小学○年生

 テレビコマーシャルで一世を風靡したものに、小学館の「ピッカピカの1年生」シリーズがあります。いろいろな地方の独特の方言や、男の子や女の子たちが照れながらピカピカのランドセルを背負ったもうすぐ1年生の姿に、1年生になる喜びがあふれていました。そして、増刊扱いの「入学準備 小学一年生」を買うことによって、小学生になるのだという自覚を持つようになるというCMです。そんな、小学生になじみのある「小学○年生」という雑誌について、「小学五年生」「六年生」休刊へというニュースが流れました。
 10月26日の産経新聞によると、「小学館は26日、学習雑誌『小学五年生』『小学六年生』を平成21年度いっぱいで休刊すると発表した。両誌は大正11年に創刊。最大発行部数は、五年生は63万5千部、六年生は46万部をともに昭和48年4月号で記録したが、最近は高学年児童の関心の多様化などから需要が減少し、部数は5万部から6万部で推移していた。」ということのようです。ということで、五年生は来年2月3日発行の3月号、六年生は今年12月28日発行の2・3月合併号が最終号となるようです。この事情について、小学館広報室は「近年の社会状況や学習環境の変化はたいへん大きく急激であり、子供たちの趣味や嗜好の多様化が進み、情報も細分化されている。(2誌が)大きな時代の変化と読者のニーズに必ずしも合致しなくなった」とコメントしています。いかにも時代だと思いますが、その休刊の2誌に代わりには、22年春から学習マンガ誌『GAKUMANPLUS(仮題)』を創刊予定だそうです。ただ、「小学一年生」から「四年生」は来年度以降も発行を続けるようです。どうも、子どもたちの趣味や嗜好が大きく変わってきたのは、小学校高学年のようです。
 これらの雑誌の歴史はずいぶんと古いので、お世話になった人の年齢層は相当広いでしょうね。「小学五年生」と「小学六年生」は、大正11年(1922年)に送還されていますが、大正13年には、「小学四年生」が創刊され、大正14年に、「セウガク一年生」「セウガク二年生」「セウガク三年生」が創刊され、全学年がそろいました。しかし、いろいろな歴史をたどると、必ず戦争が影を落としていきます。昭和16年に、小学校が国民学校と改称したために、誌名も「国民○年生」に変更されています。次の年の昭和17年には、戦時統制により、「良い子の友」と「少国民の友」に統合されてしまいます。
 戦後まもなくの昭和21年、「小学一年生」から「小学六年生」が復刊します。そして、昭和55年から平成6年までの間、「ピッカピカの一年生」(電通の杉山恒太郎の発案)がテレビから流れるのです。そして、次第に幼児教育が重視され、昭和57年には、「学習幼稚園」が創刊されています。
 これらの雑誌は、私の子どもの頃は、学習誌でしたが、次第に娯楽性を増していきます。そして、掲載されている主なものが、4年生くらいまでは、連載漫画やアニメのキャラクター、5,6年では、アイドル歌手や人気女優の写真を使うようになっていきました。そんな紙面からは、様々なヒーローが生まれています。鉄腕アトムアニメ第1作は、1963年の「一年生」から「三年生」に登場します。また、オバケのQ太郎、 ロボタンシリーズ、快獣ブースカ、パーマン、悟空の大冒険、冒険ガボテン島、おらぁグズラだど、ウメ星デンカ、いなかっぺ大将なども登場します。この中には少年サンデーなどから参加したものもありますが、朝日新聞から参加したものに「サザエさん」があります。
 これらどの名前を見ても懐かしいですね。その生みの親であった雑誌が休刊になるのも時代かもしれません。

小学○年生” への4件のコメント

  1. 小学生の学習誌市場は、学力増強に特化した「進研ゼミ小学講座」の一人勝ちで、「小学○年生」とともに一世を風靡した「科学と学習」も苦戦が続いています。子供たちの勉強と娯楽への欲求を同時に満たしてきたという点では、これらの総合学年誌は日本の教育に大きな足跡を残したと言えます。ただいかんせん、歴史が古いだけに、新しい時代への対応が後手に回ってしまった。かたや保育園の世界でも、創立○十年の伝統を誇る園よりも、新しくこの世界に飛び込んできた園のほうが、藤森先生の保育を抵抗なく受け入れてくれます。そんなチャレンジ精神を忘れない園をどうしても応援したくなります。

  2. はっきりとではありませんが、「小学一年生」は覚えています。これらもだんだんなくなっていく方向なんでしょうか。時代が変化していることを感じます。小学生の嗜好などがどのように変化しているのか詳しく知りませんが、どんなものが残ったとしても、私たちと同じように、大人になったとき懐かしく思い出したりするんでしょうね。そんなことを考えていると、自分がどんどん子ども時代から離れてきていることを実感します。なんだか複雑です。

  3. 小学館の「小学生」シリーズには懐かしいものがあります。定期購読するほどではなかったのですが、その学年その学年で購入してもらえる時は買って読んでいました。「平成21年度いっぱいで休刊」のニュースは私も新聞で知りました。残念という気持ちよりも先に、まだ刊行されていた、という事実に驚きました。中学時代にお世話になった学研の「中学コース」や旺文社の「中学時代」「高校時代」はすでに廃刊になっていたからです。「大きな時代の変化と読者のニーズに必ずしも合致しなくなった」という小学館さんのコメントにはいろいろと考えさせられます。学習に関わる出版社のコメントは今の教育界のみなさんにはどう響くのでしょうか。「変化とニーズ」に対応していると教育界は答えることができるのでしょうか。今回のブログを読みながらいろいろと考えました。

  4.  おそらく今でも流れているコマーシャルかと思いますが、最近は全く見なくなりました。この雑誌を聞いて思い出すのは、正直悔しい思い出しかありません。それは、一度も買ってもらった事が無かったからです。いつも本屋に行くと欲しくて母にねだっていました。
     そんな雑誌も廃刊になる時代になんですね。それだけ子どもの興味というのが、時代と共に変化していくのですね。ただその興味があることが、アイドルやアニメのキャラクターが大半かもしれませんが、うまく植物や動物、もちろん学校で学ぶ事などの方向に示してくれるような戦略があれば面白いと思いました。でも実際はアイドルやキャラクターが表紙のおかげで売れていると考えると、頼るしかしょうがないのかもしれません。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です