漢字

 最近の新聞紙上は、漢字が話題になっています。そのひとつは、ブログでも書いたように、今日から読書週間が始まり、その初日である今日は、「文字・活字文化の日」だからです。ですから、今日の読売新聞の社説は、活字文化について書かれています。そこには、電子書籍の利用者について、「利用したことがある」が8%、「電子書籍の普及が読書人口の拡大につながると思う」は44%に上っていることを取り上げ、グーグル社が現在、世界中の書籍をデータベース化し、電子書籍として販売する計画を進めていることを紹介しています。私も何冊か書籍を出版しているのですが、出版社からその承諾についての手紙が来ました。
 そして、社説では、来年が「国民読書年」とする国会決議も昨年採択され、その運動の大きな柱として、子供の言語力向上を掲げているそうです。読書活動は、子供たちの考える力や読解力を育んでいく上でも欠かせず、多感な時期に出会った書物は、その後の生き方や考え方に大きな影響を与えるだろうと言っています。
もうひとつの話題は、今月23日に「新常用漢字表(仮称)」に関する試案を審議している文化審議会国語分科会の漢字小委員会が、試案の修正案を承認したというニュースです。この承認された追加字種候補は、196字です。また新漢字表の名称は常用漢字表を踏襲することになりました。たとえば、新たな追加字種候補には、哺乳の「哺」、楷書の「楷」、親睦の「睦」、「釜」、禁錮の「錮」、賄賂の「賂」、勾配の「勾」、毀損の「毀」などです。逆に外されるのは、忌憚の「憚」、哨戒の「哨」、諜報の「諜」などです。これによって、常用漢字表は、2136字になります。
 もうひとつの話題は、民主党が掲げる「子ども手当」についてです。これは、その手当がどうということではなく、「子ども」か「子供」かという議論です。10月12日の 産経新聞でそれを取り上げています。この筆者は、「「子供」と「子ども」とは別の概念だ。小児または小児らを指すのが「子供」で、「子ども」は「子+複数を表す接尾語ども」を表す書き方だ。なるほど「子ども」と書いても、この「ども」に複数を表すという意識はもうほとんど薄れている。だからといって、この接尾語「ども」が完全に滅んだかといえばそうではない。野郎ども、アホども、子供どもといえば複数概念がちゃんと生きていることが分かろう。この「ども」には、相手を見下すニュアンスがある。だから、「子供」よりもよほど子供を侮った書き方なのである。」
 どうしてこんな議論が起きるのかというと、一部の人に、「供」はお供の供で、子供を供え物のように扱う人権無視の書き方だという人がいるからです。
 また、24日付読売新聞編集手帳でもこの話題を取り上げています。読売新聞のこの欄では、国民の祝日〈こどもの日〉を除き、もっぱら「子供」と表記してきたそうです。英文学者、柳瀬尚紀さんの著書の一節を紹介しています。「〈(差別だとは)…お笑いです。「子ども」では「ガキども」「野郎ども」「男ども」「女ども」を連想して、かえって子供に申し訳ない。ぼくはずっと「子供」で通しています。(新潮社「日本語は天才である」」
 民主党が打ち出した「子ども手当」は、思わないところで議論を呼んでいます。

漢字” への4件のコメント

  1. 日本語の言葉は、時代を経るごとに元々の意味が変わってくることはよくあることです。例えば「貴様」という言葉は、中世末から武家の書簡で用いられた語で、文字通り「あなた様」の意味で敬意を持って使われていたのが、次第に尊敬の意味が薄れて現在では、「貴様?!」と罵倒する時に使うこともあります。「こども」が昔は「子・ども」とかで、複数形や少し見下した言い方だったかもしれませんが、今では、そんなことを意識しているわけではないのであまり深く考える必要はないと思います。それよりも、日本が諸外国に比べて、子どもの人権を尊重していないのではないかと思われることのほうが問題です。

  2.  電子辞書は大学受験のときに、私を含めて周りの友人もとても活用していました。ただ、ある友達は「ボタン一つで調べられる辞書より、ページをめくって調べる辞書の方が調べがいがある」と言って反抗していた友人を思い出しました(笑)
     確かに「子ども」か「子供」の違いはなんだろうか?と疑問に思った事がよくあります。個人的には「子ども」の方をよく使います。理由は単純で「ども」の方が可愛らしい気がするという理由なんですが・・・それが侮った書き方と捉えられるとは、思ってもいませんでした。だからと言って「供」もそれなりの反対理由があるそうですね。正直、今回のブログ読んで、どちらが良い表現なのか分からなくなりました。本当にどちらが良いのでしょうか??

  3. 「子ども手当」は本当にいろんな意味で注目されているんですね。子供か子どもかという漢字の問題ですが、私は何となく「子ども」を使っていました。どちらも考えがあるようですが、せっかくなので私もどう捉えるか考えてみようと思います。まあ「子ども手当て」については、どう書くかも大事なのかもしれませんが、ほどほどにしておいてほしいというのが正直な思いです。でもどちらの字に落ち着くのかは気になりますね。

  4. 「子ども」か「子供」か、はたまた「こども」か。なかなか悩ましい表現問題です。私自身どれを使ってよいのやら悩むことがしばしばです。「子」という単数表現は例えば「我が子」というように用い、もし複数なら「我が子等」などと表記されるでしょう。「ども」を用いると複数になり、「子供」の複数形は「子供ども」。そうそう「子供たち」という複数表現もありますね。もっとも「子供」が複数を意味するのであれば「子供たち」は屋上屋を架す、となります。「子ども」の英語表現もさまざまありますが、とりあえず単数形child複数形children。日本の行事「こどもの日」は一般的にはchildren’s dayで複数形が用いられ、「子どもの権利条約」はConvention of the Rights of the Childと単数形が用いられています。実にややこしいことで判断しかねます。もっとも当の「こどもたち」には関係のないことでしょう。大人ならではの議論です。

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