プラスチック

 最近、よく飛行機に乗ることがありますが、そのときによく思うことは「こんな重い鉄の塊が空を飛ぶなあ」ということです。紙飛行機にしても、滞空時間を競争する模型飛行機にしてもその素材はとても軽く、繊細にできています。それに対して実際の飛行機は、とても大きな鉄の塊というイメージがあります。
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 しかし、今の時代にそんなことをいうと笑われます。というのは、今の飛行機の機体はプラスチックでできているのです。他にも自動車の車体やパソコン、スポーツ用品などもほとんどプラスチックなのです。しかし、私たちは、プラスチックというと確かに軽いのですが、弾性率が低く構造用材料としては適していないと思っていました。というのは、もともとプラスチックとは英語で「自由に形をつくれる。やわらかい」「可塑性を持つもの」と言う意味で、一般に 「人工的に合成された高分子物質で可塑性のあるもの」と定義されるからです。また、合成樹脂とも呼ばれますが、それは、天然の松やにや漆の木から出る「樹脂」をまねてつくっているからです。
プラスチックには大きくわけて二つの種類があります。 一つは、熱をくわえるとやわらかくなり、冷やすとかたまるもので、「熱可塑性プラスチック」と呼ばれるものです。これは、熱を加えると溶けてやわらかくなり、冷やすと固まる性質をもち、1度硬くなっても 熱を加えると再びやわらかくなる性質があるものです。ほとんどのプラスチック製品はこれで、ペットボトルや発泡スチロール、バケツ、コップ、密封容器などの家庭用品などのスチロール樹脂やポリエチレンやポリプロピレンやメタクリル樹脂等はこれに当たります。
もうひとつは、熱をくわえるとかたくなるもので、「熱硬化性プラスチック」と呼ばれます。これは、熱を加えるとかたくなり、一度固まると後で熱を加えても再びやわらかくならないもので、電気のコンセントなどの電気器具、浴槽、ヘルメット、テーブル、ボタンなど比較的耐熱性を要求される箇所に使用されています。
そんなプラスチックに弾性率の高い材料を強化剤として複合させることで、軽量で強度の高い(比強度の大きな)ものができます。強化材として、今はガラス繊維の他、炭素繊維や強度の高い樹脂繊維、ケブラー、ダイニーマなどで強化する場合もあるようです。このような材料の作り方で使用する場所が違います。オートクレーブという大きな釜で焼き固めたものは極めて強靱で、ドライカーボンと呼ばれるが、生産工程が完全な手作業となるため高価であり、量産に向いていないが、その特性からレース用の自動車フレームや航空機の翼、宇宙工学、楽器ケース(チェロなど)などで使用されています。オートクレーブで焼き固めないものは、ウエットカーボンと呼ばれ、強度としてはプラスチック+αに留まるが、安価・軽量で耐久性がよいことから、小型船舶の船体や、自動車・鉄道車両の内外装、ユニットバスや浄化槽などの住宅設備機器で大きな地位を占めているそうです。
最近は、炭素繊維といわれている材料が開発されていますが、炭素繊維は「鉄より軽くて強い素材」として注目を集めており、飛行機だけでなく、スポーツ用品、自動車、パソコンなど、従来の素材の代替品として、幅広く使われはじめています。
鉄やアルミから炭素繊維へと着々と革新が行われているようです。