雑巾がけ

 最近の子どもたちは、転んだときに顔を床にぶつけてしまって、先に手を床につけない子が多くなりました。また、床に腹ばいになった時に、手で上半身を起こすことが出来ない子も増えてきました。この理由の一つには、0歳児のころに十分ハイハイをしないで、すぐに立ち上がってしまう子が多いからと言われています。早く立ち上がるのが偉いと思ったり、部屋が狭くて、すぐにつかまり立ちをしてしまうとか、保護者が子どものそばにいるために、その木にしがみついてつかまり立ちをしてしまうことなどが原因と言われています。
 また、子どもたちは、少しの段差でもよくつまづきます。それは、バリアフリーと言って、いつも平らなところを歩きなれているからです。また、つまづいたときに、とっさに、足が前に出れば転ばなくていいのですが、足がとっさに前に出ません。そして、家具の角などに顔をぶつけたりすることが多いので、家具の角にはゴムが貼られ、最近は、壁や床にもマットが貼られているとこともあるようです。
 子どもの事故を防ぐことは大切ですが、それを環境によって防ぐと同時に、自ら防ぐ力からもつけていってあげなければなりません。そのために、園では、5、6歳児は、給食の後に雑巾がけをしています。雑巾がけは、腹筋が強くなること、手を床につくことができるようになること、足が前に素早く出ること、手で上半身を支える力をつけることなどに効果があると言われています。もうひとつ、部屋をきれいにするという動機と意欲が生まれてくるからです。昔から、いろいろな家事をこなすことで、体のさまざまな部分を発達させていました。しかし、やっている本人は、そのような効果を目指していたわけではなりません。きれいにしよう、快適にしようという動機が必要ですが、もうひとつ、子どもたちのモチベーションを高める工夫が必要です。そこで、先生たちは、雑巾がけのリレーのタイムを計り、ある架空の引越センターと競争をすることにしたのです。
 実は、愛媛県西予市宇和町で、宇和町小学校の改築の際、第一校舎が現在の高台に保存され「米博物館」が誕生しました。そこには、109mの長い廊下がありました。平成11年、ある二組のカップルがここを訪れました。そして、こう言ったのです。「この長い廊下、ぞうきんがけしていいですか。」という問いに、当日の日直者が対応、快く準備をしてあげます。その盛り上がった様子を聞いた館長以下職員は、この保存校舎を守っていく手段にと、この長い廊下を使っての「ぞうきんがけレース」を開催することにしています。それが、「Z?1」と名付けられています。Zは、いうまでもなく雑巾の頭文字です。レースは、小学生以下、小学生以下の部ダブルス、一般男子ペア以外の組み合わせ、一般女子、中学生以上の女子、一般男子、中学生以上の男子があり、各レースは2人ずつ(ダブルスは1組)で走ります。スタート時は、壁に足を付け(片足で可)スターターの合図でスタートします。そして、ゴールは壁に雑巾が付いた時点で、そこまでのタイムを計測します。フライングは3回で失格。また走路妨害と認められた場合も失格。そして、レースははだしもしくは上履きを着用し、怪我防止のため、膝当て(主催者用意)を着用します。使う雑巾は公式雑巾を使用し、カラ拭きでレースします。こんなレースで行われた結果、2008年の最速記録は、18秒29でした。ずいぶん早いですね。それにしても、同じようなことを考える人がいるものです。