つた

以前のブログにも登場しましたが、秋の歌で好きな歌に「薩摩忠」作詞の「まっかな秋」があります。その歌詞に「まっかだな まっかだな つたのはっばが まっかだな もみじのはっばも まっかだな」とあるように秋に真っ赤になる代表として紅葉のほか「つた」が挙げられています。
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このツタ属の学名は、「Parthenocissus(パルセノキッサス)」と言いますが、この語源は、ギリシャ語の「parthenos(処女)+ cissos(ツタ)」からもわかるように赤い葉の代表です。このツタは、つる性でどんどん伸びるために山林や岸壁などに自生しますが、街中でも樹木や壁に巻きひげの吸盤で伝う姿をよく見かけます。この「つたう」から「つた」になったといわれています。 私の園でもそうですが、このツタを壁にはわせると夏は建物の中が涼しくなる効果があり、そのためにも建物を伝え覆うことをします。
先日の岡山から姫路に行く旅の途中、倉敷の「アイビースクエア」に寄りました。この施設は江戸幕府の代官所跡に明治22年(1889年)に建設された倉敷紡績創業の旧工場で、昭和48年(1973年)に改修され、観光施設として再生されたものです。その中のアイビー学館は建物全体がアイビーで覆われ、その前の立札にこんな説明がされています。
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「平安時代には早春に、この幹から液をとり煮詰めて甘味料を採った。砂糖のなかった時代の甘味料として珍重されたことが、古今著聞集・源氏物語・尺素往来物の書物にのせられている。ただし、葉は食用にならない。落葉性のこの“なつづた”に対して常緑の“ふゆづた”があるがこれは「うこぎ科」に属する。この壁面の“つた”は、昭和の初期に西日のため室温の上昇するのを防ぐため植えられたものである。」
アメリカで、フットボール連盟が8校の参加で結成されたリーグ名に「アイビー・リーグ」というのがありますが、これは、レンガ造りの校舎に生い茂る蔦(アイビー)が各校のシンボルとなっていたことから、スポーツ担当記者が命名したものです。この8校は、アメリカのエリートを育成する学校としても名高く、生徒達は、家柄も良く、優秀な頭脳の持ち主で、社会的にも指導的な立場となる為、必然的に着用の服は、保守的で、てらいが無く、オーソドックスで、伝統的ながらも、着易く、活動的なものでした。それが、アイビー・ルックといわれたものです。このファッションは、日本でも大きな反響があり、私が学生時代には、VANジャケットの提供する情報誌やMEN’S CLUBから、いろいろな新しい和製英語の服装を知りました。たとえば、「トレーナー」、「ダウン・ヴェスト」、「スウィング・トップ」、「ポロシャツ」等です。
このように伝統を表す「つた」ですが、日本でも蔦紋という、ツタの葉・茎・花を図案化した日本の家紋の一種がありますが、日本十大紋の一つです。強い生命力、絵になる葉の姿から、藤原時代には既に文様として愛用されていたそうです。江戸時代に松平氏が用い、8代将軍吉宗が出た紀州徳川家が替紋として蔦を用いたことから、権威のある家紋として認知され普及したそうです。また、優雅ながらもほかの樹木や建物などに着生する習性から付き従うことに転じて、芸妓や娼婦に好まれ、また、蔦が絡んで茂るさまが馴染み客と一生、離れないことにかけて芸妓や娼婦などが用いたといわれています。
そういえば、泉鏡花の名作「婦系図」の主人公は、「お蔦」と「主税」でした。お蔦のセリフ「切れるの、別れるのって、芸者の時にいうせりふ。今の私には、いっそ死ねといって下さい。」を紅葉したツタを見て思い出すので、年寄りかもしれません。

つた” への4件のコメント

  1. 先日子ども達と山歩きをした際、案内の人から「ツタウルシ」のことを教えてもらいました。紅葉の歌に「松をいろどる楓や蔦は」とありますが、見事に松がツタウルシに覆われていました。教えてもらわなければ何も考えずに触っていたと思います。つたにもいろいろあります。
    壁面緑化に興味を持ちアイビーのことを調べていたときに、上に這わすと壁に張り付き下に垂らすと張り付かないということを知りました。常識かもしれませんが、一人で感動していました。つたは種類がいろいろあるだけでなく、特性もいろいろです。

  2. アイビースクエアの蔦、実に見事です。壁面緑化のモデルですね。蔦の幹から撮れる甘味料、どんな甘味があるのでしょう。一度味わってみたいものです。アメリカのアイビーリーグは名門大学として日本にも知られていますね。ハーバード、イェール、プリンストン、コーネル、コロンビア、ダートマス、ブラウン、ペンシルベニア大。名門だけあって授業料も馬鹿高いそうで、しかしお金のない人でもこれらの大学に入れる力を持って入れば奨学金でカバーされるか授業料免除になるとか。私が知り合った人の中にも上記大学の出身者が何人かいましたが確かに頭良かったですね。そしてみんな本当によく勉強していました。幸い性格の悪い知り合いはいなかったのでこちらの無知には手加減してくれました。

  3. ♪蔦の絡まるチャペルで 祈りを捧げた日 夢多かりしあの頃の 思い出をたどれば…♪御存知、ペギー葉山の名曲「学生時代」ですが、この歌碑が今年の3月に母校の青山学院に建てられたそうです。1964年(昭和39年)の大ヒット曲ですから、ちょうど藤森先生の青春時代の愛唱歌ですか。僕もこの歌のような大学にあこがれて上京しましたが、入学したのが山の中の創立間もない大学で、蔦の絡まる森の中で友との語らいを楽しんでいました。倉敷のアイビースクエアには、美観地区に行った折によく立ち寄ります。中庭で蔦の緑を眺めながらコーヒーを飲むひと時が好きですね。

  4.  写真のように蔦の植物もこれからの時期には紅葉になり、建物が蔦に覆われている建物も緑から奇麗な赤色に変化していくと思います。まず、平安時代に蔦の植物で建物を覆い、部屋の室温を下げているとは驚きました。今になって、地球の温度を下げるために緑化が進んでいますが、今に始まった事ではないのですね…。
     私も植物を育てるのが好きですので、園にもアイビーをたくさん植えています。ある壁をアイビー全体で覆いたいのに、なかなか上手くいかず、剪定をしたりなどして試行錯誤していました。その時に植木屋をしている友人に色々アドバイスを受けましたが、その時にアイビーの生命力の強さ、癖などを聞きました。また植物を育てて思った事は、保育と一緒で、手を出しすぎてもいけないし、全く出さないのもダメなんですね。

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