なぞなぞ

 最近の子どもたちは、テレビゲームなど一人で遊ぶことが多くなりました。しかし、子どもが他の子どもを相手に遊びことの必要性が、脳の問題やコミュニケーション能力などの問題で言われてきています。かつては、子ども同士で遊ぶことが多かったのですが、少子時代で、兄弟の数は少なくなり、地域に子ども集団がなくなりました。
 昔から集団が必要だった子どもの遊びは様々なものがあります。その中で、今でも子どもたちの間で人気のあるものに「なぞなぞ」があります。この遊びは、問いかけに対して、とんちを利かせた答えを要求する言葉遊びを用いたクイズですので、コミュニケーション力をつけるのには最適です。また、普通のクイズとは違って正解は事実に基づくものではなく、言葉の意味をこじつけた駄洒落・洒落が多かったり、韻を踏んでいたり、何かにたとえられたりすることも多いので頭を使います。人と触れ合い、頭を使うので脳が活性化しますので、ボケ防止にも最適だと言われています。
 このなぞなぞは、日本では、室町時代に広く民間に普及しました。それまでは、上流階級の間で和歌などを題材とした一種の言葉遊びのような形式のなぞなぞが作られていました。この言葉遊びは、戦国時代の後奈良天皇の御製による『後奈良天皇御撰何曽』が残されています。しかし、民間に普及したなぞなぞは、シンプルな掛詞がよく使われ、そのまま江戸時代にも伝わりました。そのなぞなぞが寺子屋の勉強にも使われていました。それは、この言葉遊びは、当時の子どもたちにとっても和歌よりも楽しかったに違いありません。
 「なぞなぞ」とは、「何ぞ何ぞ」という言葉かが由来です。今でも、なぞなぞを出した後に「何だ」という文句を「なーーんだ」と節をつけて歌うように語ることがあります。世界では、フェキオン山のスフィンクスが通りかかる人間に問いかけたという「朝は四本足、昼は二本足、夕は三本足。この生き物は何か?」というなぞなぞが有名ですが、日本では、どんななぞなぞがあったのでしょう。西田知己著「寺子屋の楽しい勉強法」の中に室町時代の「なぞたて(謎立て)」が紹介されています。
 「十里のみちをけさ帰る」この問題を読んで答えがわかるでしょうか。答えは、「濁り酒」です。10里の道は5里の2倍なので、九九の要領で「二五里(にごり)」ということで、「けさ」が「(ひっくり」かえる)ということで「さけ」になります。ですから「にごりざけ」」となります。次の問題は、「三里はん」です。3里半は4里に掛っていますので、正解は「寄り掛かり」ということで、座椅子や脇息(肘掛け)です。
 江戸時代には、言葉遊びだけでなく、「判じ物」といって絵入りのなぞなぞもはやりました。「御前なぞはんじ物」も絵入りなぞなぞです。たとえば、この答えは、今でも使うことがあります。問題は、「あたひ(値)をと(取)らぬ渡し守」です。
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答えの絵には、平清盛の弟だった「忠度」の絵が描かれてありますが、忠度(薩摩守)とただ乗りをかけて、車や船などに無銭でのることや、そうする人のことを「薩摩守」ともいいました。
 なぞなぞの最初の問題などは、国語と算数の力が必要なように、遊びには様々な力が必要になります。ですから、子どもにとっての「遊び」には、さまざまな「学び」があるのです。