小豆

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今日は、園ではお餅つきです。3歳以上児には、あえて大人用の重い杵で搗いてもらい、杵の重さと、餅の粘りを感じてもらおうことを意図しています。また、保護者の方何人かにも手伝ってもらいましたが、それは、人手が足りないというよりも、私の子どもの頃の餅つきのように、地域のコミュニティーの中で餅つきが行われ、その周りを子どもたちが取り囲みながら、大人への憧れと、みんなで協力する楽しさを味わってもらおうというものです。
また、搗きたてのお餅をいろいろなものに絡めて食べたのですが、私の子どもの頃は、餅はすべてのし餅やかまぼこ型にして年が明けてからしか食べてはいけないことになっていました。餅は、保存食で、正月に女性が調理など家事をやらなくてよいようにということもあって搗きたてを食べることはありませんでした。園では、「きなこ」「納豆」「大根おろし」「鰹節」そして「あんこ」に絡めて食べます。子どもたちは、昔は圧倒的にあんこに人気が集まったのですが、今は、納豆や大根おろしも人気があります。
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このあんこは、もちろん小豆から煮て作りますが、小豆は、昨日の亜麻と同じようなところがいくつかあります。小豆は、東アジア(中国東部・朝鮮・日本)が原産地で、その字のとおりに「ショウズ」ともいわれています。そして、古来人が常食とする五種の穀物「五穀」(米、麦、豆(大豆・小豆)、粟、黍、または稗)のうちのひとつですが、人間との付き合いは非常に古く、日本では、縄文時代から古墳時代前期までの遺跡からあずきの炭化種子が発見されています。また、静岡県の登呂遺跡からも発見されており、弥生時代には栽培されていたと言われています。また「古事記」や「日本書紀」にも大宣津比売神の鼻からあずきが生えてきた、と言う神話があるほど古くから親しまれた豆です。
また、わが国や中国、朝鮮ではあずきの赤色に魔除けなどの神秘的な力があると信じられ、1年や季節の変わり目、生活の節目の時など厄除けとして行事や儀式などに供され、煮汁を着色料としたり、赤飯、アズキ粥として食されていました。また、栄養価の高さから医食同源(薬用)に食され、独自の風味や色合いから赤飯や和菓子の原材料として親しまれてきました。
あずきは漢方でも古くから利用されていて、生薬名は「赤小豆(せきしょうず)」といいます。主成分は、デンプンとタンパク質で、ビタミンB1が多く含まれており、脚気に効果があります。また、疲労物質の蓄積を防ぐ働きがあるので、肩こり、筋肉痛、二日酔い、夏ばてに効果があり、母乳の出をよくする効果もあります。また、腸の働きを刺激するサポニンと食物繊維が豊富なので、利尿や便通をよくします。尿がよく出て、むくみもとれるので、心臓病、腎臓病にもよいとされています。また、サポニンは、中性脂肪の値を下げるのでダイエット効果抜群です。また、老化による皮膚のシワやシミ、動脈硬化の原因になる「活性酸素」を抑えてくれる「ポリフェノール」がたっぷりと含まれています。ほかにも、皮膚にはれものが出来た時は、あずきの粉と大根おろしを一緒に練って、ガーゼにのばし、皮膚の腫れたところに湿布すると、大根の冷やす作用と小豆の消炎作用で腫れがおさまると言われています。また、亜鉛や鉄分も多く鉄欠乏性貧血に良いので、不妊症や味覚異常者にもいいようです。
そして、あるように小豆色と言う色がありますが、この色も、花の色ではなく、実の色で、紫味を帯びた赤褐色のことをさし、ラセットブラウンともいいます。昔からお手玉の中に入れた小豆は、人間との長い付き合いの歴史が物語るように、とても人間にとって貴重な存在です。