先日ある書物が送られてきました。それは、よくあるようにダンボールで包まれていました。それを開けてみて、今更ながら感動してしまいました。なぜかというと、写真にあるようにその書物の大きさと厚さに合わせて四方がきちんとおさまるように梱包されています。そして、そのダンボールを開いてみると、まったく1枚の段ボールになるのです。逆にいえば、1枚の段ボールを切り込みを入れて、折っていくだけできちんと梱包するような形になるのです。たぶんこれは、デザイナーというよりもコンピューターが作ったのでしょうね。

梱包は、まず、その中身をきちんと、傷つけずに包装することが目的です。それには、包みものの大きさや素材に合わせなければなりません。そのような意味で日本では優れた梱包材が「風呂敷」だったのでしょう。どんな大きさのものも、どんな素材のものを包むことができるからです。また、包むのは、今回郵送してきたときのように安全に、容易に移動するために手段ですが、そのほかにもいろいろな役目があります。それは、よく言われるようなパッケージデザインといわれるものです。
いまや、現代社会においては、包装を抜きにして成立する製品はほとんどありえないといっても過言ではありません。そして、時には過剰包装といわれるように悪者にされることもあります。環境問題としての包装の在り方に社会的関心が高まってきたということもあります。しかし、私たちがいろいろな店で商品を目にするときに、多くは、直接のものよりもそのパッケージを見ていることのほうが多いのです。ペットボトルの飲み物などはまさにそうで、その時のパッケージは容器としての用途にもなっているのです。商品を量的に単位化し、運搬しやすく保護し、品質を守り、最近特に影響するものが、コミュニケーションの担い手としての役割です。パッケージは製品に「顔」を与え、企業など送り手からのメッセージや商品情報を、使い手である生活者に伝えます。
そんなことで、包装に関するすべての分野の科学および技術の発展をはかる学術団体である「日本包装学会」が1992年4月1日に設立されていますし、社団法人日本パッケージデザイン協会が1960 年に設立され、1981 年に社団法人として認可されています。この団体は、通称JPDA(Japan Package Design Association)といいます。そこでは、「果たしてパッケージに何ができるのか」と問いかけ続けながら活動しているようで、そのテーマのひとつが「人へのやさしさ」と「地球環境への配慮」だそうです。この課題は、ほかの職種にも言えますね。
また、パッケージを評価する際の4つの軸が提案されています。1.目立つかどうか(視覚吸引力があるか) 2.らしいか(カテゴリーに求められる基本機能が表現されているか) 3.コンセプトが伝わっているか(商品の特徴・差別化のポイントが表現されているか) 4.アイデンティティがあるか(デザインの中に長期にわたって資産となるアイデンティティがあるか(カラー、ロゴ、レイアウトなど))です。
この軸で、街の中にあふれているパッケージを見て歩くと面白いかもしれません。どんなパッケージが気にいるでしょうか。
写真の梱包のダンボールは本当に素晴らしいですね。今までだと物の大きさに合わせてダンボールや封筒を探していましたが、これだとそんな手間ははぶけますし、過剰な梱包も避けることが出来ます。コンピューターはすごいですね。
街角の商品や飲み物を買うときは確かにパッケージから見て、買うか買わないか決めます。ですから評価する際の「目立つかどうか」は重要です。もちろん他の3つの評価も重要ですが…。ただ、そこまでパッケージについて、じっくりと見る事もないですし、そこまで深く考えた事がありません。売れる商品というのはそれなりの、もちろん商品のクオリティが高いから売れるのと、やはり目立つからだと思います。あとは人気がある飲食店なども、そうかもしれません。次から街を歩くときは、そういうのも意識してみようと思います。きっと保育室にも使えるアイディアが出てくる気がします。
パッケージを評価する際の4つの軸は、園をアピールするときの考え方の参考にもなりますね。特にコンセプトが伝わっているかは、外部にアピールする際にまだまだできていない点です。商品のように形があるわけではないのでと言い訳をしがちですが、だからこそ分かりやすく伝えることが重要になってきます。視野を広げてパッケージからも学ぶことも意味はありますね。
上の写真の本のパッケージは、たぶん「万能小包」と言われる包装資材だと思います。私どもの業界でもよく使われますが、書籍小包を利用するのに便利です。最近、アマゾンで本を注文すると、文庫本でも大きな段ボールの底に張り付けて送って来ます。いつも無駄だなと思いますが、いかがでしょう。日本パッケージデザイン大賞2009を受賞したのは、羊羹で有名な「とらや東京ミッドタウン店」のパッケージだそうです。虎の字のロゴにも存在感があるし、全体にお店の格式を感じさせるしゃれたデザインです。食べたことはないのですが、さぞかし味も一級品なんでしょう。
日本のパッケージと言えばやはり「風呂敷」でしょう。確かに今回のブログで紹介されたダンボールパッケージも感動します。しかし風呂敷はいろいろなものを包装することができます。実に素晴らしい。ということで、先日区のセンターを訪れた時の話です。そのセンター内にあるプールに行くことがそもそもの目的で、まぁその目的は達成したわけですが、そのセンターの受付になんと「文豪風呂敷」なるものがあるではありませんか。その文豪とは、夏目漱石、林芙美子、そして小泉八雲。各氏の書いた「新宿」という文字があります。二種類あって江戸小紋・江戸更紗です。今度お土産に、と思いました。次回息子と泳ぎに行くときに買ってみようかな。園の季節手ぬぐいのように額に入れて園に飾っても私たちの「所属感」表現の一助になるかもしれませんね。藤森先生、如何ですか?