室内緑化

 目に入る景色の中で、そのくらい緑があるかということを「緑視率」と言い、その率がだいたい25%あると人は緑が豊かだと感じ、精神的にもよい影響を与えることを、昨日のブログで紹介しました。ということは、屋外空間だけでなく、室内空間にも言えるようです。室内を見通したときに、どのくらいの率で目に緑が飛び込んでくるかで、精神的な効果が違うようです。
 コクヨと愛媛大学の共同実証実験結果によると、オフィスに植物を置くと時間の経過とともに親しみを感じる人が多くなり、緑視率が高いほど「あたたかみがある」「親しみやすい」「落ち着く」「自然だ(潤いがある)」と感じる人の割合が高く、「アメニティ効果」「疲労感をやわらげる効果」「癒し効果」など、心理的な快適性を高める効果が期待できるようです。
そして、植物が撤去されると喪失感・ストレスを感じる人の割合が高くなりますが、室内の場合は、逆に緑視率が高すぎても、緑が多すぎる、うっとおしいと感じる人の割合が高くなるようです。このような結果からわかるようにある程度室内に緑のものを置くことはオフィスでは仕事の能率が上がり、保育室や教室では子どもたちの精神的な効果がありそうです。しかし、日本ではあまりそのような空間構成はされていません。ドイツに行くと、保育室や小学校の教室にはずいぶん緑のもの、観葉植物があります。
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ドイツの小学校の教室
そのほかにも、ロフトとか、子どもたちが潜り込める空間とか、様々な空間が子どもたちのために用意されています。
今、日本では、保育室の面積の最低基準が緩和されるかどうかが議論されているところですが、今まで、日本では、どうも保育者がどうかという議論に比べて、保育室空間がどうであるかという研究がされてこなかった気がします。ですから、最低基準を守ろうというだけで、その面積が子どもの育ちにはどういう意味があり、なぜ、その広さなのか、広さだけではなく、その空間には何が必要であり、それを置くためにはどのくらいの広さが必要であるかという説明が苦手のような気がします。
最近の研究では、オフィス空間におけるものではありますが、そこに植物を配置する場合には、オフィス空間の持つ役割、目的に応じた緑の量、種類に注意しながら、緑視率に配慮して配置設計することが重要だということがいわれています。オフィスのグリーンアメニティ効果を最大限に発揮させるには、それぞれそこで仕事をする人が目にする緑の量を、近景、中景、遠景でバランスよく緑を配置するとよいといいます。
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    ドイツの園長室
そして、子どもと環境の関係と同じで、そこにあるからいいのではなく、「主体的に植物にかかわること」が大切であることから、自分のデスクなどで植物を自ら積極的に育てる能動的にグリーンとの接することで、心理的な効果(園芸療法的効果)が高まると言われています。そして、各自のデスクに植物を置く時に、自分の好きな植物を選べることや自分で世話をして積極的に植物と関わり合いを持つことでよりその効果は大きくなるといわれています。
それは、植物を自分で世話をすることにより植物に愛着がわきます。そして、世話を怠ると枯れてしまい、枯らさないために穏やかな義務感が生じるため、仕事に集中しすぎる意識がふと緩みます。その際、仕事による過度なストレス状態が少し緩和されることから、ストレス緩和をすることができるのです。
この考え方を保育室にも応用したいものです。
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   ドイツの保育園のトイレ

室内緑化” への4件のコメント

  1. 緑のない空間に緑を配置する際は、ただあればいいのではなく、バランスやそれをどう意識するかが大事だというのがよく分かります。能動的に緑に働きかける仕掛けを考えていくのもおもしろそうです。世話をするにあたって枯らさないための穏やかな義務感というのもおもしろい考え方ですね。園舎内の緑に関して、近景・中景・遠景でのバランスを考えたりして配置してこなかったので、もう一度全体を見直してみようと思います。ただ採光に問題があるのか、気候などの違いなのか、世話の仕方が悪いのか、ドイツの写真のように青々と茂ってくれないのが悩みです。

  2. 藤森先生から、日本の保育には「教育」と「養護」以外に「陶冶」の概念が必要だと教えていただきました。ドイツの園長室や保育園のトイレの写真を見ると、その意味がわかるような気がします。「教育」と「養護」は、子どもに対して保育者がどう関わるかがテーマですが、「陶冶」はその言葉自体が動詞にならないことからわかるように、子どもと環境の関係がどうかという議論になってきます。よく先生方が、子どもたちが落ち着かなくて困るとおっしゃりますが、それを親のせいにするのではなく、お部屋のレイアウトを子どもたちの動線に合うように変えるとか、緑の植物を配置するとかすればいいのにと思います。まずは、園長室に緑を!頭を冷静にすれば保育も変わるかも。

  3. 屋内に緑があり、屋外にも緑。緑という色は私たちに「平安」「安寧」そして「慈悲深さ」をもたらします。子どもを育てる環境に緑色が必要なことはいうまでもありません。世の中は子どもたちを邪悪な方向に導こうとする勢力でひしめいています。それ故、その導きに誘惑されないよう「緑」を意識した住環境の設定が重要だと思います。保育室内の緑はもとよりトイレにも緑を配するドイツの試みを私達は参考にすべきでしょう。日本という国は緑豊かな国です。従って緑を所与のものとして意識しない傾向があるような気がします。緑を意識的に取り入れる。しかもペイントや壁の人口的な配色ではなく樹木によって本物の緑を取り入れる必要があります。それが子どもたちに平和の心をもたらす必須の環境だと思います。園長室の緑は重要ですね。園長がイライラカリカリ悩みぱっなしだと全体がイライラカリカリ悩みの渦に巻きこまれますからね。保育室や教室、園長室や校長室の緑環境づくりを意識して実施することは大切ですね。

  4.  もちろん、屋外だけでなく、室内にも緑の植物を置く事で、様々な効果を人にもたらすのですね。ただ、植物を置き過ぎると、逆効果をもたらすので、気をつけなければいけません。そして、保育室に置くことで、子どもが自分から植物に関わり、水やりなどを通して、興味をもち、植物の世話を始めるのも、子どもにとって大切な事だと思いました。写真のドイツの小学校、園長室、トイレはとても植物が多いですね。そのおかげで、先生も子どもも、心に余裕を持って、生活を送る事ができるのかもしれませんね。

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