飢え

 最近、駅の構内とか、車両の中吊広告で目にするものがあります。その内容は、とてもショッキングなものです。
「いま、飢えが原因で、6秒に一人が命を落としています。地球にはすべての人々が食べるのに十分な食べ物があります。なのに、地球の7人に一人は、飢えに苦しんでいます。飢えは、いまだに世界第1位の死亡原因です。毎日、大人・子どもを含め、2万5千人が命を落としています。もし事故か災害で、1日にして2万5千人が命を落としたら、大ニュースになるでしょう。」
このキャンペーンは、「WFP」という国連唯一の食糧支援機関であり、かつ世界最大の人道支援機関が行っているものです。飢餓と貧困の撲滅を使命として1961 年に設立が決定され、1963 年から正式に活動を始めました。この機関の活動の中で最初のコピーは、「WFP世界の学校給食プログラム」と呼ばれている活動です。現在、世界では3億5千万人以上の子どもたちが飢えに苦しんでいて、その多くは、学校でも食事をとることができません。さらに、学齢期の児童のうち7,500万人は、家庭の労働の担い手になるなどして、学校に通うことすらできていないのです。
私たちの多くは、当然のように給食を食べています。栄養計算をした食材、安全食材を利用し、手の込んだ料理が工夫されています。また逆に、好き嫌いを注意され、学校時代の嫌な思い出の一つとされ、毎日多くの残菜が捨てられています。しかし、空腹のままでは子どもたちはどうしても注意散漫になりやすく、学習に集中することができません。子どもの飢餓による病気や、生涯にわたる身体的・知的発達障害、生産性の低下により、世界では1年当たり200~300億ドルあまりの経済的損失が生じているといわれています。
給食の是非は日本では、よく論議されるところですが、その火の食事も満足にとれない国にとっては、せめて1日に1回は栄養価の高い食事を取るために必要であり、給食があることで就学率と出席率が著しく向上します。どうしても親は、子どもたちを働かせるようとしてしまいますが、給食があるということで通学させることを選ぶようになるのです。特に、家にいることが当然だとされていた女子にも学習の機会が与えられるのです。
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先のポスターは、今年のACジャパン支援キャンペーン「hopeを消さないで」です。WFPが給食の配膳に用いている赤いカップを給食=hopeの象徴として描いています。ずっと、給食支援をしてきたにもかかわらず、近年の食糧価格高騰と世界経済悪化の影響で、途上国の食糧事情は更に深刻化し、飢餓人口も増加の一途を辿っており、支援を必要とする人々が急増しています。しかし、WFPでは、去年は資金不足により学校給食の一時停止さえ余儀なくされているそうです。ですから「hopeを消さないで」と訴えているのです。
このポスターの子どもたちは、アフリカのルワンダの子どもたちだそうですが、現在、ルワンダでは国民の5割近くは食糧難かそれに近い状態にあり、特に子どもの栄養失調率は高く、5歳以下の子どもの45%は慢性的な栄養失調状態だそうです。そんな国であっても、子どもたちの笑顔は素晴らしいですね。撮影されたのは、特に貧しい地域で、小学校に通い続け無事卒業できる生徒は全体の45%しかいません。また、生徒の半数は、大虐殺やHIV/エイズで少なくとも片方の親を亡くしており、中には両親を亡くして子どもだけで暮している世帯もあるそうです。ここの給食は、とうもろこしや豆を煮たものに、雑穀を混ぜたものですが、これが一日唯一の食事の子どもも多いそうです。成績のいい生徒には、学期末に優秀賞として食糧が贈られるため、皆一所懸命勉強に励んでいるようです。
このポスターの子どもたちの笑顔や、きらきらした目、将来に希望を持ってたくましく生きている姿を見るとなんだか胸が痛くなります。

飢え” への4件のコメント

  1. 希望を感じられることは、どんな人にとっても生きていくうえで大事なことだと思います。希望をもつためには、自分の未来は決まっているとしか感じられない状況ではなく、未来にどうなるかわからない部分、決まっていない部分があることが必要だと思っています。自分自身も、周りの人も、そんな状態でいられるためには何をすればいいんだろうと考えさせられます。今回の内容はずしんと響いてきます。このような事実をきちんと知らないことの怖さも感じました。いろんな思いが沸いてきましたが、特に「hopeを消さないで」の言葉を自分の中でしっかりと消化したいと思います。

  2. このポスターは私も目にします。WFPの活動には間接的に関わったことがあり、また私自身大学時代にスーザン・ジョージさん著『世界の半分はなぜ飢えるのか』という衝撃的論文を読んでいたので今回のブログ内容については読みながら様々なことを考えました。紹介されたアフリカのルワンダは最貧国の一つに数えられます。ルワンダ国民の実に5割が食糧難状態に置かれているとのブログの内容はまさにその通りで、当国は内戦による貧困・飢餓克服がとても大きな課題になっております。ポスターの子どもたちの笑顔には私も同じく胸が痛くなります。それでも彼らには夢も希望もあります。お腹をすかせながらもその夢や希望を実現させるため、時間あれば常に勉強します。本当に自分たちの国をなんとしようと考えています。死と隣りあわせながら「今をもっとも良く生き」ようとしているのです。

  3. これほど多くの世界の人々が飢餓に苦しんでいるのに、日本は相変わらずの飽食天国です。日本の食品の7割が輸入されたもので、年間5800万トンもの量になります。そのうち実に3分の1(1940万トン)を捨てているそうです。食料の廃棄率では消費大国アメリカをも上回るというから驚きます。食品を扱う企業や一般家庭から残飯として捨てられ、その処理費用に2兆円も使われている事実。う~ん、もったいない。世界中で食べ物の絶対量が不足しているから飢餓が起きているのではなく、先進国と言われる一部の国が、発展途上の国々の犠牲の上に食料を買い漁っていることが原因です。食料は世界の共有にして、うまく分配する仕組みができないものでしょうか。

  4.  6秒に一人命を落としているのは、正直信じる事ができませんが、しっかりと現実と向き合う必要があると感じました。毎日何気なく朝食を食べ、給食を食べ、夕食を食べて生活していますが、こんなに幸せな事を当たり前と思っている人は大勢いると思いますし、私もその一人に入っています。そうは言っても今回のブログやCMなどを通して意識はしているものの、つい忘れてしまい、食事に関しては贅沢になったり、残したりしてしまいます。写真の子ども達の明るい笑顔を見ると、本当に胸が痛くなります。地道でも、まずは自分の周りの人から意識を変え、そして子ども達にもちゃんと現実を伝える事が大切だと思います。

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