紙芝居1

 安藤忠雄氏の世界を直島で十分に堪能した後、ちょうど日、月曜日と連休でしたので、岡山で妻と待ち合わせて姫路に行きました。そこでの見学の一つは、やはり安藤忠雄氏設計の「姫路文学館」の見学です。
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この文学館では、姫路を中心とした播磨ゆかりの文人たちを顕彰し、資料の収集および調査・研究を行う拠点として、1991年4月に市制百周年事業の一環として開館しました。国宝姫路城の北西に位置し、「ユニークなデザインが古い町並みに新しい風景を添えています」とチラシに書かれています。南館と北館2棟それぞれが違った主張で建っており、そのデザインは、他の作品同様、外観だけでなく、存在感たっぷりの厚いコンクリートの壁で区切られた室内と、その長い壁の突き当たりに、外から注ぐ光がまた違った仕切りを作っています。
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 この文学館の特別展「みんなの紙芝居」が開催されていました。園では、紙芝居は子どもにはとても人気のある教材で、昼寝前になると、子どもたちが好きな紙芝居を選びに職員室にやってきます。この紙芝居は、日本独特の児童文化です。私の子どもの頃以前から、いまだに人気のあるというのも珍しいですね。
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 この展示のあいさつ文に、「紙芝居は、自転車と荷台をセットした舞台装置で絵と話芸により展開され、至近距離で接する観客の心を捉えて離さない生身の芸能文化でした。テレビ普及前夜の世間に根を下ろし、特に子どもたちに対しては、生活に密着したメディアとして確固たる地位を保っていました。テレビの普及と反比例するように街頭から急速に姿を消した紙芝居ですが、今、教育現場や全国の図書館で注目されるなど、再び熱い関心が寄せられています。」
 確かに、紙芝居は子どもたちにとって黄金バットに代表されるような、ある意味で大衆芸能でした。その最初の黄金期は、ずいぶんと早い時期、昭和の初めには訪れます。昭和5年には、飴を売りながら子どもたちに語りを入れた「平絵」が登場し、その秋には「黄金バット」が創出されるのです。当時の紙芝居の裏には説明文がなく、貸し元が紙芝居業者に口伝であらすじを伝え、話し手が講談のように面白おかしく、話していたようです。しかし、それが次第にエスカレートして刺激の強いものが盛んにつくられていきます。そのために、「教育上見逃すことが出来ない」と世間から非難を浴びます。
 アメリカの大学で神学を学んだ「今井よね」は、自宅で子どもたちを集めてキリスト教を伝道していました。ある時、その途中、街頭紙芝居の拍子木の音が聞こえた瞬間、子どもたちはみんな外に飛び出して行ってしまいました。彼女がそのあとを追ってみると、身じろぎもせず、食い入るように紙芝居を見つめている子どもの姿を見て、この紙芝居をキリスト教の伝道に使えるのではないかと考え、その内容を考え、紙芝居画家のところに持ち込み、紙芝居を作ります。これが昭和8年、大衆演芸であった紙芝居から教育的目的を持つメディアとしての存在として第一歩だったのです。
 これを、きちんとした幼児教育の目的として位置づけたのが「高橋五山」という全甲社という出版社を立ち上げた人です。彼は、街頭紙芝居の持つ、話し手と子どもたちの人間的な結びつきに着目し、さらに「見る、聞く、楽しさに芸術性を盛るなら、楽しさはさらに増すはず」と考え、昭和10年4月に「幼稚園紙芝居」(全10巻)の出版を開始するのです。
その後、私が子どものころによく見かけた紙芝居は、どうなっていくのでしょうか。

紙芝居1” への4件のコメント

  1. 体験がないので想像でしかないですが、街頭紙芝居のあり方を考えると、話し手と聞き手の関係があったからこそ楽しいものなんでしょうね。内容がおもしろいということもあると思いますが、人と人とのやり取りもあるから面白いんだと思います。絵本などもそうですが、淡々と読んでおしまいではなく、話し手と聞き手の関係をどう作るかを考えなければ、ただの一方的な情報の伝達になってしまいそうです。関わりを生むツールという役割も持っているんだろうと思っています。

  2. 日本の紙芝居業界のシェアを二分する会社が、童心社と教育画劇です。紙芝居の魅力について、童心社のHPにこうあります。①紙芝居は、絵と演じ手の声が一つになるから子供にとって親しみやすい。②紙芝居の画面は、ゆっくりと変わっていく。このゆっくりが子供たちの心や体のリズムに合っている。③友達と一緒に見るから楽しさも何倍にもなる。友達同士の心のつながりが生まれる。テレビゲームや動きの激しいアニメは、子供の体に悪影響をもたらすこともあります。子供たちの自然な発達を考えれば、紙芝居ほど最適な教材はないと思います。ちなみに、教育画劇のほうは、昭和21年の創業といいますから、この業界でも老舗ですね。こんな良心的な会社がいつまでも続いてほしいと思います。

  3.  幼稚園の頃、先生が紙芝居を読んでくれました。当時はアンパンマンの紙芝居が大好きだった記憶がうっすら残っていますが、とても楽しみな時間でした。しかし自転車の後ろに紙芝居を乗せて、公園などの広場で紙芝居を読んでいる姿は、一度も見た事がありません。たまにテレビの番組などで見る機会はありましたが、テレビがあまり普及していない時代にとっては、とても楽しみなイベントかもしれません。紙芝居にあって、テレビには無いもの、それはブログにも書かれていますが、話し手と聞く側のコミュニケーションが行われる事なんですね。これが紙芝居の醍醐味のような気がします。

  4. 私にとって「紙芝居」は保育園時代の数少ない思い出の一つです。紙芝居のどんなお話を誰に見せてもらったということではなく、紙芝居そのものが何故か就学後も特殊、特異な存在として私の中に在り続けました。保育園の頃、家には数冊の絵本や幼児雑誌があるだけでしたから保育園の「紙芝居」は別世界のもの、家には存在し得ない何か特別なものという感じを抱いていた、そのことが原因かもしれません。保育園勤めを始めてやはり最初に目がいったモノが「紙芝居」でしたね。紙芝居の入った紙のケースの一つを取り出すと胸がドキドキしました。その後は子どもたちの求めに応じて紙芝居を読んであげたりしましたが操作方法はなかなか難しいことを実感しました。「日本独特の児童文化」とあります。園で紙芝居を選びに来る子どもたちを見ては「文化の伝承」を感じます。今後とも大切にしていきたい文化の一つですね。

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