夏の終わりの朝顔

 朝顔市から始まった今年の夏、そろそろ終わりに近づいてきました。私は、このころの季節はあまり好きではありません。カラダ的には、とても気持ちのよい、さわやかな季節です。しかし、夏休みで子どもたちが街にあふれ、暑いと言いながら汗びっしょりになり、そんなときに下着を着替えるとか、シャワーを浴びる気持ちよさ、なんだか私は汗かきなのに、汗がだらだら出ると体の毒が出ていく気がします。そんな季節を過ごしていると、ふと冷たい風が体をよぎります。暑い夏の中に、秋の気配を感じます。すると、私はなんだか不安になります。
「秋でもないのに、人恋しくて 寂しくて黙っていると …」ではありませんが、人恋しく、寂しくなるのが秋です。というよりも、長い受験時代のせいか、受験が近付くような、何かやり残しが多いような、準備不足のような不安な気持ちがよぎるのです。夏というのは、開放的で、仕事も予定があまり入っていないので、溜まった仕事を片付けようと思っていたのが、ほとんど片付いていず、夏の間に何をしていたのだろうと思ってしまいます。夏休みの宿題がいっぱい残ってしまって、新学期の始業式が近付いて焦っている子どものような気分です。
 そんな夏の終わりも朝顔です。園の隣のうちには、今の時期には「チョウセンアサガオ」の花が咲きます。
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いつもは鈴なりですが、なぜか今年は花が少なく、しかも咲いたのがいつか気がつかないほど早かった気がします。この朝鮮朝顔は、ナス科の植物で、園芸用にはダチュラの名で広く知られていますが、マンダラゲ(曼陀羅華)とか、キチガイナスビなどと呼ばれることもあります。最近は、エンジェルズ・トランペットという名前で売られているのを見かけます。原産地は南アジアの外来種として帰化・野生化したものが見られます。
この花は、仏様が説法するとき、天から降りてきて人の心に喜びを感じることができる花といわれる四つの花(四華:曼陀羅華・摩訶曼陀羅華・曼珠沙華・摩訶曼珠沙華)のうちの一つといわれています。日本へは、江戸時代・明治時代に薬用植物としてもたらされたとされます。この花の名前がキチガイナスビといわれるのは、奇妙な形ということではなく、薬用植物ではあるのですが、使い方によっては毒性も著しく強いからです。ベラドンナやハシリドコロなどと同様にアトロピンを含んでおり、過去には鎮痙薬として使用されました。少し前に、オウム真理教が「ダツラの技法」と称して信者を洗脳、自白させるための薬物原料にこの種類を使ったことで印象が悪くなり、気の毒な話です。
しかし、日本麻酔科学会のシンボルマークにこの花が採用されているほど、重要な役割も持った花です。それは、世界初の全身麻酔手術に成功した江戸時代の医学者、華岡青洲が精製した麻酔薬がこの種を主成分としていたのです。華岡青洲は、ダチュラを主成分とする内服全身麻酔薬「通仙散」を完成させ、日本最初の全身麻酔による乳癌摘出手術に成功したこと、その開発までのエピソードなどが有吉佐和子の小説「華岡青洲の妻」に描かれており、数々の舞台や映画などで上演されています。この話は、次のブログで取り上げるほどとても興味深いものがあります。

夏の終わりの朝顔” への4件のコメント

  1. 今年植えたチョウセンアサガオは上手く育てることができませんでした。日当たりなどの基本的な条件が悪かったのが原因だと思われますが、昨年のゴーヤ、今年のチョウセンアサガオと2年連続の失敗は結構こたえます。来年こそはと、すでに計画を立て始めました。そんなわけで、せっかくなので、チョウセンアサガオのことをもっと知ろうと思います。次のブログも含めて勉強させてもらいます。
    夏の終わりなどの季節の変わり目は、周りの様子などの環境は当然変化しますが、人の心も様々に変化しますね。私の場合は藤森先生とはまた違う感情を夏の終わりに持つことが多いです。人それぞれに心に四季があるようで、なんだかおもしろく感じます。

  2. 季節は夏から秋へ。朝夕はずいぶん過ごしやすくなってきました。でも、こんな時期に体調を崩してしまう人が多い。原因の一つが気温の変化。体温を調節している自律神経にストレスを与えて、免疫力や抵抗力を弱めてしまう。全国的に新型インフルエンザが広がってきてますから、決して油断ができません。出来るだけバランスの良い食事をとり、生活のリズムを整え、風邪をひかないように暖かくして寝るなど気をつけたいものです。今日のテーマにちなんで、森山直太朗の「夏の終わり」を聞きながらこの書き込みをしています。
           水芭蕉揺れる畦道 肩並べ夢を紡いだ
           流れゆく時に 笹舟を浮かべ
           焼け落ちた夏の恋歌 忘れじの人は泡沫
           空は夕暮れ
           途方に暮れたまま 振り止まぬ雨の中
           貴方を待っていた人影のない駅で
           夏の終わり 夏の終わりには ただ貴方に会いたくなるの
           いつかと同じ風吹き抜けるから
    この歌が、反戦歌だとは知りませんでした。戦争で亡くなった最愛の人を追慕する歌ですね。人恋しくて、寂しくなる今の季節にはぴったりです。

  3.  なんだかんだで、朝顔の季節はあっという間に終わったのですね。私も夏は大好きな季節です。藤森先生が言われるように、体から汗が流れるのが、体内の毒が出ている気がして、すがすがしい気分になります。
     以前、朝顔のブログで色々と知りましたが、まだまだ知らない事がたくさんありますね。チョウセンアサガオもその一つです。日本麻酔科学会のシンボルマークや、麻酔に使われたり、色々と使い道があるのですね。

  4. ユリの一種かと思っていたらナント「朝顔」、それも「朝鮮朝顔」だったのですね。「エンジェルズ・トランペット」という名前はなるほどと思いました。また仏典の中にある「マンダラゲ(曼陀羅華)」にも繋がる。時期になると朝な夕なに目にする花でしたがこうしてブログで紹介されるとまた別な見え方がしてくるような気がします。確かに「園の隣」の「チョウセンアサガオ」は今年少々生彩を欠く咲き方をしています。色もなんとなく鈍い。明日また見てみます。さて、「夏の間に何をしていたのだろう」と思うことは私にもあります。受験の年、論文執筆の夏、そして読書の時、・・・。ホント、一体何をしていたのだろう、と思います。もっとも夏は私の好きな季節。気温と同様気分もハイテンションになっている。ハイテンションは一年中か、私の場合。

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