選挙

今日から、このブログも5年目に入ります。
今から56年前の昨日の28日午前11時20分に民間放送初のテレビ本放送が開始されました。「JOAX-TV、こちらは日本テレビでございます」の第一声とともに始まった日本テレビでは、その2年後の55年、第27回衆議院総選挙で開票速報の放送を開始しました。取材レポートや政局討論会などが組み込まれ、リアルタイムの政治情報が茶の間に送られるようになったのです。
この時の選挙は、とても興味深いものがあります。それまでの内閣は1953年に、吉田茂首相が衆議院予算委員会において放った失言をきっかけに、衆議院において内閣不信任案が上程され、直ちに衆議院を解散(バカヤロー解散)したのちに誕生した第5次吉田内閣です。しかし、総選挙で過半数を獲得できなかった自由党は、改進党と保守連立を模索したが合意に達せず、少数与党でスタートしました。しかし、この吉田内閣は、造船疑獄の発覚と保守内紛で弱体化し、1954年に総辞職し、長期の「吉田政治」に終止符が打たれたのです。
そして、行われたのが第27回衆議院総選挙で、初めて日本テレビで開票速報が放送されたのです。その結果、日本民主党の鳩山一郎を首班とする第1次鳩山内閣が成立しました。この時の投票率は、男79.95%、女72.06%、計75.84%でした。この選挙だけが特別高かったわけではありませんが、今と比べるとずいぶんと選挙に対しての国民の意識が高かったことがうかがわれます。しかし、この選挙で、日本民主党だけでは衆議院で過半数に足りなかったため、首班指名選挙では左右両社会党の支持をもって首班指名を受けた。その際の見返りとして、鳩山は左右社会党に対して早期解散の約束をしたのです。
解散のときには、今のようになんとなく尻つぼみで消えていくのではなく、いろいろなドラマがありました。吉田内閣時代には、「馴れ合い解散」「抜き打ち解散」「バカヤロー解散」といわれるようにとてもワンマン的な解散の仕方が多かったのです。それに対して、当時の第1次鳩山内閣では、私からすると「約束解散」だと思うのですが、解散が行われた瞬間によって、違うイメージを国民に植え付けました。1955年1月24日、衆議院本会議場では政府三演説に対する代表質問が行われていた最中に突然、「ただいま内閣総理大臣から詔書が発せられた旨伝えられましたから、これを朗読いたします」と告げ、突然解散となったのです。約束され、いつ解散するのか待ちわびていた与党民主党と左右両社会党の議員たちは興奮の渦に巻き込まれたのです。
その時のことを後で新聞記者に鳩山が「なぜこの日に」と聞かれたことに対して、淡々と「天の声を聞いたからです」と答えた態度が、今までの吉田内閣の解散と違って、確実に新風を吹き込んでいるというイメージを与えたのです。ですから、そののち、「鳩山ブーム」が沸き起こるのです。しかも、鳩山の陽性の人柄と、政権掌握間近にGHQによって公職追放となったことや、病魔に倒れた悲運に対する同情が集まり、次の選挙では、民主党の候補者に票が集まったのです。
今日という日に、こんなことを振り返るとは、なんだか、不思議な気がします。

選挙” への5件のコメント

  1. もう5年目突入なんですね。毎日気づきと学びを与えてくれるこのブログの存在には、本当に感謝しています。どこまでいっても学ぶことに終わりはないこと、そして学び続けることが活力になることなど、大事なことを気づかせてもらっています。問題の本質を捉え、その解決のためなら変化も恐れないことは、どの世界でも必要なことです。また、画一的ではなく多様性を認めることは、どんな社会でも大切です。そんなこともこのブログから教わりました。さあ今日はどんな結果が待っているんでしょうか。

  2. 藤森先生は政治活動とは一線を置いておられるので、今日のようなお話は意外です(笑)。「じっちゃんの名にかけた」今回の孫の対決、このままいくと由紀夫君の勝ちになりそうですが、はてさてそうなってからが心配ですね。アメリカと違って、官僚機構はそのままで政権だけが変わる日本。危うい実験になりそうです。それはともかく、今日は臥竜塾の誕生日。おめでとうございます。開設当初は、週に一、二度気が向いた時にコメントするだけだったのが、図々しく毎日登場するようになりました。難しいテーマの日もありますが、そこを克服した時の快感は、高山を征服した時のそれに近いものがあります。これからもよろしくお願いします。

  3. 先生のブログに出会ってから、考えることも娯楽だと気が付きました。
    5周年おめでとうございます。

  4.  まず、5年目おめでとうございます!毎日これだけの量の内容を一日も欠かさずに書かれているのを、冷静に考えると本当にスゴイと感じます。毎日コメントをさせていただいていますが、時たまコメントに悩み延ばす時があります。しかし、先生の場合は延ばす事もできないのですね…すごいと思う反面、藤森先生の知識の多さに恐ろしく感じます(笑)これからも勉強させていただきます!!
     選挙結果は、ご存知の通りですが、これから日本がどう進んでいくか楽しみです。

  5. 臥竜塾ブログを開設されてから5年目。誠におめでとうございます。この4年間1日も欠かさずブログが更新されたことに対して脱帽することはもとより、その内容も決して手を抜くことなく常に広がりと深みを有し、また飽きさせることなく私たち読者をひきつけるその魅力には敬意を超えて懼れさえ感じます。近年の政権は当ブログの如く長期に渡ることはなくいつも短命で入れ替わり立ち代り、まるで総理の座をたらい回しにして政治家各位の権力を交替ばんこに満たしあってきました。経済1流政治は5流、と言われて久しいわが国の政治です。政治が5流でも国民の暮らしがこれまでのようにやってこれました。実に奇跡、と言っても過言ではないでしょう。この国の力は奈辺にありや。

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