本離れ

 最近の若者は本を読まないと言われている半面、本屋さんにはたくさんの新刊が並び、最近は、2巻合計で220万部を超える大ベストセラーとなった作家村上春樹さんの長編小説「1Q84」が話題になりました。本を読む人が減ったといわれる中、一体だれが読んでいるのだろうか不思議に思います。
 文化庁では,国語施策の参考とするため,平成7年度から毎年「国語に関する世論調査」を実施しています。今年の3月に,日本語を大切にしているか,人とのコミュニケーションについて,読書について,情報機器と言葉についてなど,国語に関する一般の人々の意識を調査するとともに,カタカナ語の認知度・理解度・使用度や慣用句等の言い方・意味について調査しています。その中で、読書についてこのような結果が出ています。
 まず、現在、雑誌や漫画を除いて、1か月に大体何冊くらい本を読んでいるかを聞いた結果は、「1,2冊」が36%、「読まない」と答えた人が46.1%でした。平成14年に同じ質問をしたところ「全く読まない」と答えた人は37.6%でした。この結果を見ると、やはり最近は本を読まなくなっているのは本当のようです。では、どんな年代が読まないかという結果では、20代?50代で「読まない」と答えた人はそれぞれ4割程度で、16?19歳では4割台後半、60歳以上では5割台半ばでした。この結果からみると、最近の若者は本を読まないというのは少し違うようです。ただ、60歳以上は、目が悪くなるので、読むのがつらくなるから読まなくなるでしょうから、多いのであって、結局はどの年齢でも読まなくなっているようです。
では、読んでいる人はどのような本を読んでいるのでしょうか。「小説や詩などの文芸書」(56.6%)、「趣味やスポーツに関する本」(41.3%)を選択した人の割合が高く、「料理など日常生活に関する本」(24.5%)、「医療や健康に関する本」(23.3%)がそれに続いて読まれているようです。この結果を見ると、やはり村上春樹などがベストセラーになるのは分かりますね。では、男女では、読むものが違っているのでしょうか。「生き方や宗教・哲学に関する本」「言語や語学に関する本」以外の選択肢では、男女で8?33ポイントの差があるようです。特に、「料理など日常生活に関する本」では、女性の方が33ポイント高く、まだまだ料理は家庭では女性が担っているのがわかります。逆に「政治や経済に関する本」では、男性の方が28ポイント高くなっています。やはり、男女では詠む本の種類が違うようです。
では、本人は読書量が増えているか減っているかどう思っているのでしょうか。「減っている」が64.6%、「それほど変わっていない」が25.3%、一方,「増えている」と答えた人は8.6%しかいなかったようです。その理由は、「仕事や勉強が忙しくて読む時間がない」(51.2%)、「視力など健康上の理由」(36.7%)を選択した人の割合が高く、「テレビの方が魅力的である」(25.0%)、「携帯電話やパソコン,ゲーム機などで時間が取られる」(14.8%)が続いています。この結果を見ると、最近は必ずしも活字離れということではなく、高齢化社会になって、高齢者の割合が増えたことと、忙しくなって、時間的に余裕がなくなってきたことに本を読まなくなった理由があるようです。ですから、当然、「仕事や勉強が忙しくて読む時間がない」を選んだ人の割合は、20代から40代では7割台半ばから約8割と高くなっているようです。ですから、「増えている」と答えた人の理由は、「時間に余裕ができた」が、47.6%いました。
やはり、本離れは活字離れというよりも、時間の余裕の問題のようです。

本離れ” への7件のコメント

  1. 寝つきが悪いので、寝る前の本は欠かせません。最近は、大学の教科書が多いのですが、先日、ちょっと体調を崩してお休みしたときに、小説を10冊ばかり一気読みしました。18歳以下の子どもが出てくるものを読むことが多いんですが、最近は少子社会のせいか、以前よりも子どもを題材にする小説が多くなったように感じますね。
    息子も読書が大好きなので、週に1度は本屋さんに出かけます。我が家では本にかけるお金がばかになりません・・・。しかも、ネットで本を頼めるという便利な世の中ですので、ますます困ってしまいます(笑)。
    「1Q84」面白いんでしょうか?
    村上春樹さんの本はけっこう読んでますが、ハードカバーなのでまだ手を出してません。早く文庫本になってくれないかな?と思う今日この頃です。
    そういえば、久々の投稿です、私。
    一方的に読んで、いろんなことを勝手に感じてますので、投稿した気分になってました(笑)。

