山に行ったときに、とてもすがすがしい気分になります。目の前に一面の緑があるからです。
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それに比べて、都会に行くと目に入るのはビルばかりです。緑は点々としか目に入りません。しかし、私の園は、テラスに出て裏を見ると、視界に入るのは緑に覆われた公園です。そこで、一日に一回はその緑を見たくなります。
目に見える景色を写真に撮ったとします。たとえば、六本木にある毛利公園で写真を撮りました。
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その中で緑がどのくらい占めているかで、見た感じ「緑が多くていいですね。」と言われます。このように「見た目の緑の豊かさ」を判断する指標として「緑視率」という数値を使うことがあります。それは、人が認知する緑の量を数値化したもので、人の視界にどれだけの量のグリーンが入ってくるかを%で表したものです。たとえば、屋外では、商業地や市街地の緑視率はおおむね0?10%、庭木が整備された住宅地の緑視率は10?20%、生け垣が整備された住宅地の緑視率は20?30%、計画的な住宅団地や街路樹が整備された工業地の緑視率は30%以上であると言われています。そして、その緑視率がどのくらいで人は緑が豊かだと感じるかというと、国土交通省調査の資料によれば、屋外では、おおむね緑視率が25%以上だといわれています。
平成17年から18年にかけて国土交通省では、「都市の緑量と心理的効果の相関関係」の社会実験調査を行いました。これは、都市の緑には、日射を遮り地表面被覆を改善するなどにより都市の熱環境を改善する機能があることが認められていますが、そうした物理的効果に加え、人間にとってのうるおい感や安らぎ感を向上するなど、快適性を高める心理的効果としてどうなのかという調査です。その結果、緑視率が高まるにつれ、潤い感、安らぎ感、さわやかさなどの心理的効果が向上することがわかりました。ですから、目に入る緑が多いというだけで、真夏日の不快感をやわらげるのに役立つようです。ですから、緑を多くすることで期待されることは、「清涼感が高まる効果」「アメニティ(快適性)が高まる効果」「疲労感をやわらげる効果」などの心理・生理的効果の期待が高いという結果になったのです。そのほかにも、都市の緑は、「人々をひきつける効果」も期待されていると言われています。
また、屋上緑化の効果に対する期待度は高く、また、9 割の人が屋上緑化を希望しているそうです。それはなぜかというと、「清涼感が高まる」「温暖化をやわらげる」「疲労感をやわらげる」などすべての効果について期待度が高く、「季節の花や緑を観賞する場所」「ガーデニングを楽しむ場所」など花や緑に関わる要望が半数以上を占めたほか、「家族で団らんできる場所」「子どもが遊べる場所」「コミュニティ活動の核となる場所」など、家族やコミュニティの交流の場としての活用も望まれています。ですから、屋上緑化は、単にヒートアイランドの緩和を目的とした緑化空間であるだけでなく、人々のさまざまな活動の場所として求められていることがわかります。
 ほかのデータでも、人は緑化空間でストレスの解消、騒音感の減少、季節感の創出、 自然と触れあうことによるやすらぎ感の向上などを得ることが期待できる。視覚効果として、 植物を見たときのリラックス感の向上 し、聴覚的効果として、緑視率が増加すると心理的な騒音低減効果量も増加することが認められています。緑があるだけで、暑さも和らぎ、うるささも気にならなくなるそうです。