイサ ヤレヨーイサ
          ヤァー山の神様 お願いだ
          ヤァー男綱女綱で お願いだ
          ヤァーここは木落とし お願いだ
          ヤァー用意ができたで お願いだ
          ヤァー心を合わせて お願いだ
          ヤァーレー恋に焦がれし 花の都へ 曳きつけ
          山の神これまで 御苦労だ 元の社へ 返社なせ
          ヨーイサ ヤレヨーサ
    いいですね。一度テレビで見たことがありますが、かなりの高音で、地元では歌うのではなく「鳴く」というそうです。日本の民謡の旋律とはかなり異なっているので、大陸から伝わったという説もあるそうです。

  2. 賀詞交歓会という言葉は初めて知りました。木遣りもです。そういえば、地元でも節目には文化的な催し物が行われています。地域の背景を知る意味でもこうした行事に足を運んでみるのもいいかもしれません。それ以外にも、「毛嫌いせずに参加したり行動すること」には、おそらく意味があるんだろうと思います。毛嫌いが過ぎる私としては考えさせられます。たとえそれが自分の考えと大きく違っていたとしても、その出会いによって自分の考えを再確認できるでしょうし、だとすれば様々なものと出会うことは自分と向き合うという意味もあるかもしれません。そんなことを考えさせられました。

  3.  「新年会」は実際に行いますので知っていますが、「賀詞交歓会」という会は始めて聞きます。実際には新年会と似たような形の会なのでしょうか。私自身、決まりに決まった忘年会や新年会というのには参加した事がありませんので、一度は参加し、経験するのも勉強になると思いました。先日たまたま朝のニュースで「木遣り」の特集をしていましたので、木遣りの存在を知ることができました。たまたま朝のニュースを見ていたから知ることができたものの、実際には「木遣り」は始めて聞く物です。普段、滅多に参加しないような会にも参加する事で、色々と知ることができ、勉強になるのですね。

  4. 私の地元の町でも仕事始めの日に新年を祝う会が町主催で行われていました。その会は「新年交賀会」と称され「賀詞」を交える会です。所変わると「新年賀詞交歓会」となります。新年の祝詞を賀び、かつ新年を迎えた歓びを交える。なんとも目出度い限りです。出し物もいいですね。江戸の文化を継承しようという意気込みが感じられます。いわゆる「新年会」が各地で催されていると思いますが、今回のブログを読むと、「新年会」を催す意味が見えてきます。新年を無事迎えられた歓びを「所属感」に繋がる伝承文化で寿ぐ。私たちも「新年会」を開催しました。「挨拶」と「新年の抱負」を分かち合いました。そしてリクリエーションには「書初め」がありました。しかもコラボ書初め。職員の企画力に今年の弥栄を感じた一日です。

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