  2. どの年代が本を読まないかというデータは少し意外でした。正しく中身を知らずにイメージだけで捉えていてはいけませんね。
    私が本を購入するのはネットがほとんどなのですが、たまに本屋に行くとなんとも言えない新鮮な感じがします。たくさんの本の中から必要な本を探したり、興味の惹かれる本がないかと探したりしていると、何かパーッと解放されたような気分になります。ドイツの本屋のようにあちこちで座り読みできたらさらに気持ちいいだろうと思ったりもします。本の楽しみはいろいろあります。

  3. 「今どきの若者は・・・」とは太古の昔から言われているようですが、若者=読書離れ、が偏見であったことが今日のブログからわかります。村上春樹さんの『1Q84』2巻合計220万部ということです。しかも短期間に達成された記録で、このこと一つをとってみても、読書離れ?、とは思いますが、やはり実際は読書離れ進行中。原因は「時間の余裕の問題」。ミヒャエル・エンデさんの『モモ』を読んでみてもらいたいものです。私の読書傾向はというと実に多岐に渡る。当臥竜塾ブログも私の読書範疇のひとつです。読書=紙媒体による読書、という見方は最早前世紀の遺物。電子媒体による読書もれっきとした読書。だとすれば、「本離れ」は紙の本離れ、ですね。という意味では今回のブログタイトルが「活字離れ」ではないことは極めて賢明な選択の結果、と思った次第です。

  4. 確かに、本離れがあるように思います。先日、歯医者での待合室が異様でした。すべての小学生(4,5人)が、ゲーム機をもって下を向いたまま無言でピコピコ・・親は、携帯を・・。これからの日本は、どうなるのか?と、不安に。親子で会話をしながら待つでもなく、好きな本を読むでもなく、何だか残念なことです。
    この子達が、これからの人生において、心に残る1冊の本と出合えたら、読書が好きになるだろうなと願ってやみませんでした。
    わが家は、主人も本が好きで、家中、本が溢れています。悩んだ時、本から何かを得ようとし、疲れた時は楽しくなれるようにと、本を手にします。私は、子育ても終わり、自分の時間も多く、休日は早めに掃除を終え、コーヒーを飲みながら、ゆっくり庭を眺め読書をするのが至福の時間です。

  5. 「一書」との出会いが人生を変えることもあります。古くは、ドイツの考古学者シュリーマンは、幼い頃にホメロスの「イーリアス」を読んで感動したのが、トロイ遺跡発掘を志したきっかけだと言われています。最近では、アルピニストで環境運動の実践者である野口健さんは、植村直己の「青春を山に賭けて」との出会いが、それまでの落ちこぼれの自分をエベレストに向かわせたと語っています。読書は新しい知識の習得や心の栄養素になりますが、悩みに直面した時に、これから歩いていく道を指し示してくれる「羅針盤」にもなるものです。人間として生きるためには読書の時間を工夫して作ることが大事ですね。

  6.  前回の私のコメントでは、本はなかなか読まないと書きましたが、就職して働き始めてから、本は読むようになりました。例えば魚の飼育方法や園芸の本、最近は料理の本など、自分の趣味の本を読むようになりました。小説の場合は本の表紙を見て、自分の直感で読んでみたい!と感じた本を読むようになりました。ただブログにも書かれていますが、私の場合、時間の余裕が出来たから本を読むようになったのか?と思うと大学の時の方が時間は山ほどあったのに、その時は全く読みませんでした。前回のブログの最後に書かれていましたが、おそらく働き始めて、世の中で色々な事を経験する事で、心の余裕が出来たのかもしれません。その結果、時間の使い方が少しだけ上手になったのかもしれません。

  7.  いつも楽しく、時には考えさせられながらブログを拝見しています。コメントの書き込みは今回がはじめてです。
     本離れ、確かに統計をみればそうですね。時間の有無、気力体力の有無、他のことへの興味関心の有無など様々な原因があるでしょう。今の時代は選択肢が多いので、何も本を読まなくても楽しいことが沢山あるし、本以外からも必要な情報を手に入れるすべが沢山あるので、本離れはある意味、必然の成り行きだと思います。
     私は本を読むほうですが、その理由に家にテレビを置かないことがあげられます。もちろん人にもよるでしょうが、私はテレビと読書は共通のニッチを奪い合っているような気がします。そして最近はそこにインターネットも入り込んできました。読書、テレビ、インターネット、それぞれ利点、欠点があるのでどれがベストかなど決められません。それでも我が子にはまず、読書から入って欲しいと願います。

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